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シュールとポップ

こんにちは。社内報のコーナーに「オファーの泉」と名付けたことがある、nearly labo.です。
支店の営業さんが新規案件を受注した経緯を紹介するコーナーでした。当時はやっていた番組のタイトルをもじっています。

さて、昨日の「新・美の巨人たち」はベルギーの画家、ルネ・マグリットの特集でした。
マグリットは、昔からとっても気になる画家です。

美術の教科書に載っていた「大家族」。
曇った海の風景はなんとなく日本の海っぽい感じがするし、
その裏?にある青空。晴れた海というのは、どこかしら海を思い浮かべる時の象徴のようで、
それが羽ばたく鳥の形に切り取られている。
鳥と海の縮尺がヘンだけど、だからこそ壮大さが表現されている。
というところでタイトルが「大家族」って???

違和感と「なんかわかる」感が同居していて、ハッとさせられる。そしてポスターのように明快。
ちょっと不気味でもあり。

私もそういう、ハッとする表現をしてみたい。
そんな思いがあり、新卒で入った会社を辞めてからは「コピーライターになりたい」「創作活動で生きていきたい」と、迷走していきました。

「やりがい」のある仕事ができているうちはいいのですが、会社がつまらない、とか次の職場が見つからない、という時には必ずコピーライター…、創作…、とこじらせ思考が出てきます。

宣伝会議賞やブレーンのC-1グランプリ、公募ガイドなど、コピー案件に応募するものの、採用されることはなく。
(あ、1回C-1に載ったことあったな)

浅い考えでコピーライターを志望する人にありがちな、ちょっとひねった表現をしたがる傾向が私には強く、
結果、誰にも伝わらないという図式。

このこじらせはずっと燻っていて、骨折して強制ストップに入ったころまで続いていた気がします。
リハビリを始めてから、執刀医の先生やリハビリの先生に「仕事しないの?」と聞かれるようになり、彼らを早く安心させなければ、という謎の使命から「とにかく派遣で働く」ことを最優先にして、今に至ります。

コピーや創作がなぜうまくいかなかったのか?
伝えたいという気持ちはあったものの、独りよがりだったんでしょうね。
オファーがある人になりたくて、「自分の作品」がほしかった。「面白い人」と思われたかった。
普通じゃダメだ、と思って変わったものを作ろうとしていた。
でもウケないから、ますます人の感想を聞くのがこわくなって、伝わらないならいいや、となる悪循環…

レッドシアターがあったころ、しずるのファンだったのですが、彼らのフォトブック「しずかにながるる」のインタビューに、

ブラックなネタをやめて「青春コント」のようなものを始めたらどんどんウケた。その時やっとポップなやり方を見つけることができた

というようなことが書いてありました。

隠れて気を引くような暗さがない、明るく軽やかであること、
ポピュラーであること、
そういう表現の方が、人と繋がりやすいですよね。
自分の人付き合いのスタンスも、そういう方を目指していきたいです。いきなりのキャラ変は難しいですが。

こじらせ時代のポートフォリオ

ここで、創作活動していた時のポストカード作品を晒してみようかと思ったのですが見つからないので、
目につくところにあったこちらをご紹介。

教授室にあった在室表示盤をモチーフにしたこちら。
レンタルボックスで展示をやった時に作りました。

今見てみると、「不機嫌」がなかなかのツボです。
今の大学にはもうこういうアナログなものはないんでしょうね。

#こじらせ社会人 #ポートフォリオ

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