見出し画像

#16 待ってる

前回の続き。


イオンを後にして、暑い中のんびり帰る。

「私〇〇さんの運転が一番好きです」

君はよくそう言ってくれる。

「ありがとね。
 運転って減点方式だよね。
 加点って道譲ったりとかしかないから」

「そうですねっ」


コインランドリーに寄る。
こたつ布団がふわふわに乾いていた。
「いいですね!」
車に乗っけて家に帰った。

家に着いて、二人で協力してこたつ布団を袋の中に詰めた。こういう時二人いると助かるよね。ちょっと嬉しい。

その後眠気が襲ってきたので、
床に転がって寝させてもらうことにした。
恋人は携帯を見ていたけれど、途中から恋人も眠っていた。
二人とも寝不足だから。


2時間ほど寝て自然と目が覚めた。
僕は眠っている恋人にゆっくり近づく。
でも僕に気づいて目覚めてしまった。

「あぁびっくりしたぁ……」

「驚かせてごめんね
 時間になったから帰るね」

帰る支度をする。
家を出る前に恋人を抱き締めることにした。

「〇〇ちゃんおいで」

膝の上に恋人を乗せてハグする。

「話聞いてくれてありがとね」
「心地よい温度になるようにするね」

「テクニシャンですね()」

「もう、そういうこと言わないの笑」


玄関へ向かう。

「またね」

ドアを開けて外に出る。
鍵を締める音が聞きたくなくて耳を塞いだ。
車のエンジンをかけて走った。


別れ話をするはずだったのに
幸せになってねって言うつもりでいたのに
仲直りができた。
元彼のこともちゃんと言えた。
十分及第点だろう。80点はあげていい。

これからなんだ。
これからが、きっと、大変なんだ。
3週間後の花火大会まで僕らはどうなっているんだろう。

僕は君から「好き」って言ってもらえるまで
どれくらい待てばいいんだろう。

安心できる日はいつ来るんだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?