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追悼・中村哲氏。人権週間


「人権週間だけが人権を考える日になってはいけないんだ。日常の中で差別する自分を見つけ、内なる差別を全ての人が考えられる世界にならなければいけないんだ。」
 12月4日。人権週間のスタートの話題が上るたびにTVに言えず、真愛に説いていた厚洋さんだった。
 昨年、銃弾に倒れた中村哲先生。厚洋さんの逝った後に逝かれた。
 奇しくも人権週間中の5日だった。
 今年は、コロナ禍で人権週間や中村先生の話はあまり報道されなかった。
 コロナ禍で、多くの人が差別せれ苦しんでいる状況だから、怖くて報道出来なくなっているのだろうか。日本の報道は、「反社会的ではない。」ので、当局批判はしない。
 何やら悲しい気がする。
 
 さて、人権週間は、国際連合が1948年(昭和23年)12月10日の第3回総会において,
 世界における自由,正義及び平和の基礎である基本的人権を確保するため,全ての人民と全ての国とが達成すべき共通の基準として,「世界人権宣言」を採択した。
 また,1950年(昭和25年)12月4日の第5回総会において,
 世界人権宣言が採択された日である12月10日を「人権デー」と定め,全ての加盟国及び関係機関に対し,人権活動を推進するための諸行事を行うように要請する決議を採択したのだ。

 法務省の人権擁護機関では,1949年(昭和24年)から毎年,人権デーである12月10日を最終日とする1週間(12月4日から12月10日)を「人権週間」と定め,その期間中,各関係機関及び団体の御協力を得て,世界人権宣言の趣旨及びその重要性を広く知らせ、人権尊重思想の普及を願っている。

 しかし,いまだに,
いじめや虐待,
外国人や障害のある人,
LGBTの人
ハンセン病元患者とその家族
職業などに対する偏見や差別,
企業等における各種ハラスメントなど,
限りなく様々な人権問題が存在している。
 さらに,新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴って,感染者や医療従事者,家族などに対する偏見や差別といった様々な人権問題が発生している。
 SNS上で他人を誹謗中傷したり,個人の名誉やプライバシーを侵害したり,あるいは差別を助長するような情報を発信したりするといったインターネット上の人権侵害も報道されている。

 法務省のホームページでは、
「法務省では、人権擁護機関の行う人権啓発活動について、国連の持続可能な開発目標(SDGs)が掲げる「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて,皆様お一人お一人に人権を尊重することの大切さを御確認いただき,他者の人権にも十分御配慮いただけるよう,また,本年10月16日に策定された「ビジネスと人権」に関する行動計画をも踏まえ,企業にも人権に配慮した責任ある活動を行っていただけるよう,一層強力な取組が求められていると認識しています。」
と綴っている。
 この文面を何人の人が閲覧するのだろう。
 12月10日には、東京スカイツリーをSDGsの17色でライトアップし、「人権デーについて考えてもらいたい」とも書いてあった。
 しかし、10日にならないと報道されないのだろうな。
 敬老の日になると、高齢者問題が報道される。独居老人は、毎日一人で生活している。困っているのはその日だけではない。
 勤労感謝の日だけ「働く事」を考えるのではなくなのだが…。
 何を毎日考えなくてはならないのだろう。

「人権週間だ。」「人権デー」がやってくる。

「人権週間だけが人権を考える日になっては
 いけないんだ。
 日常の中で差別する自分を見つけ、
 内なる差別を全ての人が考えられる世界
 にならなければいけないんだ。」
厚洋さんの声が聞こえる。


さださんの追悼の歌が聞こえる。
      「一粒の麦」の歌が聞こえる。

ひと粒の麦の 棺を担う人に
伝えてよ悲しんではいけないと
この星の長い時の流れの中で
百年など一瞬のこと

ペシャワールの山の向こうの見果てぬ夢以外に
伝えたいことは他にはあまり無い
珈琲カップに夕日が沈む頃に
ふと思い出してくれたらいい

いつか必ず来るその時まで
私に出来ることを為せば良い
私に出来るだけのことを

薬で貧しさは治せない
武器で平和を買うことは出来ない
夢はきっと引き継がれるだろう
私に出来ることを為せば良い
私に出来るだけのことを
        ーmoment ー


 人の命の重さは「瞬き一瞬!」だ。
 その一瞬をどう生きるかは、私自身にある。
 大それた事は出来ない。
 出来なくても仕方がない。
 人にはその人のできる範囲があるからだ。
 
 厚洋さんに育ててもらった真愛の命だ。
「自由と平等の世界」なんて大きな事は願えないが、真愛に出来るだけの「アンコンシャス バイアス」について少しでもいいから語りたい。「人の笑顔を見られる幸せを感じる人」でありたい。

 オッドアイになっちゃったチャーちゃんが睨んでいた。
「お母ん。
 書くだけでなく行動しましょうね。」って。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります