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幸福飛来

昨夜から明け方にかけての強い北風で、玄関に掛けてあった表札が飛び割れてしまったのです。
気づいたのは、夕方6時。
宅配便の受け取りに出た時に落ちて割れた悲しい姿を発見しました。
結婚した時に頂き、12年間は団地だったので横型プレートネームで掲げられず、大事にしまっておきました。(いずれ自分のお家ができた時に二人の名前で掛けたい。)と。

厚洋さんが飲み屋さんの隣のお客さん(小岩)から買ってきちゃったここの土地。
暫くは建てなかったけど、拓が高学年になり、真愛の母の家を借りている家賃を払うなら一緒に住んだ方が安いとのこともあり、山の中の一軒家を建ててくれたのです。
だから、新築の家に4人で住んだのに、表札は、2人の名前しか書かれていませんでした。
考えたら母や息子には可哀想だったのですね。
なんとも自分勝手な娘で母親でした。
その表札が割れてしまったのです。

言葉になりませんでした。
「やられた!」
風に煽られたのです。桜と一緒に。
表札を押えていた中木の裏に

幸運飛来と書いてありました。
真愛の字です。
この家に来て本当に幸せだったと思い出しました。
いえ、厚洋さんと一緒になったことが本当に幸せでした。沢山の思い出をつなぎ合わせるように割れた表札を繋ぎ合わせました。
壊れたものを元に戻せないように、
厚洋さんが亡くなってあの幸せな日々に戻れないように、
切ない思いでいっぱいになりました。
ボンドで付けようか。
全く同じように書き直してもらおうか。
泣きながら、元に戻そうとしました。

今日は、真愛にとっては✖️の日だったので、玄関を開ける事もなく、一日中家の中で過ごしました。
もし、朝早くにこの惨状を見つけたとしたら、一日中、うつ状態に入った後、「直したい。」の一心で車で走り回り、解決できず…。
どうなっていたのだろうと思いました。
良かったのです。
夕方気づいて。
じっと見つめ、悲しみ、思い出に浸りこのnoteに書く事によって、真愛の心は安寧を取り戻しました。
「世に不滅のものはないのです。
 壊れ、崩れ、衰え、死ぬのです。
 でも、物質不滅の法則もあるのです。
 木は枯れて燃えたとしても煙になり灰に姿を
 変え存在しているのです。
 割れてしまった表札は、元に戻せないけど
 厚洋さんと過ごした幸せの日々を思う真愛の
 エネルギーは、真愛が生きている間存在し
 続けるのです。
 だから、もう泣かない。」
表札は、桜の花びらと一緒に家守りになる様にお庭に葬ります。
そして、いずれ真愛と厚洋さんの名前を入れたネームプレートを作りたいと思いました。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります