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進化した弱い水虫菌

 ニャンコの爪って水虫にはならないんだろうかと思ったのは、「足の白癬の有病率は21.6%約2500万人。爪の白癬は10.0%約1200万人」と推定されるという記事を読んだ時だった。
 真愛も爪水虫になった事がある。
 いや、最初に足の指の間に水虫が出来病院に行って、指は治ったのに薬をサボったので爪に感染したらしい。
 元々綺麗な足だったのに、水虫を感染させられたのは職員旅行で某ホテルに泊まった時に、緑のスリッパを素足で履いたのが原因だと思う。 
 厚洋さんは、もともと肌の綺麗な人で、◯をしまうと美しい女性のようなヌードになった。
 美しい肌とは、健康な肌なので菌を寄せ付けないのだ。虫刺されもしないし、真っ黒に日焼けをしていたのに、歳をとってもシミひとつなかった。
 だから、水虫をもらって来た真愛は、内緒で病院に通った。彼は気づいていたのだろうが、真愛の気持ちを考えて触れないでくれたのだろう。しかし、「白癬は家庭内感染が非常に多いこと」が特徴だという。

殆ど足白癬からうつる


 白癬とは、真菌の一種である皮膚糸状菌が皮膚の表面に付着して、だんだんと角質に入り込んで発症するそうだ。
 足白癬が多いのは、菌が付着する機会が多いからだ。
 白癬菌は、湿った場所が好きで、靴や靴下を履くと湿度が高まるため特に足の指の間は絶好の棲家となるという。
 また、歩くという行為が足の皮膚を刺激し、角質を厚くするため菌が入りやすくなる。健康サンダルは刺激が強く、ハイヒールも靴ずれを起こしやすいため症状を広げるという。
 成程である。
 真愛が最初に罹患した頃は、夏でもストッキングをしっかり履き、ハイヒールを履いていた。棲家を作っていたのだ。
 白癬菌の感染力はとても弱いらしい。
 足につけた白癬菌は15分程度で落ちてしまい、菌が角質に入り込むまで1〜2日かかるそうだ。この間に綺麗に洗い流せば通常は感染しない。
 ところが、菌が付着・落下を繰り返すうちに傷付いた皮膚や角質から入り込むのだ。
「軽石で足裏を擦る」とか「爪で皮膚を掻く」ことでも皮膚は傷つく。足を触った手で皮膚を掻けば菌は拡散するという。
 男性に多い股部白癬「インキンタムシ」はあぐらも誘因となるという。
 弱い菌だが、しぶとい(死太い)菌なのだ。
 家族内感染は多いそうだが、夫婦での感染は少ないという。遺伝的に罹りやすい体質があるらしく、体質の異なる夫婦はうつらないらしい。
 年齢が上がれば発症しやすくなるが、退職して靴を履かなかったり、裸足で過ごすことが多くなる男性は60歳、女性は70歳頃には減ってくるという。

ストッキングも棲家ですよ

 こうなったら、皮膚科に行くことだ。
 更に、完治するまでちゃんと薬をつけて治療を続けることだ。
 痒くないし、綺麗になったからもう大丈夫なんて思ってはいけない。
 じっと我慢していた白癬菌は、ちょっとした足の傷を見つけては角質に入り込み再発することが多い。
 爪水虫なんて、
「歳をとったから硬くなったの?」
なんて勝手に思っていたら
「爪水虫ですね。」
「踵のガサガサは、水虫ですよ。」
なんて、皮膚科のカッコいい先生に言われて赤面することになる。

爪水虫

 さてさて、このnoteに書きたかったことは、
【水虫菌は弱い菌だけど強いってこと】
 日本人の五人に一人が感染しているのだから、強い菌と思いきや…。
 なんのなんの、弱い菌なのだ。
 角質より深く入り込めないのは、その先に入ると働く《免疫》に勝てないないので、強い症状も起こせない。だから、弱い菌なのだ。
 もともと土の中にいた白癬菌。
 一部の種類が動物の毛などに付着するようになり、土から脱出し、ついには毛からも脱出し、人の皮膚、毛の無い足の裏にまで棲みつくように進化したと言われているのだ。
 更に、ヒトが靴を履く生活になった事で足裏は白癬菌の温床に!
 金沢医大の望月隆先生は
「白癬菌は、動物の毛や爪、角質など、
 痛みを感じにくい部位に入り込み、
 症状も痒みなど、寄生した動物から追い出さ
 れない程度のものに留める事で生き延びて
 来たのですよ。
 その意味では、とても強い菌ですよ。」
と笑う。
「水虫みたいだけど、大した事ないね。」
って、思っちゃうのは、強か(したたか)な白癬菌の術中に嵌められているらしい。
 面白い話だが、治った足が痒くなる気がするのはどうしてだろう。

チャーちゃんのお手手

 ということで、ニャンコも水虫になるという事。
 白癬は人ばかりでなく動物にうつる。
 したがって白癬になった動物と接触していると、人に感染することがある。
 特にミクロスポルム・カニスというカビは、犬や猫に感染しているので、白癬にかかった犬猫と接触していると、接触した顔や体、髪の毛に白癬が生ずることがあるそうだ。

毎朝のブラッシング❣️


 チャーちゃんは厚洋さんに毎日ブラッシングしてもらっていたので、お手手の肉球もツルツルで綺麗だった。
 ポリポリもあまりしなかった。
 白癬菌に困らせられたのは、真愛ひとり。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります