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100点を目指すより、所与の条件を変えることを目指したい

僕は決められた条件・環境下で最大限の結果を目指すことが比較的得意だ。というのは嘘で、真実は、「何が条件で何が自分の手の及ぶ範囲か」を無意識のうちに判断して手の及ぶ部分だけを最大化しようとする思考の癖がある。

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例えばマネジメント業務で言えば、今ここに集まったチームメンバーで、今使えるリソースを使って、どれだけいいプロダクト開発ができるかを考えようとする。「もっと時間があれば、もっと人がいれば」とは、思い返すとあまり考えたことがない。

それよりもここに集まったチームメンバーが100%の力を発揮して、その力がうまく作用し合うための工夫をしたい。工夫の余地があるうちは、所与の条件に文句をつける前にできる努力があると思うの。

ないもんねだりしてるほどヒマじゃねえ あるもんで最強の闘い方探ってくんだよ 一生な

これはアメフト漫画『アイシールド21』にて、弱小校を率いる蛭魔妖一のセリフで、僕の考え方の癖にすごく近い。もしかしたら子供の頃に出会ったこのセリフが心の奥底に根付いていたが故の思考癖なのかもしれない。

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翌々考えてみれば、僕がふりかえり好きなのはこの思考癖が背景にあるのかもしれない。僕のふりかえりは理想との差分を導き出すことで、その原動力は「所与の条件の中で最大限の成果を出したい」気持ちだ。言い換えると「自分に改善の余地が残っているうちは条件を言い訳しない」だ。

そんな考え方に基づいてこれまで勉強や仕事やゲームに臨んでいて、そんな自分に納得していたわけだけれど。
先日ふと、もしかしたらエンジニアリングマネジメントをする上ではこの思考癖を改める必要があるかもしれないと思った。

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言い尽くされていることだけれど、マネジメントは「なんとかする」仕事だ。見方を変えれば、目指す結果のために「なんでもする」仕事だ。もちろん法やモラルの範囲内で。

「なんでもする」の中には、所与の条件を変えることや闘う環境を変えることも含まれるはずだ。所与の条件下で成果を高めることが求められているのではなく、条件も何もかもが不確かな環境で確実に成果を上げることが求められているのだ。

だとしたら、意地でも条件に言い訳せず工夫を凝らして時間をかけて5点分高めるより、条件や闘う場を変えてコスパ良く20点分伸ばすほうが望まれる成果だという場面もある。むしろ多い気がする。

今まで時間や人が足りないと言わなかったのは「仕事量は常にリソースを上回るもの」という考え方をしていたからだけれど、視点を変えて「時間が増えたり人員が変わったりしたら何ができるか?」と考えてみたら、僕が取り得る選択肢は変わったかもしれない。

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"思考癖を改める"とはちょっと大げさに言い過ぎたけれど、「自分に改善の余地が残っているうちは条件を言い訳しない」と「条件や環境を変えることを視野に入れてコスパ良く高得点を目指す」とを両刀遣いする思考癖を身に着けていきたい。マネジメント3年目に突入してようやく、そんなことを考えるようになってきた。

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