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大多喜地獄

2023年4月1日。
よく晴れた土曜日の朝。

新車で買ったスーパーカブを3時間走らせ、目的地に到着した。

スマッシュ・マウスの「All Star」がちょうど終わるタイミングだった。

ここは千葉県の大多喜町。
今日から僕はここでキャンプ場を作っていく。

複製したばっかの鍵だったので「ちゃんと開くかな」と心配しつつ、管理棟のドアを開けた。

...。

それが地獄のドアだったことに気づいたのはもう少し後のことだった。

キャンプ場の名は「大多喜天国」
2021年の4月〜12月まで一時的にオープンしていたキャンプ場です。

とある理由で運営を中断しており、その問題が解決するタイミングで僕が事業を引き継ぐことになりました。
(詳細は別の記事にまとめようと思います)

キャンプ場があるのは千葉県大多喜町の養老渓谷。
温泉、城、滝、自然があるTheイイところ。

紅葉の名所でもあり、12月末頃まで紅葉が楽しむことができ「関東一遅い紅葉」といわれています。

大多喜天国は、養老渓谷温泉郷を抜けて少しした道沿いにドンと現れます。

元々、棚田だったところなので地形は階段状。地主さんが植えたであろうサクラ、モミジ、カキ、クリ、ウメが点々と生え、敷地内中央には小さな神社が佇んでいます。

日本の田舎の要素を全部詰めたような、誰もが「懐かしい」と感じるような場所。

天然芝生サイトからの眺望

管理棟のドアを開ける瞬間はウキウキだったのを今でも鮮明覚えてます。

「こっから始まるんだ!」という気持ちでドアを開けると、、

ん?なんか臭い。

散らかってる室内に驚くより先に、まずは"臭い"に気を取られた。

めちゃめちゃ臭いわけでは無いけど、得体の知れない何かがどこかで腐ってるアノ臭い。

臭いの源はすぐに分かりました。

ドアを開けてすぐ左側に冷蔵庫があって、どうやら臭いはそこから生まれているらしい。

1年半ほったらかしの冷蔵庫。。

臭いの正体

家からここに着くまでの3時間の間に「あれやろう」「これやろう」と考えていた計画は早速崩れ去り、この目の前の緊急事態に時間を費やすことになりました。

何かが腐ってるのは確定だったので、まずは比較的安全そうな下段の冷凍庫から開けてみることにしました。

ちょっと突っかかりながらも無事にオープン。

中には溶け切った氷の大袋が2つと、血色の悪い鶏胸肉が入っていました。幸いにも鶏胸肉は真空パックに梱包されたもので、やや白っぽくなっているだけでした。

上段の冷蔵庫にヤツはいる。

ボスを目の前にして、一旦お茶を飲んで気持ちをセーブさせる。

...。

よし、セーブ完了。覚悟はできた!

いざ!ゆかん!

バッ!

ゥッッ...!!?

間違いなく24年間の中で1番強烈な臭いでした。

上手く形容できないのが悔しいですが、とにかくくっさい臭い。もうなんかメッチャクッサイ。

「腐敗」というより「進化」の方がしっくりくる。

そして、ボスは嗅覚からだけでなく、視覚からも僕を驚かせてきました。

冷蔵庫の中は「バイオハザード」と化していた。

バイオハザード発生

1番上の棚にあった"何か"が腐敗・爆発・進化したことにより、黒い液体が冷蔵庫内を満たし、さらに小ハエの死体と蛹が大量に散らばっていました。

どうしよ、、

扉を閉めて廃棄か、掃除して利用するか。

30秒悩んで「面倒くささは変わらない」という理由で後者を選択。

やろう。

爆発の跡

擦っても擦っても取れない汚れと、隙間から永遠と出てくる蛹に超苦戦。

完。

気づけば日が暮れ始めてました。

あれ、今日キャンプ場つくりに来たんだよなぁ?

まぁしょうがない。

こんな感じで今後も計画通りにいかない事が多くあるんだろうな〜と思った瞬間でした。

さて、ちょっと手でも洗うか〜と思い、仮設の手洗い場でゴシゴシしてると、、

ん?なんか足首に違和感。

お?

オォ??!!!

大多喜地獄"初日"は次回へと続く...

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