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感謝しきれない繋がり
3年ほど前から、国際交流協会のボランティアを始めた。真愛の参加したのは「文化交流委員会」で、日本文化を紹介する仕事だった。
最初のお仕事は「台湾の高校生」に浴衣を着せることだった。異文化に興味を持ってくれている子どもたちに浴衣を着せ、その喜ぶ顔を見ることはとても幸せな感じになった。
「ボランティアとは、「人の笑顔」のためにするんだ
その笑顔は、自分の幸せ感になるんだ。」
という厚洋さんの言葉を理解できた時だった。
すでに、厚洋さんは彼方の方になっていたけれど…。
その後、大きな台風がきた後だったが、お琴を聞いたり、祭り寿司を頂いたり、我が街の素敵を話し合う会を開催することができた。
翌年には、国際交流協会のフェスティバルで、和服体験コーナーを担当して、何人もの外国の方に着物を着せられ、「大喜び」してもらえて嬉しかった。
その頃から、国際交流協会の別の委員会【日本語教室】のことが気になり、その活動をちょっとだけ手伝うようになった。
日本語で外国籍の方に日本語を教えるのだ。
本当にボランティア活動である。
真愛は、二足の草鞋を履いて、日本語教室のボランティアもさせてもらった。
大変であるが、楽しい。
「日本語を学びたい人」に全力で取り組むのだ。
小学校の教員をやっていたが、相手は大人であり、生活に必要を迫られて頑張って通ってくるのだ。
生きて使える日本語を伝えたい。
真愛の初めての担当は、ベトナムの方の漢字学習のサポートだった。
次は、ネパールの方に日本語を教えること。
中国の方の悩み相談をしながら、使える日本語習得のサポート。
中国の方がN1を受験するので、そのサポートを少しだけ手伝った。
そして、今は、ベトナムの方に0課から日本語を覚えるサポートをしている。
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この日本語教室のボランティアをすることによって、「国際交流の根本的なことは、まず、言語理解をする事だ。」と感じた。
文化交流も大切である。
しかし、その前に意思の疎通が1番大事なのだ。
我が街に沢山の外国籍の方々がいらっしゃって、さまざまな仕事につき私たちの国の仕事をしてくれている。
知らない国に来て、不安な中で頑張ってくれているのだ。
その方達に「日本に来て良かった。」
「母国に帰ったら日本語教室をやりたいんだ。」
なんて言われると泣きたくなるほど嬉しかった。
真愛のやりたいことは、
「日本人も外国の人も笑顔になれる何かをしたい」ことだった。
「日本に定住した外国籍の方が生きがいを持って日本で過ごしてほしいこと」だった。
どうやったら、日本を知ってもらいながら、楽しんでもらえるか考え、交流協会の事務所入口に「日本の四季」のおはなしをポスターにして掲示し始めた。
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2月には、「つまみ細工作り」を計画したが、コロナ禍には勝てなかった。
コロナ禍が収まって、マスクをすれば会話ができるようになったら「浴衣の着付け」をして、蛍狩りや花火大会に行ってもらいたかった。
スペインの方が和服を着てとても喜んでくれたからだ。
日本の文化も語りあったが、スペインの春祭りの話でも盛り上がった。
コロナ禍が終息したら、真愛もスペインに行って一緒にフラメンコを踊りたいと思えた。
文化交流とは、自国だけではなく相手の文化の素晴らしさも体験したいということだ。
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コロナ禍の隙間をぬって7月5日に実施した。
土曜日・水曜日・火曜日の日本語教室のボランティアの先生方や事務局の方々が沢山声をかけてくださり予想以上に盛り上がった。
文化交流委員会だけでは、外国の方は集客できなかったと思う。本当に有り難かった。
そうそう、今回の着付け教室の先生は、頼さん。
以前、ここの日本語教室で学習していた方だ。
今でも、着付け教室に通っている大ベテランである。また、着付けだけではなく、彼女の和装の時の所作が美しく、ガサツな真愛などは見習わなければならない。
そんな彼女が、「日本文化の浴衣」を着付けるなんて最高のパフォーマンスである。絶対成功させたかった。
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楽しかったのは、体験者のAさんが
「蝶々は前ではないのですか?」
と聞くのだ。
そう、リボンやベルトはほとんど前で結ぶ。
顔のある方が華やかになるのだ。
日本の文化とは面白い。
「後ろ姿の美」を楽しんでいたのだ。
衣紋を抜いて首を長く見せる美しさの追求である。
帯結びを色々と変えて楽しむ。
簪を後ろに刺して、色っぽい!
タイの女性の何気ない質問で、日本人の美意識を再確認した。
外国の方と文化について話すことで、「真愛の知らなかった日本」について知ることになる。
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頼さんは変わり太鼓の結び方
さて、真愛の担当は、スリランカの男の子2人!
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男性の着物は、おはしょりを取らないので、着丈が合わないと足がむき出しになったり、引きずったりとみっともなくなるのだが、2人は誂えたようにかっこよく着こなしてくれた。
厚洋さんの浴衣と国際交流協会の会長の浴衣は、素晴らしいお仕事をしてくれた。
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着付けして写真を撮って盛り上がってしまって、
折角集まって下さった日本の協力者の方々には
「すみません。
時間がなくなってしまいました。
コロナが終息したらまた開催しますので、
今日は、日本のおやつセットで我慢してくだ
さい。」
食べ物で誤魔化してしまった。
文化交流委員会のメンバーは、宣伝をしてくれたり、友達を連れてきてくれたり、会場作りをしてくれたり縁の下のお仕事をたくさんしてくれた。
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沢山の笑顔が溢れた1時間だった。
大きなイベントをすることも大切だが、こんな小さな体験会をちょこちょこやって、「笑顔」になってくれたら嬉しい。
そして、こんなに楽しい会になれたのも、沢山の方々の支援があったからのことだと痛感した。
文化交流だけではできなかった。
ましては、真愛の願いだけでもできない。
今の自分の「幸せ」を支えてくれているのは、真愛の周りの全ての人たちなのだ。
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厚洋さんが逝って
「真愛は、厚洋さんがやりたかった“人が笑顔になる
人が平等に生きられる社会つくり”のボランティア
をしたい。」と心に誓った。
厚洋さんの意思を引き継ぐことを誓って、このボランティアを初めて、ほんのちょっとだけ前進できたと思う。
それも、たくさんの人と繋がりその方達に支えられて出来たのだ。
「ありがとうございます」
では伝えきれない感謝の思いでいっぱいだった。
全て片付けて、我が家に帰って、
まず、厚洋さんに報告した。
「感謝しきれないほどの繋がりで、大成功したよ。
応援してしれて、ありがとうございました。
スリランカの男の子は、あなたより格好良く
着こなしたましたぁ。」
写真の彼は苦笑いをしていた。
そして、七夕の次の日の朝。
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7月8日,朝。
「保育園で「七夕祭り」があるので浴衣
で行きます。
既に着崩れしてます!」
と、お嫁さんから画像が送られてきた。
可愛い孫達の浴衣姿だった。
息子のお嫁さんは、季節の行事をちゃんと子ども達に伝える娘なのだ。
可愛い娘であり、自慢の娘である。
出来れば息子も含めて5人で浴衣を着て、蛍狩りや花火大会に行きたいものだと思った。
(しかし、また、コロナ禍第7波が来てそうだった〕
園からの帰りには、ヨーヨーを持って楽しそうにしている後ろ姿の孫達の動画を送ってくれた。
髪飾りも帯結びもとっても上手な着付けだった。
我が娘も素晴らしい伝統文化を伝える担い手だと、
躍り上がるほど嬉しかった。
そうそう、七夕祭りの短冊には
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真愛の幸せを願ってくれていた。
にも関わらず、
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真愛の願いは、
「文才が上がりますように
厚洋さんぐらいに!」
と書いてしまった。
ぐらいだなんて、厚洋さんにも失礼だし、自分のことしか願わなかった強欲なgrandmaで、孫に申し訳ないと思った。
真愛は、みんなに支えられて、本当に幸せに過ごせている。
感謝し尽くせない幸せであり、
感謝しきれない繋がりである。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります