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【アルトイデア】オリジナルシステムを作りたい #1【作品紹介と作成段階】

■はじめに

 初めまして、あるたーと申します。旋卓師という名義でテーブルトークRPGのシナリオを書いています。タイトルの通り独自でシステム作成をしてみたく、その様子を今後記事として報告していきます。モチベーション維持や、システムの宣伝としての記事となります。
 また、システム構築の際の手順などを書き残すことで、これから同人システムを作ってみたいという方の参考になれば幸いです。

■システム作成のきっかけ

 「カード×ダイス」のようなテーマで、TCG(トレーディングカードゲーム)風の戦闘が出来るようなテーブルトークRPGはないかと思ったのが始まりです。探して見つけるよりも、自分で作った方が自由度はあるなと思い、最初に作ったのが『鉄界のインピーダンス』という作品です。こちらの作品が原型となり、改変していき今の形になりました。その変遷も記事として書いていこうと思います。
 また、シナリオを書いたノリで、同じように書けないかなと始めてみました。実際のところ、ハウスルールやシナリオの特殊ルールのようなノリで書けるかどうかを試してみたかったという気持ちもありました。

■システムの内容、コンセプト

 本記事のメインとなるオリジナルシステム『銘記録RPGアルトイデア』について、説明していきます。
 システムコンセプトは『汎用テーブルトークRPG』
 「戦闘」と「探索」を分離するタイプのテーブルトークRPGを作るという方向性で作成してきました。物語としてのコンセプトは『世界観を創造する』ということにあります。共通するキーワードとしては「汎用性」です。
 自由度が求められるテーブルトークRPG。多種多様なシステムが存在する中でこのシステムを遊んでもらうためにはどうすればいいのか。そんなことを考えているだけで時が過ぎていきますね。
 せっかくなので現在の作成している要素について、踏み込んだところまで行きましょう。

■現在の作成段階について

共通世界観:まだまだ
探索システム:構想段階
戦闘システム:テストプレイ段階(何回も作り直している)
キャラクターシート:まだまだ

■共通世界観

 アルトイデア、ALT-IDEAと表記します。「Alt(Alternative)+Idea」の造語となっています。哲学用語を転用して色々とシステムの要素として組み込んでいます。
 以下に表示するのは基本ルールブックの文章です。

■探求者-レコーダー-
 貴方が扱うプレイヤーキャラクターのことです。世界録の中にそれぞれ一人存在しています。
 また、世界録と同調することで存在することが出来ます。つまり、別の世界録を遊ぶ場合、別の世界録の同一存在と同調することが必要になります。
 「レコーダー」という呼び名は世界録の中ではあまり呼ばれません。
 探求者は別の世界録やその世界録の同一存在である自分自身を認識することは基本ありません。ただ、共通することは経験の欠片(AF)と呼ばれる結晶から、別の世界録のものが生成されることはあるということです。
 探求者はどのような人物でもなることが出来ます。一般人であっても、歴戦の英雄であっても構いません。ただ、その世界録に則した立場、経歴を持ち合わせておく必要性があります。また、世界録ごとにその探求者がどのような存在であるかは変わる可能性があります。
■世界録-せかいろく-
 探求者は経験や記憶といった世界の一部として記録されていきます。そうして積み重なったものを総じて「世界録」と呼んでいます。「歴史」よりも広義的に捉えるもので、時間と空間を司るすべての事象のことを指します。また世界録はその世界の有り様を表し、他の世界との区別し得る個性です。数多の世界録が存在し、その有様はその世界録ごとに変わっているのです。
 プレイヤー側の認識としては『アルトイデア』はその世界録共通のルールを表します。常識、物理法則と言い換えてもいいでしょう。
 パラレルワールド、とは違いますがあながち間違いではありません。世界録から世界録が生まれるという現象があってもいいのです。
■AF-アルケー・フラグメント-
 アルケーとは万物の根源を指す言葉です。「それが何であるか」ということが自然哲学の世界で語られてきた命題ではありますが、『アルトイデア』の世界録でのアルケーに関しては抽象的な概念でしかありません。
 一つ言えることは、構成物質は「経験や記憶」に由来するものであることだけです。
 アルケーは何にでも変容し、また結合・分離を繰り返すものです。そして、世界録同士を繋ぐ架け橋にもなりえます。すなわち、AFによる干渉により世界録間のやり取りが行われます。
 探求者を継続して使用する場合、その探求者の能力はそのままに、世界録を変え別の世界録で遊ぶことが出来ます。それはAFによる経験の引継ぎの力によるもので、別の世界録にいる「探求者の同一存在」に引き継がれるという事になります。もちろん、別の世界録の記憶は持ち合わせていないものとします。
 AFは世界録ごとに異なる認識を持たれていますが、共通することは「青色の結晶」として見つかることが多いという事です。その結晶はAFの塊のようなものであり、強い力を有しています。探求者が獲得したり、武器に変換したりするAFはこの結晶体を指すことが多いです。
 AFには「活性状態」と「非活性状態」が存在します。いわゆる力を行使しているときが活性状態であり、結晶体などは非活性状態に相当します。また、それぞれの状態に移行することを「活性化」「非活性化」と言います。

