詩『唇と金魚の座標』

誰かを好きになるなんて
ごく当たり前の感情だ
そう思っていた
君を好きになるまでは

たまに不安になる
僕は本当に君のことが"好き"なんだろうか?
これはもっと別のなにか
深刻で致命的な感情なのでは?

君の唇がその答えをしっている はず

玄関で飼っている金魚に相談したんだ
そしたら口をパクパクしてこう言った
『彼女の唇に聞いてごらん』って
信じてない?
僕は読唇術が使えるし
そもそも魚はウソをつかない

だから教えて
熱くて重くて取り返しのつかない感情
この世界のどの座標に置けばいいのか
君の唇で

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