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蟲神器で色んな遊び方をしてみよう


はじめに

皆さんこんにちは。
いつもは練馬区光が丘のエリアや、秋葉原カードンさんにて公認大会「桜餅杯」を主催しております桜餅あるとんと申します。

蟲神器、遊んでますか?
最近はテレビで紹介や、交流会や体験会を通じて新しいプレイヤーも続々増えているのかなあと思います。

蟲神器は20枚で構成されるデッキで戦う、シンプルなゲームです。そこに様々なルールを追加してより奥深い遊びをしてみませんか?
今回は、蟲神器を変わった遊び方で飽きずに楽しめるようルールをいくつか記載してみようかなと思います。


特殊ルール

《リミットレギュレーション》

リミットレギュレーションとは、現在のカードプールの中から「デッキ構築の段階で枚数制限を付ける」ルールです。
主にTCGでは「遊戯王OCG」にて用いられる用語で、リミットは"限度、限界"レギュレーションは"規則、規制"を指します。

蟲神器のデッキ構築において、同名カードは2枚までと定められています。
ここに「特定のカードは1枚までまたは0枚まで」というルールを加えるといつもとは異なる対戦環境になり新鮮な試合を味わうことが可能です。
このルールを用いる場合、以下を設けましょう。

  • 禁止カード

  • 制限カード

「禁止カード」はその言葉の通り「1枚も入れることができない」カードとして設定します。
主に環境で幅広く使われているカードや、環境を席巻しているデッキタイプにおけるキーカードを指定することで環境を大きく変えることができます。

桜餅杯におけるリミットレギュレーションの一例

禁止カードを制定する上で注意しなくてはならない事は、むやみやたらと複数のカードを禁止にしないことです。
蟲神器は現実の虫をカードにしています。当然ながら元になった虫が大好きな方も居ます。「自分の好きな虫が使えない」というのは悲しいですよね。

例えば「コスト1の虫を多投するローコストデッキ」に禁止カードを制定して環境を変えたい場合は、強力な術カードである《金色の顎門》や《刺蠅の血盟》を優先して制定することで虫を禁止にせずパワーを落とすことができます。
「《水生昆虫》を多投した水生デッキ」も、《水生昆虫》全てを禁止にしてしまうとデッキタイプそのものが消滅してしまうだけでなくそのデッキタイプの否定に繋がってしまう恐れがあります。
その場合は、どれか1種類の禁止に留めたり、後述する「制限カード」での指定が望ましいと思います。
また《ニジイロクワガタ》を禁止にすることでデッキタイプ自体を維持しつつパワーと安定感を大きく削ぐことができます。

次に、制限カードです。デッキに1枚のみ入れることができます。
「デッキに必ず2枚入れる」かつ「非常に強力なカード」を指定することで、若干環境を変化させることができます。
禁止カードとは異なり、2枚→1枚になるだけで大きな変化は得られません。
そのかわり「空いた枠にどんなカードを入れるか」という個性が生まれることになり、より新鮮な構築を見ることができます。


《〇〇環境》

ある時点での発売状況を再現したフォーマット、遊び方です。
例えば遊戯王でいちばん有名なものを挙げると「04環境」と呼ばれる2004年時点でのカードプールのみで遊ぶルールでしょうか。
過去にさかのぼり、昔遊んだ状況を再現できるので懐かしみながら遊べるだけではなくその環境を経験したことがない方へも体験させることができます。

蟲神器に置いては、2024/3時点で以下のような発売状況となっています。
2022.11.05 第1弾発売
2023.06.15 第2弾発売
2023.11.24 第3弾発売

半年に1度新弾が出るペースのため、年代で呼ぶよりブースターパックの発売状況で呼んだほうがわかりやすそうです。
その場合「1弾環境」「2弾環境」「3弾環境」といった分け方になります。

TCGは新しくカードが発売され、既存のカードプールが拡張されることでより自由で幅広い構築が可能になりますがこの遊び方はその真逆を狙います。
自由ではなく、不自由を楽しむ。
「あの頃、こんなことあったよね」「え、このカードこのときは強いじゃん!」みたいに思い出を語り合って遊んでみましょう。


《シールド戦》

未開封のカードパックを規定数準備し、大会会場で一斉に開封してその場でデッキを作成するルールです。1人につき6パックを推奨しますが、4パックから開催が可能です。
シールド戦を行う場合、デッキの構築ルールを以下に変更しても構いません。
・同名カードは何枚使用してもよい

蟲神器公式ページより

事前にデッキを構築するのではなく、与えられたパックを開封しその場でデッキを構築、対戦するルールです。
普段環境で見かけないカードも開封次第で活躍する機会があったり、デッキをその場で構築する構築力も試されます。
予め、以下のルールを決めておきましょう。

