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#2 買い物

前回の続き。


ご飯を食べた僕らは買い物に出発した。
ショッピングモール内を歩く。

歩いてすぐに元カノの記憶が蘇ってきた。

その人とはよくイオンに来ていた。
「歩くのが遅い」って怒られた。
その人は手を繋ぎたそうにしていたけど、
僕はその人のことが嫌いなので繋がなかった。
当然不機嫌になっていた。


恋人とショッピングモールに来るのは2回目だ。
まだ元カノとの記憶の方が強い。

ああ、それなら恋人は尚更だろうな。
2年半付き合って、相手のことが好きな恋だったから。僕は1年弱で、相手を嫌っていたから。

「恋人が元彼を思い出すのはごく自然なことだ」と今書きながら思った。




無印良品へ行った。

恋人はシャンプーボトルを入れるラックと
ふわふわのタオルを買った。

タオルの触り心地がよくて幸せそう……
可愛いな君は。


会計の時に「ポイントカードはありますか?」
と店員さんに聞かれ、恋人は僕のほうを振り返る。
僕はポイントアプリを開いて待っていた。

恋人は基本的にポイントカードを持たない。
(ちなみにクレジットカードは一枚もない)
持っているのは近所のスーパーとドラッグストアだけ。だから恋人が何かを買うたび、僕がポイントを貰っている。

こういう連携が半年かけて培われてきたわけです……愛しいですね。




ショッピングモール内でティッシュ配りをしている人がいた。恋人は

「あ、ティッシュほしい」

とその人に聞こえる声で言って貰っていた。

「ティッシュほしいって言って貰ってる人、
 初めて見たよ笑笑」

「いいんです笑
 あの人もあげるのがノルマなので」

ああ、こういうところが可愛くて好き。
おちゃめだなって思う。




次はユニクロへ行った。

「スパイファミリーのTシャツ、
 アーニャのやつないですね」

「やっぱりあれは人気だね」

恋人は無地のTシャツを持っていなかったので
シンプルな黒のTシャツを買った。
ここでもポイントを貰った。
君はスタイルがいいからユニクロで映えるね。

GUにも行った。
僕は安くていいので黒い靴が欲しかったのだが
ときめくものがなかった。
ささっと退店。


次は本屋さんに行った。
二人で好きな漫画を見て話す。楽しいな。


最後にヴィレッジヴァンガードに行った。
可愛いものがたくさんあって恋人は楽しそう。
恋人は外にあるガチャガチャを一通り見て、
ムーミンのガチャガチャを回すことにした。
3回回して、ムーミン、パパ、ママが揃った。
またテレビの前に置くものが増えたね。


「今日歩いてましたけど
 歩くの全然遅いと思いませんでしたよ」

「ほんと?よかった」

恋人は僕が昔元カノに遅いと怒られたことを覚えていてくれた。




ショッピングモールを出て、車を探す。
車に乗ってムーミンの親子を並べた。

「ムーミンってもう親世代のキャラクターなのに
 なんで今でも人気があるんでしょうね」

「時代に左右されないシンプルなデザインだからじゃないかなぁ。幽遊白書とか時代の特徴を感じるよね」

「幽遊白書めちゃくちゃ分かりやすいですね笑笑笑」

二人で笑ってショッピングモールを後にした。


続く。

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