『銘記録RPG アルトイデア』基本ルールブック

 「記録、データ」というものがこの世界観の中で重要なキーワードとなっています。上記の文章に出てきた「アルケー・フラグメント」すなわち経験の欠片というものが世界の中にあふれています。それを使うことで生活を可能にしたり、戦闘における武器を生成することが出来ます。つまり、その欠片に内蔵されたデータを世界の中に「再現する」ことで物質を生み出すことが可能なのです。
 この「AF」がシステムにおける中核を担っているキーワードです。本当はなぜ「世界録」が複数存在しているのか、「AF」を人々が使えるのはなぜかという理由について語っていないのですが、それは裏情報としてまだ秘密にしようと考えています。設定の拡張性がある、考察の余地がある方が世界観としては面白そうだなと思います。
 ですが、下記のような葛藤もあります。

■どこまで情報を公開するべきか

 システム作成においては扱いが難しいなと感じています。なぜならシステムの世界観を優先することで、シナリオがとても作りづらくなってしまうからです。……おそらく私がやっていることは「シナリオ作成の延長線上」になってしまっているのでしょう。原因は世界観について裏情報を伏せているという点です。自分が公式シナリオとして作る分には問題ないのですが、もしもこの『アルトイデア』を用いてシナリオを書いてくださる方がいたら、その人は裏情報なしにシナリオを書くことを強いられます。今後展開していく中で明かされる裏情報によりシナリオとの矛盾が生じてしまったときが最悪ですね。なので、「PLには知ってほしくない(知らないからこそシステムを遊ぶことで、世界の真相がわかってくる)けど、シナリオ作者には必要だろうな」みたいなことが起きます。なんなら起きています。『探求者』という言葉に込めた思いと重ねるなら、公開しない方がいい気がしています。 
 以上のことは「世界観」に関しての問題です。「判定方法」とか「キャラクター作成データ」の「仕組み」については起きない問題です。なのでそこに関してはありがたい限りです。
 現状では、別冊で『アルトイデア世界観解説』みたいな全て公開するみたいなやつを用意する案が一番いけそうな気がしています。要検討ですね。

■世界観の創造とは

 「システムの内容、コンセプト」にて、世界観を創造することを大きなコンセプトとしていると記しました。そのため、上記の「共通世界観」を用意したうえで、それに付随した世界観を導き手(本システムにおけるKPやGMのような役割)が創造し、遊ぶことが出来るような仕組みを考案したいのです。この点に関しては「好きな設定で、好きな世界を作っても仕組みとあまり矛盾しない自由度」が求められます。もちろん上記で提示した「AF」が存在しない世界という設定をつけられたら、難しいという部分もあって完全に自由に作成できるわけではないのですが。固定の時代、決まった文化が存在せず一から想像することが出来る強みがこのシステム構造に存在するのではないかなと思います。
 他の人が作った世界観をまた違う人がそれを元に世界を広げていけるような拡張性を含んだ幅広い遊び方が出来ればうれしいですね。既存システムで言えば、『銀剣のステラナイツ』の階層に近しいものがあります。

■サンプル世界録

 サンプル世界録という名称が正しいものかどうかは定かではありませんが、私の方が現在作成している世界観が存在し『基本ルールブック』と同じように随時公開しようと思っています。
 以下が公開予定のようなものです。

 一つ。それは、機械が統べる世界。血も涙もない「鉄界」の中で、彼らの叛逆劇は開幕する。失われた人々の平和のために、過ちを正すために。己のエゴを満たすために。
 二つ。それは、氷に覆われた世界。生命活動を許さない「氷界」の中で、彼らの生存競争は際限なく続く。全てを滅ぼす氷河期に苛まれながら、獣たちは己の存在意義を咆哮する。
 三つ。それは、化生集う呪いの世界。魑魅魍魎が跋扈する「縁界」の中で、彼らの存在が曖昧になる。それは現か幻か。鏡の中の■は何も答えてはくれない。
 四つ。それは、竜が飛び交う断崖絶壁の世界。大穴から伸びる岩に住むことを強いられた「境界」の中で、彼らは名状しがたき存在と対峙する。狂気に染まるモノの終着点とは。

 細かい設定などは変更されるかもしれませんが、様々な種族に焦点をあてた世界観を提供できればいいなと考えております。サンプル世界録があれば、このように作ればいいのかという一つの指標にも成り得ると思います。

■おわりに

 実際、初めての試みであるためどこまで完成させることができるのか分からない状態で進めております。システムに関しては新たな要素を追加しては消してを繰り返しています。その様子、問題点と改善点の考察などを今後の記事で書けたらいいなと考えています。正直な話、公開まで何年かかるか分からない話であるかもしれません。もしかしたら全てが泡になって、消えてなくなる話かもしれません。それでも、楽しんでもらえたら幸いです。とりあえず、完成を目指して頑張るぞの精神でいきます。
 ここまでご覧いただきありがとうございました。

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