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無線LANのトラブル

症状:

無線LANでのネットワーク接続が、不定期に不安定になる。
通常、fast.comなどの測定で数百Mbpsで通信できているものが、突然20~30Mbpsに速度が低下してしまう。
PC等からの無線LANの電波強度に変化はない。
無線の周波数帯は5GHzをのみを利用している。
(Wi-Fiアイコンの扇マークはフルのまま)
無線APはArubaで、Cisco C1000でPOE接続している。

状況確認:

・ネットワークの速度低下するのは、特定エリアの無線接続端末のみ
・有線接続では問題は発生しない
・ネットワーク全体の負荷状態とは全く関連していない

特定のエリアの無線のみの問題なので、当該の無線APをまず調査する

Arubaのログ確認:

この環境はSyslogが設定されていないので、機器内のログを確認する。
1.ArubaのVirtual Controllerにブラウザでログイン
2.左下の「サポート」をクリック

3.症状が発生しているエリアのAPを「ターゲット」から選択
4.「コマンド」の中の「AP Log xxx」選択して「実行」を押すとログが表示される

特に問題となるようなエラー等はなし。
POE接続されているCisco側もログを確認する

C1000ログ確認:

Tera TermでC1000にTelnetアクセス
特権モードで以下のコマンドで確認
・show log
・show interfaces gigabitEthernet 1/0/xx

特に問題となるようなエラー等は発見できず。

障害発生時にArubaのVirtual Controllerのダッシュボードのアクセスポイント画面で、ノイズのゲインが-50dBmまで上がっているのを発見、無線LANの電波を妨害する何かがあるのだろうと推測。

スペクトラムアナライザーで調査:

inSSIDerでは、SSIDが付いた無線LANとしての電波しか検出できないため、Wi-SpyとChanalyzerを使って、当該周波数帯の調査を行う。

SSIDが利用しているチャンネルの上に非常に強い強度で別の電波が確認できた。
そのエリアで別の5GHz帯で相互通信する機器を不定期に利用しており、それが原因と判明。
その通信機器は常に利用しているものではないが、電源が入っていることがあり、使っていないと考えていた際にも同等の電波が発信されていたようで、原因の特定が遅れてしまった。

まとめ:

結果的にL1でのトラブルだった。
L2、L3から調査を行ったため、原因の特定までに時間がかかってしまった。
無線LANに限らず、ネットワークのトラブルに際しては、L1から順番に調査するのがセオリーですね。
ただ、L1の調査は物理的な信号の調査になるので、無線に限らず専用の測定機器が必要です。測定機器は比較的高価であり、使用頻度も高くないとなれば、装備するのはなかなか難しいですね。

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