アンバランスなだけ

どうにもすべてがチグハグで
両の手
両の足
すべてが別の方向へ行かんとするさかい
こんがらがって ずってんころりん

そんな調子
誰かにもたれかかって生きてきたことを
ひとりになってようやく知る
骨身にしみる

傷を増やすのはもう懲り懲りと
立つのもやめようか
「おーい、おーーい」
と叫ぶだけにするか
と思いを馳せるも

まだやれないことが無いわけではないことに気づく

左右で脚の長さが違うキメラ生物の歩様は滑稽である

「それが私」と受け入れる他にあるまい

歩みを得ることを願い、不格好に踊る

それのみが己に許された「生き様」と信じて 

多くの時間を怠惰に没しながら

そばに何れかの者の明かりが
灯る



を抱えて

ズンタララッタ 、 ズン

くべた枯れ木がどこへやら
去り際 黒ずんで形を崩す

ズンタララッタ 、 ズン

遠くの山の背 狼の影




( ∵ )つミ 〈 捻挫ポエム〉

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?