240129 恋する鯉、遡る鮭

学生時代の友人たちと半年ぶりに再会してご飯を食べたら恋愛と仕事の愚痴の話ばかりで、なんかもっと最近おもしろかった出会いとかはまってるエンタメのこととか喋りたかったのに、結局元カノとか彼氏の親とか上司の話に戻ってしまってうまくいかなかった

でもそれって学生のころからそうだったような気もする わたしの関心事だけがふわふわと移り変わっていくなかで、彼らはずっと家庭恋愛仕事のトライアングルのなかで幸せを考えているというだけで、どっちがいいとか悪いとかではなくて、あっちの幸福は本当に本物なんだけど、わたしは強欲だからなるべくいろんな世界に飛び込んでたくさんの情報を得たくなってしまう

また3人で旅行いこうねって言ったら、彼女が嫌がるからだめだって断られた 関係ないよ前回のときもわたし彼氏いたしさ、って返したら、きっとその時彼氏傷つけてたんだよ当たり前だよって言われた そうなのかな 当たり前なのかな

今度住んでいるシェアハウスでホームパーティをやるから暇だったらおいでよ、わたしの友達紹介するよと誘ったら、あなたの周りってなんかちょっとこわい、普通は知らない人たちばっかりは嫌だよって言われた そうなのかな わたしの周りってこわいのかな 知らない場所って楽しくないのかな

もう少し話をしたら、彼らと楽しく時間を過ごしていた昔のわたしが戻ってくるかもしれない、と思った頃に、もう帰ろうと言われた そうだった このメンバーだといつも、彼女と電話しないといけないとか、彼氏が迎えに来るとか、明日も仕事だとかで、21時くらいには解散するんだった

家に帰って、同居人にこのことを話したら、「どうしてそうなったんだろう?その背景には何があるんだろう?」って問いを返された わたしもその時間、すれちがった原因とか背景をのんびりと考えた そして、そうだ、まさにこれが決定的に違うんだと思った 彼らは「なぜ?」なんてあんまり考えてなくて、起こった出来事とそれに対する自分の感情がすべてで、その向こう側には関心がないのだ

同居人は安定が苦手だという 自分の状況が安定しはじめたら、ほかにチャレンジできる未開拓地を目指すのだと わたしもまったく同じで、いつだってつぎの場所を探している わたしは「なぜ?」を考えるのが好きで、安定したところにはもう「なぜ?」が残ってないからだ

彼らは変化をこわがっている それは「なぜ?」って考えるのが好きじゃないから 考えなくても幸せを実感できる変わらない毎日が好きだから


思い浮かべた絵があって、わたしはシャケみたいにヒレをばたつかせながらいつも急流の中を過ごしていて、今日会いに行った彼らは静かな池の中を泳ぐ鯉で、わたしはばたばたとやりながら、あ、みんなゆっくりやってんだな、それでいいんだな、と気がつくんだけど、すぐにはばたばたするのがやめられなくて、水面に波紋が浮かんでしまう

たまにはそういう時間の流れもあるんだって思い出してチューニングしたほうが、浮世離れしなくて済むし、友達も失わないし、幅が広がって、豊かになれるのかもしれない、けどやっぱり、


つまんねーよ

しらねーよ

ばーか

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