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Cyberpunk エッジランナーズ アナキストの行く末

どっかの誰かが言った。
最高のSFとは中学生二年生のときに見たSFのことだって。
なら僕の最高のSFはサイバーパンクエッジランナーズだろう。
僕はサイバーパンクエッジランナーズを見てからもともと疑問を感じていた「エモい」の使用をやめ、「サイバーパンクっぽい」という表現を使うようになったし、僕のソフトウエアの設計にはいつも脳裏にサイバーパンクエッジランナーズがある。
高校を選ぶとき、つまり高専を選んだときもサイバーパンクエッジランナーズが影響してた。
常にサイバーパンクの匂いを求めているし、研究もそういうものになる。
僕の思想の源流にはサイバーパンクエッジランナーズがある。
そして久しぶりにサイバーパンクエッジランナーズを見た(そのためだけにNetflixに入ったんだぞ!)ので今の僕から見たサイバーパンクエッジランナーズを書いていきたいと思う。

エピソード3までの大体の話

主人公デイビットマルティネスは新アメリカ合衆国を支配する巨大日本企業「アラサカ」の教育機関「アラサカアカデミー」に通う貧乏な高校生。
アラサカアカデミーは富裕層の子どもたちがアラサカで働くコーポになって裕福な暮らしを送るために来るような場所。
貧乏人のデイビットは浮いていじめられる。
デイビットはお金がないので授業に必要なデバイスのアップデートが行えず、闇技士に頼んで改造してもらうが、当然無理な改造なのでそれが原因でアラサカアカデミーの電子インフラを破壊してしまう。
更には唯一の母親もギャングの抗争に巻き込まれて死んでしまう。
自暴自棄になったデイビットは日本人のたなかかつおからのいじめに対抗するべく軍事用の違法なサンデヴィスタン(このインプラントはめちゃめちゃ速く動ける用になる。ザ・ワールドみたいなイメージ)をインストールし、田中カツオに一発喰らわせて退学。
退学したはいいものの飯を食えないのでサイバーパンクとなり成り上がるそんなかんじ

エピソード3 smooth criminal/裏稼業

僕はこのエピソードが大好きだ。
デイビットの初仕事はアラサカの重役を乗せる車のナビデータをコピすること。
そのためにデイビットは持ち前のサンデヴィスタンを起動しドライバーの電子キーを盗む。
このときの疾走感は最高だ。
そして電子キーをコピーし、車の鍵をあけ、ナビデータをコピーする。
しかしその時運悪くドライバーにアラサカの上司からの命令が。
ドライバーは仕方なく車にのってアラサカタワーへと行こうとするのだが、するとナビデータをコピー中のデイビットたちと鉢合わせてしまう。
仕方なくデイビットたちは車ごと奪って逃亡することにした。
当然デイビットは未成年なので運転なんてしたこと無い。
デイビットは走り出す。
学校とか、企業とか、地域とか、そんなのに縛られずに、飛び抜けた、やばいことをしている。
運転なんてしたこと無いのにそんなの関係なく、自分の本能のままに手を動かす。
思想的に開放された。
後ろから敵が迫ってきた。
前は渋滞だ。
逃げ場がない。
そこでデイビットはまたもやハンドルを180度切って逆走を始める。
迫りくるドライバーは皆律儀に警告音を鳴らす。
でもデイビットには関係ない。
ゴーストが囁いてる。
多分僕のオルタナティヴ的というかアナキスト的というかそういったハッカー的な考え、求める気持ちはここから来てるんじゃないかな。
自由になりたい。
デイビット見たくなりたい。
でもそんなデイビットも現実を知らされる。
車による逃亡が成功し、夜酒を酌み交わす彼らにフィクサーがやってきた。
フィクサーはデイビットたちの雇い主。
車丸ごと盗んでアラサカに足跡が残っちまった。
フィクサーはそれに怒っている。
デイビットの師匠メインが言う。
「仕方がないだろう。ドライバーに急な用事ができたんだ。臨機応変ってことだ。そもそもなぜナビデータが必要なんだ。情報が無いと良い行動ができないだろう。」
フィクサーが言う。
「情報は少ないほうがこちらとしてのリスクは低い。お前らは考える必要はない。決められた条件を満たすように動けばいい私が命令し、お前らは従う。違うか。」
メインは「ちっ、ああ、そのとおりだ」という。
デイビットはこれをみて悲しそうな顔をした。
そうだろうさ。
悪い奴らになれば、「決められた条件を満たすように動く」「命令に従う」
なんてことはもうしなくていいんじゃないか。そんなふうに思ってたんだろう。
でも現実は違って、やっぱり学校みたいに必ず支配者がいる。
さっき感じた自由は仮初のものでやっぱり僕らは規則に従う必要がある。
救いのないはなしだ。
でもこの救いの無さがいい。
僕らアナキストの視聴者はこれに絶望し、そして愛を抱く。


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