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#2 父性は最大級の愛みたいですよ

前回の続き。


恋人が僕の腕の中で話し始めた。

「恋人に父性を感じるのは
 最大級の愛みたいですよ…//」

「そうなんだ。いいお父さんになるとは言われた
 ことあるけど、父性は初めて言われたな…
 愛が伝わってるならよかったよ」

父性かぁ…(しみじみ)

「恋人にしていることが、そのまま子供への行動に表れる」というのが僕の持論なのですが、そうなると、多分僕は子供にもこうするんだろう。

僕はまだ恋人に「母性」を感じたことがない。
母というより妹だと思っている。
それは年下だからかもしれない。大学時代から「お兄ちゃんみたいな存在です」と言われていた。今でも「おにいさん」と呼ばれる。


そういえばこの前も恋人とこの話をした。
恋人がふざけて僕を「おにいちゃん」と呼んだ。

「おにいちゃんの後ろにハートがついてます」
「なんかこれだとそういうプレイみたいですね笑」

すぐにそういうことを言う。
恋人はやっぱり少し変態だ。

「おにいさんでお願いします()」

そんなやり取りをした。


話が逸れてしまったが、恋人にまだ母性を感じないものの、優しさはすごく感じる。
小さい子供を見てはしゃいで
「自分に子供ができたら…」なんて話をし出す。
自分の子供も同じように可愛がるんだろうな、
なんて勝手な幻想を抱く。でも実際は恐怖と不安に怯え、育児に疲れているかもしれない。

そもそも、そのか弱い体で子供が産めるのかとても心配だ……そのか細い腕で子供を抱けるのだろうか……僕が代われるものは代わろう。

はっとしたけど、勝手に結婚すること前提で考えていた。危ない。

恋人に強い意志を感じたら、もしくは恋人に叱られたら、母性を感じるのかもしれない。




「〇〇さんは【彼氏】っていう薄っぺらい感じ
 じゃなくて、【恋人】って感じです」

「それ俺が当初言ってたことだよね」

僕も同じように感じていたことだった。
僕にとって恋人は、今まで付き合ってきた人とは一線を画す。
今まで付き合った人は、出会ってから1〜10日間で付き合っていた。(早過ぎ)
今の恋人は出会ってから付き合うまで4年半が経っている。だから、恋人がどんな人かなんとなく分かっている。どんなところが尊敬できるか、どんなところが好きかも分かっている。その上で付き合っているから、安心できる。落ち着いている。

恋人にとっても僕は、今まで付き合ってきた他の人とは違う立ち位置みたいだ。今までの人たちはみんな同い年で、年上と付き合うのは初めてだった。それも理由の一つなんだろう。




「アドレナリンが出て寝られないです…
 もう0時半です」

「もう諦めて1時に寝ればいいんじゃない?」

そう言って僕は恋人にキスをした。
結局その日は2時半に寝た。


続く。

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