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1049日 大慌て

 愛しい人が逝ってから1049日。
 いつから始めたのか覚えたないが、彼の逝った日から数えて「今日は〇〇日」って数えることが多くなり、特に素数日になると必ず彼の声が聞こえたり、夢で彼に会えたりするようになった。
 厚洋さんの素数日は縁起もいい。
 だから、彼の好きだった物を供えたり、宝くじを買ったりして楽しんでいる。
 真愛だけの特別ルールである。(良い事は起こるが宝くじは当たった試しがない。)
【今日は1049日で素数日だ。】
と言う事を忘れていたのだ。
 夕方の家計簿(レシート貼るだけ)をつけて、
「ああ。7月が終わっちゃうんだ。
 何処にも出なかったから、
 ちょっと節約できたかな?」
と喜びながら、夜書く日記を書こうと、開けてびっくり!
「閉まった(しまった)素数日だ。」
 日記の欄外に
【1049素 明日は、
    厚洋さんの好きなことしよう!」
と書いてあったのだ。

 この時間帯で買い物に行くのは、考えものだ。まして、7月最後の日で、月締めをしてしまった。変なところに拘る真愛は、自分で自分を宥めた。
「忘れるなんて呆れる。でも、朝、厚洋さんの好きだった茄子を久々に食べたから良いか?」
「彼が好きだった白い花の絵をちょっとだけ描こう。」
「厚洋さんの好きだったクイズを解こうか。」
「オリンピックでサッカーやってるぞ。」
「お風呂にいつもよりゆっくり入るか?」
 考えたら、ずいぶん安上がりの「厚洋さんの好きな事」が浮かんできた。

 買い物に出ていないから食材も少なくなってきたが、彼のおつまみに作った「油揚げの煮物・人参の金平・冷や奴のキムチのせ・温室蜜柑」を作って陰膳をした。
 明日は、お墓参りに行って
「ごめんね。」
を言わなくちゃ。

 考えたら良いことがあった。
 殆どのテレビ局でオリンピック競技をやっているのに、ある番組で「知床の夏」を見せてくれた。
 彼に連れて行ってもらった北海道の大自然だ。
「ヒグマは怖いんだぞ。」と話してくれた厚洋さんの言う通り、「アザラシを引き揚げるヒグマ」を見た。
 新婚の夏休みに行った北海道を思い出した。

 釧路空港に降り立って、凄く寒かったこと。
 屈斜路湖の風も冬のような冷たさだったこと。

『愛国から幸福』
    っていう切符を買いに行ったこと。

 トラピスト修道院で、
「俺さ、中学校の頃ね。
 洗礼受けようと思ったんだ。
 クリスチャンに憧れてね。」
と意外なことを聞いた。真愛も同じく
(中学校の2年生の時、教会の日曜学校に通った
 ミサに参加し、賛美歌を歌った。)ことを話すと、
「似たもの同士なんだな。」
って言ってくれたことが、凄く嬉しかったのを思い出した。
 厚洋さんの修道院前の写真が、あちら系の方のようで笑えた。
 今日は素数日。
 やっぱり良い日だった。
 noteを書きながら、「似たもの同士なんだな」の彼の声が聞こえて来た。
 彼の大好きな事は、真愛も大好きになっていることに気づいた事だ。
 さあ、ゆっくりお風呂に入りながら、本を読もう。厚洋さんの真似をして…。

って、書いてから2日も経ってる。
毎日投稿って難しい。
 なんと今日は、1051日。
    きゃー⁉️
        素数日だ⁉️

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります