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らべあろミニ企画 〜クリスマスにまつわる三句〜

みなさん、こんばんは。
クリスマス、もうすぐなんですよね。
そんなこと・・・まるで私の生活には無関係で。笑

ラベさんが企画してくださった
クリスマスにまつわる三句
★楽しいクリスマス
★普通のクリスマス
★やっちまったクリスマス
さあ、詠もうと張り切りました。
結果
★楽しいクリスマス
★ホラーなクリスマス
★庶民のちょっとした贅沢なクリスマス
の三句になってしまったことを先にお詫び申し上げます。

拙い文章ではありますが、ストーリー仕立て(実話)にしてみましたので、年忘れに大笑いしていただけると幸いです。笑


これは随分前、まだ二十代のクリスマス。
まだクリスマスを待ち遠しく、楽しみにしていたころのお話です。

当時、付き合っていた彼から
「イブの日のスイスホテルおさえたで!!」
※スイスホテルとは南海なんば駅直通の五つ星ホテルです
という嬉しいお誘いがあり、仕事帰りに直接スイスホテルで待ち合わせという、巷のカップルのクリスマスを予定していました。

いそいそと仕事を切り上げ、待ち合わせのロビーに。
先にチェックインしてから、これまた予約していたフレンチのディナーに行こうと、エレベーターで上階へ。

部屋に入ると上品な設えの、とても夜空に近い素敵なお部屋。

★楽しいクリスマス

寒昴スイスホテルの二十五階

かんすばるすいすほてるのにじゅうごかい (字余り)


ささっとお化粧直しをして、レストランへ。
その日は予約で満席。どの席もみんな楽しそうに、幸せそうにテーブルを囲み、談笑の絶えないフロア。
私たちもスパークリングワインとおしゃれな前菜を前に、先にお互いのプレゼントを交換し、楽しく話をしていました。
彼はサッカーで大学に進学したほどの元サッカー少年。
私は会社のサッカークラブに在籍していたこともあるので、サッカーの話でいつも盛り上がります。

その時、ぽろっと彼が
「さやか、サッカーの話詳しいね。」
と言いました。
え、私の名前、さやかやったかな?笑

★ホラーなクリスマス

凍窓や空耳か誰が名を呼びぬ

いてまどやそらみみかたがなをよびぬ

・・・さやかって誰?
思わず聞き返したら目の前に顔面蒼白の彼が。
「あっ、あっあの・・実は彼女の名前がさやかで・・・。」
「へっ? 彼女って、彼女おるのん?
ほな、なんで私とこんなとこおるのん?
っていうか、付き合ってた、でな、私ら。」
「ごめん、さやかとも付き合ってる。」

「そうなん、だったらここにはさやかと来るべきやったな。
ほな帰るわ、お元気で。」

お店の人に、急用で私は退席せざるを得ないが、私の分も彼に食べてもらってください。とお詫びを伝え、颯爽とエレベーターに乗り込んだ。
無邪気に着飾った自分が、これまでなんの疑いも持たなかった自分が情けなかったけど、こんなことなかなかないで、と笑いが込み上げた。

エレベーターを降りて駅に向かう途中で、プレゼントをもらったまんまだったことに気づいた。
返しに行こうか、とも思ったけどめんどくさいのでやめた。
やめたけどこんなものいらない。
駅のゴミ箱に向かって放り投げた。
一発で入った。よし、帰ろう。

楽しいクリスマスを過ごすはずが、お腹も減ったしめちゃくちゃ寒い。
でもこれで良かった、ずっと嘘をつかれたままでいるよりは。
なんか疲れたな、ちょっとぐらい贅沢しよう。

★庶民のちょっとした贅沢なクリスマス

羚羊や今日は指定席で帰る

かもしかやきょうはしていせきでかえる

指定席、500円。笑
高島屋に寄って、おいしいものでも買えばよかった。

よく考えてみたらさんざんなクリスマスでしたが、結果オーライだと思う。
サンタさんが気を利かせてくれた失言だと思うことにした。
私の名前はアロハだよ。笑
そして今年もなんの予定もない、そんなクリスマス。
だけどしっかり、ちゃっかり、生きている。

裏切ったほうの痛みや冬の蝿

うらぎったほうのいたみやふゆのはえ

クリスマスが来ても思い出すこともなかったですが、こんなことあったなあと思い出しました。
今となっては恥ずかしい、ちょっと笑えるお話です。


ラベさーん。
四句になったけど許してね。

みなさんは楽しい、そして幸せなクリスマスになりますように。
メリークリスマス🎄













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