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お月見 カクテルは毒色!

昨日のnote「思い出は美化される」のつづき今夜は、お月見だ。
 我が家のお月見は、ススキとワレモコウを飾り、三宝にお団子を積み上げて、お月様が見えるところに飾った。厚洋さんはそれを眺めながら、月を見上げながらウイスキーを飲んだ。彼が亡くなって2年目。新たな観月の知識を得た。「観月の良さは、月そのものを見るのではなく、映った月を愛でるのが風流とか…。」
 知らせてあげたかったなあと思うし、一緒にやりたかったなあと思う。芭蕉のように
「名月や池を巡りて夜もすがら」
 池に映った月の美しさを二人で愛でるのも良いだろう。我が家で飲んだとしても、その日ぐらいは、日本酒に戻して、お盃に映った月を飲み干すなんてことをさせてあげたかったと思った。残念ながら真愛は、下戸なので代わりに飲むことができない。
 そういえば…。と思い出したのだ。結婚した最初のお月見の夜に、「ムーンライトセレナーデ」っていうカクテルを作ってくた事を。バイオレットフィーズにレモンを絞って流し込むカクテルだった。お酒の飲めない真愛は、舐めるぐらいしか飲めないが、シェイカーを振ってる厚洋さんが格好良く見えた。カクテルの能書きを話す厚洋さんも好きだった。本当に馬鹿なほど「厚洋さんが好きだったのだ。」(すみません。このnoteのほとんどが惚気話です。)もし、私が先に逝ったとしても、厚洋さんが真愛の事をこんなには、思い出さないだろう。
「ああ。今日は月見か!真愛は、団子を作ってたな。毎年、ススキを取って来てたから、仏壇に飾ってやろうか。」ぐらいなんだと思う。と考えると、「真愛は、幸せである。」 彼よりも沢山思い出せる自信があるからだ。いや、厚洋さんが幸せなのかな?女房にこんなに思われる旦那もいないだろう。
 寂しくないと言ったら嘘になるが、少しだけ寂しさに慣れて来た。寂しさを思い出で紛らわせることができるようになって来た。暫くぶりで、飲めないけれどカクテルでも作ってみるか?明日は、会議の帰りに市場によって、二年ぶりにお酒を買って来よう。の続き(昨日も読んでくださった方には重複部分ご多くて御免なさい。)
 で、買いに行ったのですが、既にバイオレットフィーズというリキュールは、ありませんでした。辛うじて「BOLS パルフェ・タムール」アサヒビールが少しだけ作っているのか、一本だけありました。
 アルコール度24.5%。真愛には、死んでしまいそうな濃度です。どうせ飲めないのだから、捨てるのと同じ。ならば、「アルコールを飛ばせばいいのだ」と思いました。    厚洋さんが居たら「ばっかもーん!」と言われたかもしれませんが、そこは一人暮らしの自由です。
 紫色のリキュールをお鍋に入れてグツグツと煮ました。とんでもなくアルコールの香りが充満しそれだけで酔いそうになったので換気をしながらグツグツ。
 なんだか煮詰まって、紫色が濃くなった気がしました。冷まして、冷やしてグラスへ…。
 ところがカクテルグラスのあの逆三角錐のグラスがないのです。彼が亡くなってから使わなくなり、奥の方にしまっていたのですが、それが良くなかったのです。奥にあったお陰でお皿に打つかり口が欠けたので一年前に捨てていたのを思い出しました。有るのは、シェリーグラスとシャンパングラス・タンブラー・ワイングラス・ブランデーグラス・ウイスキーグラスだけでした。
 諦めてシャンパングラスに注ぎました。
 次の問題点は、檸檬🍋。           果物がたくさん実る秋にも関わらず、レモンが無いのです。困った真愛は、厚洋さんが大好きだった我が家の蜜柑(まだ、青い蜜柑)を庭から取ってきました。斜めに切ってぎゅっと絞って…。
出来上がり❣️

 うまく写真に収められなかったけれど、グラスを抜けてくる紫の光は、厚洋さんが教えてくれた「ムーンライト」でした。
 大喜びで息子に「昨日のnoteとこの写真」LINEで送ると
「毒みたいな色してるな 笑」
「すごい✨映える色ですね!お父さんのニコニコした良い写真が見られました♪」とお嫁さんからもコメントが届きました。
 確かにグツグツ煮込んだから「毒色」です。また、「お婆さんがグツグツ煮込んだら完全な毒薬」ですね。こんなバカな事をするおばあさんを温かく?見守ってくれる「家族に乾杯」です。コメントと一緒に東京のお月様も送ってくれました。         さて、我が家からの月は、

 電線に夜干しされた洗濯物みたいでした。
 厚洋さんもあちらで笑って見ていたのでしょう。ならば、唯一の同居猫チャーちゃんに同意を求めて見たところ

「カクテルなんて関係にゃい。         今夜はお月見?関係にゃい!         この葉っぱはえのころぐさですかにゃ?」

 と、大騒ぎ。
 花器をひっくり返して、葉っぱに絡み付いていました。「思い出は美化されたけど、現状は、演芸場だったのです。厚洋さんは真愛がいてこそカッコつけマンでいられたのかもしれません。真愛一人では、ロマンティックには程遠いのですね。

 それでも、明かりにかざして飲む時には、「ムーンライト、セレナーデ」(小夜曲月の光)になっていました。
 今日の会議は一番乗りでした。キーズの千波ちゃんが、開口一番。         「今日は、お酒買って帰るんでしょ?」    「あれ?なんで知ってるの?」         「読んでるわよ。note❣️」          嬉しいですね。お馬鹿な惚気話も読んでくださって。千波ちゃんには、厚洋さんの話もたくさん聞いてもらって、いつも優しい言葉かけをしてもらい感謝・感謝なのですが、
「つづき」も惚気と馬鹿話で申し訳ないです。
 真愛は、本当に幸せです。       「思い出も美化され・それを聞いてくれる沢山の優しい人に恵まれて」
 厚洋さんと一緒に過ごせなくなって3回目のお月見は、笑顔で過ごせました。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります