かつてBIGMAMAを好きだった貴方へ―“どうか大人になったその時に、覚えていてくれますように”
「いい推しの日」とはよく言ったもので、その日にかこつけて自分の推しを語ってもいい風潮がこの世には存在するらしい。
そんな空気感に飲まれて、11月4日からは何日か過ぎたが、私の推しについてnoteに残しておこうと思う。もともと布教ノートではないけれど、自己満足で何かしらの形に仕上げたい気持ちはあったし。いい機会だし。
🎻+🪣= BIGMAMA
「推しっている?」と人から聞かれるとき、私は「BIGMAMA!」と即答している。
元々“推し体質”というか、好きになったらワーワーヤーヤーどんちゃん(お祭り?)大騒ぎしながら追いかけてしまう性格で、だからこそ「好きだけど続かなかったなぁ」みたいな推しの数は正直両手じゃ足りないくらいだ。
しかしそんな私をかれこれ10年ほど夢中にしているのが、上記のバンドBIGMAMAだ。
BIGMAMAは、
の4人と1個からなる、「バイオリンとバケツがいるロックバンド」だ。
私の拙い筆で彼らのことを紹介するよりも、公式サイトにMAMAPEDIAなんて某インターネット百科事典風の紹介文があるので、そちらのリンクを貼っておく。
そんな彼らが先日10月25日に約5年ぶりとなるニューアルバム、『Tokyo Emotional Gakuen』(通称:エモ学)をリリースした。新メンバー加入後、初めてアルバムの舞台は学校。テーマは「エモい」。曲名に科目を冠した今回の収録曲を聴きながら、私はBIGMAMAと共にあった自身の10代の日々を思い返さずにはいられなかった。
BIGMAMAはエモい
初めてBIGMAMAの存在を知ったのは、小学校の友達からだった。
「ようぺ([Alexandros]:当時は [Chanpagne] のボーカル)の隣にいる王子って人の『秘密』って曲がいいから聴いてみて!」
当時からいわゆる“面食い”のきらいがある私。
“金井王子”のビジュアルに目を奪われ 、そのままものの見事にBIGMAMAの音楽が大好きになっていた。
しかし残念なことに、周囲にはBIGMAMAの楽曲を自分と同じ熱量で聴いている同年代の中学生なんてほとんどいない(というかゼロ)。溢れ落ちる5人への想いを、彼らのことを全く知らない同級生にほぼゴリ押しのように語る毎日を過ごしていた。
そんな私も高校生になり、スマートフォンを手に入れる。
諸々の設定を済ませ、まずインストールしたのはTwitterとInstagram。自分のアカウントを作り、Instagramでは真っ先に@masatokanaiをフォロー。Twitterでは今でも盛んに行われている“日タグ”に参加し、インターネット上での交流を深めていった。
そこで出会ったのは数々のBIGMAMAを愛する人たち。ほとんどが年上で、同い年は少なかった。それでも素敵な先輩方と、大好きなバンドの想いを青い鳥の背に乗せて飛ばしあったことは、かけがえのない思い出だ。
本名も顔も知らない一つ年上の男の子。君は私が初めて出会った同世代のファンだった。デンマークへ留学に行ってたみたいだけど最近どう?
一緒に武道館公演に行った3つ上の大学生。高校生のガキだった私と一緒にはしゃいでくれたあなたは、本当のお姉さんみたいだった。風の噂で小学校の先生になったって聞いたよ。
BIGMAMAのライブがある夜には、忙しなく熱狂の声が飛び交うタイムライン。私が10代の頃は親が厳しくて、大学生のように頻繁にライブに行くことはできなかったから、年上のみんなのことがとても羨ましかったんだ。
どれもBIGMAMAが繋げてくれた縁だ。
もちろん彼ら・彼女らの現在の様子を私は知らない。知るはずもない。大人になればなるほどに時間は加速していって、数年前のことでさえ思い出せなくなってしまう。歳をとり新たなライフステージを進む中で、学生時代に聴いていた音楽を昔と同じ熱量で追いかけ続けられる人はなかなかいないはずだ。ましてやオンライン上の繋がりなんて、脆く簡単に忘れ去られてしまうものだろう。
だからこそ、私はあの時のつながりを忘れたくない。たとえ脆くて実態がなくとも、BIGMAMAの“不幸を遠ざける音楽”と共にあった目まぐるしくも幸福だったあの日々は、私の中だけでもずっと生きていてほしいから。
そして願わくば、彼らにもそのつながりを記憶のどうか片隅に置いておいてほしい、忘れないでいてほしい。これは私の完全なるエゴだ。でもどうしようもなく、今回のアルバムを聴いて彼らの顔が頭に浮かんでしまった私はそう思ってしまった。
今までの青春にこれからの青春を
現在私は10代の頃の悔しさを取り戻すべく、BIGMAMAを追いかけて各地のライブに行っている。そしてBIGMAMAを好きな多くの人に新たに出会い続けている。
コロナ禍になってBIGMAMAを知ってくれたお兄さん。日を追うごとにどんどんバンドのことを好きになっていく姿を見ていると、私も嬉しくなっちゃうんだ。
なんだかんだ言って、ツアーには必ず参加しているお兄さん。今回は来ないのかなと思いつつも、結局来てくれる様子はまるでBIGPAPA(?)
次の大阪公演に来てくれるらしい高校生。これからBIGMAMAの音楽が君の一度きりの青春に彩りを添えてくれるはずだよ。
「点と点を結んだ糸が繋がれば縁」とでも言うのだろうか。こうして考えると今まで出会ったファンも今出会うファンも、そしてこれから出会うファンもBIGMAMAが紡いできた赤い糸で結ばれているようだ。
その糸が今も切れていないなら、頼りなくもピンと張り詰めているのなら、どうか今のBIGMAMAの姿を見てみてほしい。
私が感じた青春の、心揺さぶられるような感覚はあなたに伝わっていくはずだから。「あの時」がそっくりそのまま戻って来なくとも、10年後のBIGMAMAは「あの時」のような、でもさらなるかっこよさで“半径2メートルの幸せ”を届けてくれるはずだから。
かつてBIGMAMAを好きだった貴方へ。もし大人になった今この時も、BIGMAMAとの思い出を覚えていてくれるなら、どうか今の彼らが奏でる青春のフロアにダイブしてみてはくれないだろうか?
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