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朝田ねむい『CALL』感想

朝田ねむいさんの新刊が出たと知って秒で買い、1時間くらいかけて舐め回すように読んだのですが、今回の本マジ最高だったので感想書こうと思います。

人物紹介

中身持ってきていいか分からなかったので私の絵で失礼します。

あらすじ

 バイトを辞め金に困ったハルヒコは、友人からゲイ風俗でもやればと提案されるも、それを却下する。しかし、ほんとに稼げるなら……と、風俗店の前で悩んでいたとこで、アキヤマと出会う。
 ハルヒコは自分を風俗店の人間だと偽り、アキヤマとデートをして、金をも貰おうと画策する。
 アキヤマは羽振りがよく、1回のデートで10万も出してくれた。それに気を良くしたハルヒコはそれから何度もアキヤマとデートを重ねていくことになるが、段々とアキヤマと会うことが楽しくなっており、別にお金を貰わなくても一緒に居たいと感じるようになる。
 アキヤマにそのことを伝えると、アキヤマもハルヒコの事が好きで晴れて2人は両思いになるが……。


感想

主人公受が好きなので、今回も主人公受がいいな、主人公可愛いしと思って読み進めていましたが、途中から、あれ……これは主人公攻の方がいいな……と変わり、濡れ場前には、頼む!攻であってくれ!と手を合わせて祈っておりましたところ、主人公のハルヒコが攻であると分かり思わず声を上げてありがとー!と叫んでしまいました。
ノンケ×ゲイなのですが、最初こそハルヒコは全然男とヤるなんて無理無理(笑)と思っていたのに、最終的に他の男抱けとか言われたら絶対無理だけど、アキヤマさんは抱けるし、好きと言っており私の大好きな男だから好きになったんじゃない、お前だから好きになったんだ系BLが読めて私大満足。
 しかも、後半から流れが変わり、2人の死生観のようなものが描かれるのですが、そこの描写がとても良い。アキヤマは唯一の肉親を失っており、それにより生きる気力を失っています。結婚して子供産んで……と言うような一般的な目標は無く、ただ死ぬまで代わり映えのない一日を繰り返していくことに嫌気がさしていました。ハルヒコはそれを理解できず、俺のために生きるとか言えないの?と言葉をぶつけますが、アキヤマはそれに答えることは出来ませんでした。ここでの2人の年齢差から来る考えの違いが見えて好きです。ハルヒコは明日よりも今日を重視するなんとも若者らしい考え方です。しかし、アキヤマは若くなく、どうしても将来のこととか考えてしまうのでしょう。2人の間には価値観の違いが横たわっていました。
1度この2人は別れて、5年後再会することになるのですが、ハルヒコは仕事に就き、生活する中で考え方に変化が生まれていました。以前アキヤマが言っていた、先の不安とかが理解できるようになり、自分なりに答えを持つことも出来ていました。
 アキヤマも仕事を変え、親戚の農家を手伝う中で以前のような切羽詰まった様子は無くなっています。
 2人はまたくっつくのですが、その際のハルヒコのセリフが最高なんです。


俺のために生きてとは言わないけど
生きてる間は俺といたっていいだろ?

と、アキヤマに言うのですが、ほんとこのセリフ良いですね。生きる理由が自分であって欲しかったけど、それは現実的では無く難しいことを大人になって理解した上で、でも、一緒に歩を進めることはできるだろうと言う彼なりの答えなんだと思います。生きる理由と言うと、ハルヒコが上の存在になってしまいますが、一緒に生きるのであれば2人は対等な存在で居られるのかなと感じました。
 価値観や死生観と言ったものは人によって違いますが、互いに理解した上で受け入れる事が出来るのはとても素敵ですね。是非2人には死ぬまで一緒にいて欲しいです。


最後に

絵がめっちゃ上手く、絵柄も最高です。少し感情の深いところまで突っ込んだ作品が読みたいと思ってる方におすすめ!

というかマジ最高だったので全人類の腐ってる人全員に読んでほしい。

少しでも気になったなら読んでみてください!



ずっと幸せでいてくれ!

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