落馬で気を失う

新年早々、落馬してしまいました。

4月から通い始めた乗馬教室。家から車で15分のところにあります。存在は前から知っていたのですが「別に」って感じでした。

その存在が急にクローズアップされたのは3年前に左股関節を手術してから。それまではテニス教室に通ってましたが、手術してからは怖くなりました。テニスは🎾を追いかけて走り、打つ時は止まります。その時に踏ん張るわけです。体重が股関節にもろに乗るのでやっぱりダメージあるんじゃないかと思いました。世界を見渡せばプロのトップテニスプレーヤーでも左右両方とも人工股関節にしている選手もいます。でもそれって絶対簡単なことではありません。

テニスはできなくても何かスポーツはしたい、と思っていました。股関節まわりの筋肉を鍛えることは大切だし、何か楽しいな、と思えるようなものをやりたいと。で、ふと思いついたのが乗馬でした。

実は小学生の時、夏休みにポニーの乗馬教室に通ったことがあります。確か2週間くらい毎日通いました。この時はひたすら怖かった。走っている馬の背中って見た目より結構揺れるんです。舌噛みそう💦と思うくらい。でも大変だけど馬は可愛かった。またいつか機会があったら乗りたいな〜とぼんやり考えてました。

なのでまず体験に行きました。30分くらい乗ってその後お金の説明。高いのかな、とは思ってましたが入会金だけで11万円も😩この時点ではやめようと思ってました。でもスタッフの人、話がうまいんです。ちょっと片手を口に当てて内緒話みたいに、

「今だけ入会金3万円でいいですよ」

他の人にもこの手を使っているのかもしれませんが、11万円が3万円に。というのは魅力的に思えました。ヘルメットやブーツはレンタルできますよ、というのでそこで契約。でもプロテクターだけは買わされました。「エアバッグベスト」という名前のプロテクター。名前の通り、膨らみます。膨らむのは落馬をした時。毎回乗る時にこのプロテクターについている紐を馬の蔵についている輪っかに通して結びます。この紐が落馬の時に引っ張られて伸びる。伸びを感知したらエアバッグが膨らむ仕組みです。

4万円近くしました。

本当にこんなの、必要なの？
と、内心ぶーたれてました。

いや、必要です。
めちゃめちゃ必要です。

今回落馬して本当に思い知りました。

落馬って本当に一瞬の出来事でした。

今回で言えば90分のレッスンでもう終わり頃に起こりました。突然馬が暴走したんです。合図したわけでもなく、それまで機嫌良く歩いたり走ったりしてたのに。教室に通って知ったのですが馬は音にかなり敏感で、そして怖がりです。競馬なんかで仮面をしてる馬がいますが、あれは耳を布でカバーすることである程度、音を遮断できるからです。人間の耳では平気な音でも馬にとってはパニックになる音もあるわけです。

なので今回も何かそういう馬にとって怖い音が聞こえたのかもしれません。真相は馬に聞いてみなきゃわかりませんが、あっという間にバランスを失って落馬寸前にはエアバッグベストの紐がすごく伸びているのが見えました。落ちながら見たのかもしれません。

馬は大きな動物です。乗る時は必ず踏み台を使って乗ります。なのでそれなりの高さから落下したわけです。骨を折ることだってありえます。かなり痛い、はずなのですが……実はわたし、落ちてからの記憶が一切ないのです。

気がついたら担架の上にいて数人のスタッフさんに囲まれてました。その時も「あれ？何だっけ？」みたいなぼんやりした頭でした。1人の方が

「救急車呼びますね」

え？
わたしのために？
いやいや、そこまでしなくても。

とは思ったのですが、その時も頭ぼんやりしていてうまく話せない状態でした。頭スッキリしてきたのは救急車に乗せられてから。

「馬場に忘れてきたものがあります」
とか
「家には今誰もいません」
とか普通にしゃべってました。

病院に着いてまず診察。足とか手とか動かして骨折はなさそう。あとは頭、ということになり検査室で輪っかみたいなものの中に入って検査してもらいました。

30分くらいしてお医者さんがきて
「どこも異常ないですね」
と言った後、
「意識はずっとありましたか？」
と聞くので正直に意識が飛んでいた時間があることを話しました。

「なるほど。それなら脳震盪を起こしていますね。それだけの時間だと軽症ではないです。中等症です」

えー
そうなのか。

小学生の頃、朝礼の時に必ず失神する人がいました。同じクラスというわけじゃないけど、必ずどこかでバタン！と音がして先生たちが慌てて駆け寄って抱きかかえて保健室に連れて行くのを見て「失神ってなんか素敵だな」と変な憧れを抱いたものです。失神する時ってどんな感じなのかな？　意識を失っている時に夢とか見るのかな？　

いやいや
意識が飛ぶって怖いことなんだと身をもって知りました。

脳震盪とは脳が揺さぶられて腫れた状態になることで、その腫れが引くまではとにかく安静にしたほうが良いそうです。

少なくとも2週間は激しい運動は避け、なるべく安静に。

入院の必要はありませんが、それだけは気をつけて、と言われて診察は終わりました。救急車できたので帰りはどうしよう？と思っていたらちゃんと乗馬教室のスタッフさんが車で病院まで来て自宅まで送ってくれました。｛スタッフさん、ありがとう😊）

で、安静を心がける日々を送っていますが、ネットで「落馬」「予防」とか検索すると、動画で

手綱だけは離すな

というのがあり、見てみると手綱を持ったまま落馬した場合は馬にぶら下がる格好になり、足から着地できる、と説明していました。

なるほど！

手綱は命綱なんですね。

これからは気をつけます。

迎えにきたスタッフさんも言ってましたが落馬はどんなにうまい人でも時々あることだそうです。なので、いかに安全に落ちるかに備えなければいけないんだな、と思いました。

スタッフさんの話によればエアバッグベストを着用するようになったのはほんの10年前くらいのことで、それまではマジで落馬して腰椎骨折とかあったらしいです😱

どんなスポーツでもリスクはあります。
今回落馬するまでは毎回いろんな馬に乗るのがただ楽しかったのですが、これからはやはりリスクを常に意識して乗ろうと思います。

気を失うって本当に怖い経験でした。

しかも

全然覚えてないのに、スタッフさんの話では落馬直後にわたしは聞かれたことにちゃんと答えていたそうなんです。

これってもっと怖くないですか？

答えていたのは一体誰なんだろう？

守護霊とかが一時的に入って答えてくれていたんだろうか？

謎です。