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素敵な6月


たくさんの愛と祝福を受けた
何かが違った6月だった

15日、シグという画家に出会った
初めて会ったその日 私たちは恋人になった

恋に落ち、海へ潜るのは久しぶりのこと

いつか商店街で17歳の自分とすれ違うことがあれば「スマッシング・パンプキンズのシャツが似合う美しい女性と付き合っているよ」と、教えてあげたい たぶんひねくれた私は
エヴェレットの多世界解釈やらを言いながらも、5年先への期待を隠して抱いて目を輝かせるだろうね


愛は破壊する
いま愛が私を蝕んでいくのがわかる

私が何かを生み出すとき
その組み立て方、作り方はある程度理解しているつもりでいるが
今、これから私が必要とするのは
それらを破壊するすべである
創生について その破壊までを熟知すること

壊せ、もっと、壊せ、壊せ
そのチェンソーを決して手放すな
もっと壊せ まだその手を止めるんじゃない
武装の一切を許されたこの今は
怒りや悲しみを 感情のありったけを込めて
それらを粉微塵にしてしまえ


愛は破壊する
私の肉体を 私の内臓を
私の心を この身体を
愛は全てを破壊する

溺れ、息継ぎをし、また沈み
生と向き合う時間が来た

私にとって その過程は必然であった
「溶けていいよ」と彼女が耳元に
囁いたあとの 口づけのさなか思い出した

過ぎてしまうこの季節を
この6月を
この雨を
この湿った風を
切り裂き その先の光を掴め

この素敵な6月を破壊せよ


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