Nature3Dの導電性フィラメントをつかって布プリントしてみた

Nature3Dさんの導電性フィラメント「EV30S」を使って、布プリントをしてみました。

https://nature3d.net/filament/ev30s.html
https://nature3d.net/service/freefilament.html

0.はじめに

今回、Nature3Dさんがフィラメントのプレゼント&レビューの募集をしていたため、申し込みました。Nature3Dさんご提供ありがとうございます。

1.製作の目的

今回の製作では、導電性のフィラメントで布プリントしていく上でのTipsをまとめます。

2.フィラメントについて

今回使うEV30Sです。

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色は黒色です、フィラメントをセットしているときに気づきましたが、PLAに比べるとやや折れやすいです。
金属ライクのフィラメントは全般的に折れやすいです、EV30Sも割と折れやすい方ですが、扱いを気をつければ特段問題ありません。

・テストプリント
今回はAnycubicのi3-mega-sを使用しました。Anycubicに標準搭載のベッドテーブル「ULTRA BASE」は、PLAを印刷するときは食いつきが良く、剥がしやすくて使いやすいのですが、このフィラメントとの相性はあまり良くなく食いつかなかったです。試しに3Mのマスキングテープを貼ってみたら綺麗にくっついてくれました。

スライサーはSimplify3Dを使用しました。Anycubic mega i-3のデフォルトの設定の温度を230度、スピードを2500mm/minに変更しただけでしたが、問題なく造形できました。

印刷中の匂いはABS系のようなツンとした匂いです。しっかり換気をした環境で印刷をしましょう。

公式のページにも記載されていますが、EV30Sを使用する際は、パージが多めに必要です。特にEV30Sの場合、パージを丁寧に行わないと導電性の特性が損なわれる可能性があります。今回は色が完全に変わり切ったあとに余裕を見て3分程度長めにパージを行いました。

3.製作

今回は布にプリントをしてみました。

使用する布は化学繊維系だと食いつきが良いです。

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シワができないよう、しっかり布のテンションを張ります。

クリップなどの通電するものを布の留め具に使用する場合、プリンターによっては、テーブルの裏側にむき出しの配線があるため、そこにクリップがあたりショートする危険があります。あらかじめ配線の位置は確認しておきましょう。

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無事印刷できている様子!

今回は、ナイロン100%とポリエステル100%で試しましたが、両方ともしっかりと食いついてくれていました。剥がれやすい場合は、テーブルとノズルの距離を縮めたりすることで改善します。

布プリントは、接着しているわけではないので、爪など鋭利なものでプリント品と布の間を強く引っ掻くと剥がれるので、用途には注意してください。

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ナイロン100%

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ポリエステル100%

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プリントに用いた形状は、3Dプリントの異方性をつかって、折れやすい素材でも曲げても折れにくくなるような形状にしました。
通常のプリントでも曲げることはできるのですが、単体の場合だと、曲げたあとに曲げ癖がついてしまい、1度曲げるともとに戻りません。

そこで布に接着させてプリントすることで、プリント物を曲げたあとに、布が平面の形状に戻るガイド役となるため、完全ではありませんが元の形状に戻ってくれます。

様々なパターンで印刷をしてみました。

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レーザーカッターの手法に用いるDukta bendingの形状を意識した形状です。

4.展望

手袋の指先にプリントを加えることで、あとからスマホに対応した手袋をつくれたり、衣類に直接プリントすることで布の曲がり具合を検知できるウェアラブルデバイスとしての使用用途が考えられます。これからこのフィラメントを使って作品づくりをしていきたいと思います。

さいごまで読んでいただき、ありがとうございました! フォローしてくれたら喜びます。サポートしてくれたらもっと喜びます! 製作活動や記事のネタなどに使わせていただきます!