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#14 一番幸せな朝

前回の続き。


翌朝。
7時くらいだっただろうか。
僕が先に起きる。いつものこと。
歯を磨いて顔を洗って汗を拭って整える。
恋人が眠りから覚めるまで、座椅子で携帯を見ながら待つ。

もぞもぞと動く音がしたら恋人のほうへ行く。
多分9時くらい。

ベッドの横に腰掛ける。
恋人が僕の手を握ってくる。可愛い。
やがて僕もベッドに入る。

恋人が転がって僕にしがみついてくる。
可愛い。超可愛い。
それを何度か繰り返す。

そのままハグしてキスして
恋人だけが果てる朝を過ごす。

これが僕の知る一番幸せな朝だろう。

こんな朝があるから……
僕は馬鹿だな。


10時半くらいになっただろうか。
昨日寝たのは朝の5時だから二人とも寝不足だ。
それでも僕らは日が昇ったら起きてしまうのだ。

起きて着替えをする。

「朝ご飯、あれ食べませんか」

僕がずっと前に愛知土産で買ってきた焼きそばがあった。

「いいね、食べてみたい」

恋人が作ってくれた。
お漬物やキムチも出してくれた。

「このキムチ辛くないって書いてあるのに
 辛いんですよ」

「本当だ、〇〇ちゃんこれ辛いよ笑」

「ですよね、辛いですよね笑」

「どれくらい食べていいの?」

「5本くらい残しておいてください」

世界陸上を観ながらご飯を食べる。


「こたつ布団を洗いたいんですけど、
 コインランドリー使ったことがなくて」

「コインランドリー使ったことあるから
 なんとなく分かるよ」

「あと、Aちゃん(会社の後輩)の誕生日プレゼント買いにヴィレヴァンに行きたいです」

「ああ、誕生日7月だったね」
「いいよ、連れてく」

「いいんですか?私のわがままで」

「いや、俺のわがままだよ」

君とまだ一緒にいられるのが嬉しいんだ。


車にこたつ布団を入れて、家のすぐ近くにあるコインランドリーへ行った。

ここのコインランドリーは少し特殊で
洗濯乾燥が終わったらお店の人が洗濯物を取り込んで保管してくれるらしい。

洗濯機の空きがないので店内で待つ。
店内はエアコンが効いていて、綺麗で、
ウォーターサーバーもある。
椅子に座りながら、ほっと一息つく。

「涼しいね」

「寝ちゃいそうです」

なんていい場所。

10分程して洗濯機の空きができた。
僕らはお店の人に話してこたつ布団を投入した。
車に乗ってイオンへ向かった。


続く。

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