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めんま

2020年8月6日 子年

めんまがお星さまになった。
享年2歳2ヶ月。あとちょっとで3歳になるはずだった。
わずか3年弱という時間だったけれど、めんまは私の生活の一部どころかすべてだった。

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めんまの遺影

名前:めんま♀(2018.5.8~2020.8.6)
種類:ゴールデンハムスター(ノーマル)

めんまは同僚の家で生まれたハムスターで、
「たくさん生まれたから是非もらってほしい!」と言われ、
うちにやってきた。
ハムスターと暮らすなんて10数年ぶりすぎて、

「ご飯って何食べるんだっけ・・?」

そんな状態からめんまとの暮らしは始まった。

当然だけれど、めんまは可愛くて可愛くてしょうがなかった。
一瞬で自分の中で最優先の存在になった。

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生後2か月のめんま

ハムスターは暑さにも寒さにも弱い。
夏はクーラーをフル稼働しなくてはいけないし、無駄に日当たりのいい窓際にケージは置けない。
冬は寒すぎて疑似冬眠しないように、今度は暖房をつけ忘れて出かけてはいけない。
夏も冬も、エアコンを付けて家を出たか不安になり、家に引き返して確認したことも何度もあった。(もちろん仕事遅刻した)

食事も気を付けなくてはいけないことも多く、水分の多すぎる野菜はすぐにお腹をこわしてしまうし、ハムスターと言えば有名な「ヒマワリの種」も、あげすぎるとすぐに肥満になってしまう。

ハムスターは、私の記憶の中のハムよりも何倍もデリケートだった。
でも、そんなの大変だなんて思わないほど、めんまは、ただただ可愛かった。

+++
めんまはとてもいい子だった。
トイレだって失敗したことはなかったし、部屋で散歩させていても壁やコードを噛んでしまうこともなかった。
名前を呼ぶときちんと反応してくれるし、膝をポンポンとたたけば飛び乗ってきてくれるような子だった。
「オスよりメスの方が気が強い」とは聞いていたけど、本当に温厚で噛まれたことはなかったし、よく食べる食いしん坊な子だった。

ひと休みするめんま

散歩中に飼い主が寝落ちてしまうとせっせと頭に上って掘ってみたり、耳に鼻を突っ込んだりするおてんばなところもあった。
毎日毎日、可愛くない日がなかった。飽きることもなかった。とにかくただただ可愛かった。

+++
めんまが本格的に体調を崩し始めたのは2歳に近づいてきたころだったと思う。
病名は心肥大×肺水腫。
(病気がきちんと判明するまでも大変で、近所の犬猫をメインとして診てくれる病院だと診断が難しいと断られてしまい、ネットで探したハムスターをメインで診てくれる都内の病院をどうにか探し、診てもらってようやく判明した。)
調合薬と心臓のお薬を処方してもらい、薬を飲みながらの闘病生活が始まった。

ここでもやっぱりめんまはいい子で、お薬も嫌がらず毎日飲んでくれた。
朝も夜も、お薬の時間が分かるのかだいたいいつもの時間になると起きてきてくれて、抱っこしなくても自ら飲んでくれた。

ハムスターの10日は人間の1年。
めんまの体調が悪化し、寿命が縮んでいくのはあっという間だった。
少しずつ身体の浮腫みが増していき、肺に溜まった水がうまく排出できなくなっていた。

もう食べるのもしんどそうになって、体温も少しずつ下がっていた。
「たぶん、明日の朝にはこの子はいない気がする」
漠然とそう思った8月5日の夜。
めんまを膝の上に乗せて、寝ないと決めた。
めんまを撫でながらテレビを見て、ラジオを聞いて、漫画を読みながら夜を明かした。

日付が変わって8月6日。外はすっかり明るくなっていて、人々が起きる時間帯。めんまは私の手の中で一度大きく息を吸って、そのまま動かなかった。
最期も立ち会わせてくれるなんて、どこまでも本当に良い子だった。

めんまとずっと一緒に居たくてたまらなかったけれど、動かなくなっためんまを受け入れるのもつらくて、その日のうちに火葬させてもらうことにした。
めんまの骨は細くて小さくて、力を入れてしまうと簡単に砕けてしまうほど儚くて、びっくりするほど可愛かった。骨まで可愛かった、本当に。
お骨になると不思議なもので、『これからも形を変えて一緒にいられる』と思えた。

+++
めんまと過ごした2年3ヵ月。
色んな別れや出会いがあったり、仕事でしんどいことや嬉しいこともたくさんあった。
そのどの場面にもめんまがいた。
あんなに小さい体だったのに、数年経った今でも大きな存在として心に残っていると実感する。

何年経っても、これからもずっと、可愛い可愛いめんま。
めんまを思い出すと頑張れる気がするよ。
いつか飼い主がお空に逝くまで待っててね


いつかまた逢う日まで



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