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満望忌 有り難う

 関係者は6人。(お琴の先生・太鼓の先生・
真愛・ホール担当さん・照明さん・音声さん)

 厚洋さんを偲ぶ時・厚洋さんの望みが満ちる時を「満望忌」とした。
「自由で平等。あるがまま
          差別をしない厚洋さん」
「真愛の笑顔が好きだった厚洋さん」
「故郷の良さの気づきと感謝」 
「教え子に支えられた幸せな人生」etc

 中ホールを借り切って、無料コンサートを開き、最後に募金をしてもらって、故郷に寄付しようと考えた。ところが、コロナ禍で「無料・不特定多数・三密」で、中止。
 来年の為のゲネプロに変えた。真愛の自主研修となった。 

 同日、9月9日。市川の文化会館ではさだまさしのコンサートがあった。
 お馬鹿な真愛は、今年の1月にさださんの事務所に嘆願書を書いた。「無料で来てください。」と。
 後日。丁寧な詫び状が届いた。
「一年前からこの日には予定が入っています。 
 略 
 お声掛け有り難うございます。」
 チケット発売予定を見て「この事だったんだ」と思った。市川には行けないが「頑張ってください。」とファンレターを書いた。
 半数程に減らして何とかコンサートをしたようだ。このご時世。何をやっても叩かれる芸能人なので、なんか言われるのだろう。
「偽善者と言われてもいいんです。
 売名行為と言われてもいいんです。」
と、被災者に寄り添うさださん。
  弱いものに寄り添うさださん。
 頑張れ!である。

 話が飛んだが、真愛の方は6人だけだった。
 しかし、来年に向けて「満望」は膨らんだ。

 そして、翌日。   
 美樹ちゃんから手紙と花束をもらった。
「先生の三回忌。満望の三回忌でしょう。
 墓前に供えてください。」
声を上げて泣きそうになったが、
「こんなこと。しなくていいのよ。」
「お墓にこんな素敵な花はもったいない。」
なんて嫌な真愛なんだろう。
「有り難う。嬉しい。
     絶対厚洋さん喜んでる。」 
と素直に言えばいいのに、驚き過ぎて、嬉し過ぎて、厚洋さんを前に素直に「愛してる」を言えなかった時期の真愛になっていた。

 台風10号の爪痕がニュースで報道されている。その雨雲が関東にも雨を降らせた。 
 墓石に彫られた「宙」が泣いていた。

 真愛も厚洋さんも好きな竜胆の花束。 
 美樹ちゃんからの手紙が添えてあった。

「有り難う。」
「貴方の代わりに、
 美樹ちゃんに抱かれています。
 教え子さんの優しさに、包まれています。
 真愛は、本当に幸せです。」 
 
 725日。
 厚洋さんの真愛です。
 あるがままに生きています。
 久しぶりにお仏壇の前で、長いこと泣きながら厚洋さんと話をしました。

素晴らしいお琴の演奏。
壮大な太鼓の響き。
 ゲネプロのCDも厚洋さんと一緒に聞きました。
 今年は、無観客だったけど、
 来年は、沢山の人に
「真愛の人生で学んだ素晴らしさ」
       も沢山伝えたいと思った。
     
 私達は、沢山の方々に支えられて
        幸せでいたのだという事。
 真愛は、一人になっても
     沢山の素敵な方に支えられて
        幸せでいると言う事を。
     
     「有り難う」を。

 美樹ちゃん。 ありがとう!
 嬉しいね❣️良かったね。厚洋さん!

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります