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神田昌典の日経MJコラム 注目浴びた「クラブハウス」にみる終焉のはじまり

こんにちは!アルマ・クリエイション若手マーケッターの水落です!

この記事の掲載元である『日経MJ』は、日本経済新聞社が発行している消費と流通、マーケティング情報に特化した専門紙。

その中で神田昌典が、2017年より『未来にモテるマーケティング』というコラムを連載中です。

本日は、その中の『注目浴びた「クラブハウス」』というテーマの記事を紹介します。


注目浴びた「クラブハウス」 神田昌典

この1カ月、音声SNSのクラブハウスが急速に注目された。

「注目された」と過去形にしたのは理由がある。
クラブハウスの登場で、私はSNS活況時代の「終焉(しゅうえん)が始まった」と見ているからだ。

フェイスブックやツイッターなどのSNSが急成長を遂げた最大の理由は、
デジタル広告により顧客獲得が緻密に、数千円程度の少額からできるようになったからだ。

その結果、誰でも起業できるという社会変革を引き起こした。

しかし、このクラブハウスの登場は、SNSが成長期の終盤に入った合図だと考えている。
テレビCMが消えたわけではないように、もちろんSNSが消えるわけではない。

ただSNSが成熟期に近づき、プラス面よりもマイナス面が強調され始めた。
メールマーケティングが加速した結果、法規制がかかったのと同様に、SNSも社会的制約が入る可能性がある。

マイナス面とは何か?
それは「分断」だ。

世代間や収入別などの社会的分断が深刻化しているが、その要因のひとつにSNSの「つぶやき」がある。

アメリカでベストセラーになった「Chatter」という本によれば、
精神的安定性を保つには内面の声のコントロールが重要だという。

内面の声を言い換えれば、心のつぶやきだ。

通常、そのつぶやきはポジティブとネガティブがバランスを取り合う。

「自分は最高だ」と考えれば「そんなことはないし……」と自己ツッコミをするし、
「自分は落ちこぼれ……」となれば「いや、そんなことはない」とフォローする。

ところが、そのつぶやきがSNSで外に出た途端、大きな問題が起きた。
ネガティブの暴走がとまらなくなってしまったのだ。

「自分はこれだけキラキラ充実した人生を送っている」。自己アピールをしたい人はポジティブなつぶやきを繰り返す。
それを聞いた人は劣等感を抱え、「お前なんて大したことねえよ」と攻撃するようになる。

このネガティブスパイラルを加速させる要因が、
クラブハウスのコミュニケーション・ルールにあるのではないかと私は疑っている。

この点をはじめに指摘したのは、ある小学校の先生だった。
クラブハウスに参加し、かつてないほど自分がみじめに感じたという。

クラブハウスでは「俺たち選ばれし者が君たちに教えてあげる。ときどき俺らのステージに引き上げてあげる」
というように、より分断を広げる。
するとますます劣等感を刺激し、攻撃的な人を増やしてしまう。

さらに悪いのはアクセス数を稼ぐため、世にネガティブニュースが大量に流れていることだ。
結果、ネット全体がネガティブ思考のスパイラルに陥っていく。

急速に広がったブームは急速に終わるのが常だが、それはクラブハウスに限ったことではない。
今後、全てのSNSの功罪がクローズアップされるだろう。

そしてこれだけ本当のことがわからなくなると、人々は再びリアルの価値を発見することになるはずだ。
SNSの発信者は、表面的に見えるほど成功しているわけではないし、また幸福なわけでもない。

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神田昌典の日経MJコラム~注目浴びた「クラブハウス」~から見えてきた
SNSの光と影

いかがでしたか?今回の記事で神田昌典は、新しい音声タイプのSNSであるクラブハウスによって『SNSの活況期の終焉が始まった』という言葉で『SNSにある情報の危うさ』を提示しています。

