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心臓

真夜中三時、酷く寂しい今日を僕は変わらず生きていた。携帯電話の明かりだけで今日もむなしくやっている。この頃あまりよくは眠れない。 書きかけの言葉がそこら中に散らばっていた。原稿用紙、シャープペンシル。こんなもんに今更夢見たって仕方ないのに、僕は今日もただ誰でもないあなたへの愛を綴っている。もっと価値ある人間だったら良かったななんて、妄言はいくつになっても得意なままだな。なあ?どうせそこいらで僕を見て笑ってんだろ。 音楽、絵、スポーツ、勉学、小説。どのひとつだって途中で手放

    • 日記2

      午前五時半、見たくもない夢で目が覚める。これだから睡眠なんか大嫌いだ。 眠るつもりなんてなかったけど瞼の蕩ける感覚に促されるままに目を閉じて、ろくに何も寝る準備もしていない固い床の上で眠ったのが悪かったんだ、きっとそうだ、あれはわるいゆめ。わるい夢だから、だから大丈夫だよ。ねえこわい、たすけて。 つけっぱなしのパソコンと部屋の電気をみて大きなため息が出た。それから飾られた爪先を見て今日の予定を思い出す。それを楽しみに昨日も今日も生き延びたようなものだ、代わり映えのない怠惰を

      • 造花の体温

        戻れもしなければ進めもしない。ただその場に立ち尽くすように。 これ以上育ちもしないし枯れて朽ち果てることもない。 ただひとつ、実りもしないので価値もない。 準えられてできた紛い物。決して代わりにはなり得ない。 雲行き怪しく、ただそちらを向いていた。均一に切り揃えられた前髪に寒気がする。 一つ一つ丁寧に、綻びなどはなく。されど不完全なままでいて、人形のように"差"が許されない。 個々として凛とせざるを得ない居心地悪さと、前へ倣えの安心感。日々に苛まれる。戯言だと零して水を一杯

        • 日記1

          この時期の6時起床ってあまりにも中途半端だ。 昨晩貴重な時間を何にも当てずにただ惰眠を貪ってしまった罪悪感とどうしようもない寒さとに苛まれている。無価値な罪悪感の矛先は何処へ? 付けっぱなしのパソコンが笑顔で僕を迎えてくれる。 「お帰りなさい」「よく眠れましたか」なんだか喉が渇いたな。 ピコピコと点滅して誰かからの連絡があったことを知らせてくれる。それに返す言葉なんて今は何にも思い浮かばないから、もう全部後回しでいいや。 眠る時間を無意味だと言うけど、起きていたってやることは