6分30秒小説『No brake』
俺は今高速道路を滑っている。パトカーに追いかけられながら、高速道路を滑っている。法を犯すつもりも逃げる気もない。でも止まらない。誰か止めてくれ!
「いい話がある」古い友人からそんな電話があった。「直接会って話したい」と言われ、指定のカフェに向かう。
「久しぶりだなぁ。あ、先に言っておくぞ。ネットワークビジネスとか宗教の勧誘ならお断りだ」
「バカを言うな!そんなんじゃない。お前、今期調子よくないな」
「ああ、そうだな。絶不調だ。脚がどうも……な」
「不動の1番バッター、