  • 配布するパックは何弾にするか

  • パック数はいくつにするか

  • 配布バランス(1弾を4パック、2弾を2パックなど)はどうするか

  • 対戦の間にカードの入れ替えをOKとするか

まず、配布するパックの種類と数を決めておきましょう。
オススメは5パック~6パック程度で、第1弾のパックを中心に配布すると蟲神器らしい構築と対戦が味わえます。
エッセンスとして第1弾以外も数パック加えたり、別途固定の配布カード(リオックを必ず1枚配布、など)を用意したりするのも面白いと思います。
また、対戦と対戦の間にカードの入れ替えを良しとするかも決めておきましょう。


《BO3(3本勝負)》

1本先取制ではなく、3本勝負とするルールです。

1つの試合中に対戦を最大3回行い、その結果に応じて勝ち点を計算します。
この時、1戦ごとに勝ち点を集計するか、3戦の戦績に応じて勝ち点を得るようにするのかは事前に大会要項などにてその旨を誰にでも見られるようにしてください。
制限時間については初心者が多い大会なら無しとするか、各大会参加者20分の持ち時間を使って3戦(合計1試合40分以内)、持ち時間が切れた大会参加者は3戦目を敗北とする裁定を推奨します。
また、2戦勝利で終了とするか、必ず3戦まで行うか、勝利数が同値(1勝1敗1分など)だった場合にどう処理するかなどはあらかじめ大会要項にご記載ください。

蟲神器公式ページより

1本先取とは異なり、より深い戦略と試合運びが重要となる中~上級者向けの形式です。
1度対戦が終わると、相手のデッキタイプを理解した上で2戦目に突入することになります。1戦目とは立ち回りを変え、異なる戦い方にシフトチェンジすることもできます。

幅広い知識と戦略、数多くの経験が活かされるルールで「ガッツリ蟲神器を味わいたい方」には好まれる反面初心者やカジュアル層には敷居が高いです。
特に「子供の集中力はもって30分」と言われています。お子さんが参加するような大会、交流会では用いないほうが懸命です。


《チーム戦》

1対1ではなく、3対3で行う形式です。
1チーム3名で構成し、他チームの3名と1対1の対戦を3つ並行して行い勝ち点が多い方のチームを勝ちとします。

【例】チームA(Aさん、Bさん、Cさん) vs チームD(Dさん、Eさん、Fさん)
→AさんvsDさん(Aさん勝ち)、BさんvsEさん(Eさん勝ち)、CさんvsFさん(Cさん勝ち)
→チームA2点、チームD1点でチームAの勝ち

チーム戦のメリットは、自分が負けてもチームメンバーが勝てばチームとして勝てる可能性がある点です。
競技<交流に重きを置きたい場合に採用すると楽しいと思います。
デメリットは、必要人数が多くなってしまう点です。1チーム3人、3戦行うために最低4チーム必要なので12人のエントリーが必要になってきます。
蟲神器で多くの人数を集めることは現状難しく、大規模なイベントと合わせて行うなどの工夫が必要です。

1チームを2名にすることもできます。3人チームとの違いは以下の通り。

  • 最低必要人数が少なくなる

  • 親子など、チームを組みやすくなる

  • 開催場所の選択肢が広くなる(机の幅など)

  • デメリット:1戦だけでは決着がつかない場合がある(1-1の場合)


《キューブドラフト》

予め準備された公式カードを試合開始前に選定し、その場で大会参加者自身がデッキを組んで対戦します。
参加人数×20枚以上の公式カードを準備し、20枚以上の公式カードをそれぞれ各参加者の前に配置します。
参加者の前に置かれた各カードはシャッフルしたあと山の上から7枚を手札として引きます。その後その中から一枚を選び、余ったカードを左隣の参加者に渡すという行為を、手札がなくなるまで行います。この一連の行動を山の上に置かれたカードがなくなるまで行います。もし、最後に引いたカードが7枚未満である場合、最大数になるまで手札として引きます。
スターターセットのカードのみで行うことや、未開封のパックを複数持ち寄り(人数×4パック以上)、パックから出たカードを手札として行うことも可能です。

蟲神器公式ページより

めちゃくちゃ簡単に説明すると、「パックを使わない(予め内容が決まっている)シールド戦」です。
「キューブ」と呼ばれるカードの束から複数のパックを作り、作ったパックの中から参加者が「ドラフト(選び取ること)」していき、その場でデッキを構築して対戦します。

決まっていることは「キューブ」を用意することとそれを「ドラフト」することだけで、ルールは別途設ける必要があります。

  • キューブを何枚にするか

  • キューブからパックを作る方法はどうするか

  • ドラフトの方法はどうするか

  • ドラフト以外の固定配布カードはあるか

  • 対戦と対戦の間にカードの入れ替えをOKとするか

シールド戦に似ていますが、1枚ずつドラフトしていくのでデッキの構築自由度が高い点や強いカードの取り合い、駆け引きの楽しさなどキューブドラフトでしか味わえない面白さがあります。
ルールを決めるところが最大の難関です。ここで、私の考えたキューブドラフトのルール一例を出しておきます。ぜひ一度遊んでみてください。

《事前準備》
・プレイ人数:4人
・キューブとして120枚のカードを用意
  ※内容は自由。スターター/ブースターをまんべんなく入れる。強いカードは少なく、それ以外のカードを多くすると良い
・配布固定カードを人数分用意
  ※《白夜の羽化》《飛蝗の待ち伏せ》《女王蜂の匂い袋》《蜜蝋の壁》を2枚ずつ、計8枚を固定で配布する。

《対戦準備》
①4人で囲むように座り、配布固定カードを全員に配布する。
②キューブ120枚をよく切り、表を見ずに30枚のパックを4つ作る。
③30枚のパックを1人1つずつ配布し、表を見ずにさらに15枚のパックを2つ作る。それぞれパックA、パックBとする。
④パックAを見て、好きなカードを1枚選びデッキパーツにする。残りを時計回りで次の人へ渡す。
⑤回ってきた別な人のパックAを見て、好きなカードを1枚選びデッキパーツにする。残りを時計回りで次の人へ渡す。
⑥パックAが無くなるまで④~⑤を繰り返す。
⑦パックAが無くなったら、パックBで同様の手順を繰り返す。
⑧デッキパーツ30枚、配布カード8枚の計38枚から20枚のデッキを構築する。
⑨全員の構築が終わったら、リーグ戦を行う。まずは対面の人と対戦し、2戦目は勝った/負けた人同士、3戦目は戦っていない人同士で対戦する。


ルール介入型特殊ルール

ここでは、ルールに介入する特殊ルールについて記載します。
ここまで紹介した特殊ルールは、全て蟲神器の基本的なルールはそのままにカードを制限したり遊び方を変えたりするものでした。
ルール介入型、というのは蟲神器のルールの一部を変更したり追加したり雰囲気をガラッと変えてしまうルールのことです。
いつもとは異なる雰囲気で気分を変えて楽しむことができますが、ルールを変えてしまう都合上、事前にそのルールが問題ないかやバランスは大丈夫か等「十分なテストプレイ」が必要になります。


《特定の虫のステータスを上昇させる》

例えば、あらかじめ決められた虫カードを1枚選び、その虫の体力と攻撃力を100ずつ増やすルールを追加します。
普段活躍の場が少ない虫を活躍させたり、いつも活躍する虫をさらに強化させたり、相手が選んでくる虫を予測して対策できる虫を選ぶなど、自由に戦略を練ることができます。
ちなみに、コンセプトは「フューチャーカード バディファイト」というTCGのバディシステムを参考にしています。


《縄張りを裏にするのを新たなアクションにする》

やや難しいルールです。
デッキとは別に「エクストラデッキ」という、対戦中に特定の条件を満たした場合のみ使うことができるデッキを3枚用意します。
また、縄張りを特定のタイミングで任意の枚数分裏にすることをコストに「エクストラデッキ」から虫カードを1枚場に出すことができます。

このルールを介入させることで、"プラチナコガネ"等「縄張りを裏にする」カードにさらなる戦略を生ませるとともに、"衣蛾の虫喰み"等「縄張りを表にする」普段使われないカードに対して活躍の場を作ることができます。

本ルールは、環境によっては事前のテストプレイが重要です。

開催時は、上記禁止カードを別途設けました

「縄張りをコストにする」ことをコンセプトにしているため、裏でも関係なく強さを発揮する"ニジイロクワガタ"や縄張りを貯めることを許さない&ルールによって自身を出せてしまう”サバクトビバッタ”は禁止としました。

コンセプトは「遊戯王」のエクストラデッキ、及び特殊召喚ルールを参考にしています。


最後に

蟲神器は非常にシンプルで、それでいて奥が深いゲームです。
1ゲームも短い時間で終わるので、何度も対戦を繰り返していると時がいつの間にか過ぎ去ってしまうこともしばしば。

たまにはこういった特殊ルールや対戦方法を遊び、飽きずに蟲神器を遊んでみてください。

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