これまでSNSは、離れた人とリアルタイムで手軽にコミュニケーションを取ることができるツールとして、社会の常識を大きく変えるほどいっきに普及してきました。

SNSが登場する前の連絡手段といえば電話か電子メールが一般的で、それらはどうしても手間やタイムラグという問題があったのです。

しかしSNSを使うことで、友だちに電話をするような感覚でトークのやりとりができたり、思いついたことを即座につぶやくことが可能になりました。

SNSの最大のメリットは、このように手軽で簡単に、いつでも目の前に相手がいるような感覚でやりとりができることなのです。

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交流の場を広げ情報を発信できるSNSのメリット

このように、SNSアプリは友人や知人といつでも繋がり、近況などを報告して情報を共有し合う「コミュニティ型の会員制サービス」として運用がスタートしました。

これはSNSに共通する最大のメリットです。SNSがあれば、普段連絡がとりにくい友人や知人と、あたりまえのように気軽に連絡を取り合うことができるからです。

そこには物理的な距離や時間も関係ありません。実際に、SNSで知り合った友だちを通じて交流の場を広げている方も多いのではないでしょうか。

また大きな災害時の情報発信には、SNSほど役に立つものはありませんでした。

実際に起きた震災や台風による災害など、SNSによってマスメディアや公共機関でカバーしきれなかった避難所の情報やSOSの発信など、リアルタイムで情報を共有することで多くの人々が救われたと記憶しています。

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デマや情報漏洩というSNSの闇

その一方で、SNSには悪質なデマが氾濫しやすいというデメリットもあります。

それはまさに諸刃の剣とも言え、災害時のような緊急時にデマが拡散されると非常に厄介で、悪質で悪意のあるデマが人々の生活に支障をきたすだけでなく、生命にも関わる大問題に発展することも十分に考えられます。

ほんの些細なつぶやきや、たった1枚の写真でも、SNSの投稿を安易に信用して善意の気持ちで拡散してしまうと、後からでは取り返しのつかないパニックを引き起こすこともあるのです。

SNSは非常に手軽であるため、情報漏洩しやすいというリスクも抱えています。

SNSという性格上、気軽に投稿してしまった情報によって、自分だけでなく家族や知人を危険にさらしてしまうリスクもあるのです。

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SNSによって起こる『分断』と『ネガティブスパイラル』

これまでにも、SNSはとかく個人攻撃のターゲットになりやすいというデメリットが指摘されてきました。

実際にSNSが普及するにつれて、直接本人と係わりのない第3者による個人攻撃が発端となって起こる痛ましい事件も散見されます。

SNS上では、発言や思想、政治、性的指向など様々なことを理由にして個人攻撃のターゲットにされるというリスクを排除できないのが現状です。 

また、その個人攻撃に自分も知らないうちに参加してしまうという可能性も否定できません。

SNSは、直接相手の顔が見えないので、悪意に満ちた言葉による攻撃を罪悪感なく出来るという残虐さがあるのです。

実際にとあるSNSの極秘実験において、無作為に選ばれたユーザーのニュースフィードを操作し、ポジティブな情報を増やしたユーザーと、ネガティブな投稿の表示を増やしたユーザーを比較するとどのような行動変化が起きるかという実験が行われました。

その結果、ポジティブな情報が増やされたユーザーはポジティブな投稿が増え、ネガティブな情報を増やされたユーザーにはネガティブな投稿が増えるという結果がハッキリと現れました。

そしてさらに、ネガティブな投稿ほど拡散されやすいという『ネガティブスパイラル』が起こることも分かりました。

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SNSに翻弄される群集心理

このように、意図的に情報操作が無かったとしても、個人の志向によって同じような思想信条をもつ人が集まりやすいのもSNSの特徴です。

この記事で神田が述べているように、ポジティブな投稿に対してネガティブな誹謗中傷が絶えないことも、いろいろなSNSで問題視されています。

このような傾向は非常に危険で、ネガティブな群集心理によって思想や世代による分断が起こるだけでなく、さらに大きな民族や国家間の紛争にも発展しかねません。

もしも、国家によるネガティブな情報操作がおこなわれたらどうなるか?
それに直結するのは戦争です。

実際に、言論統制が行われている国でもその国独自のSNSが普及している現在、そのような疑念があっても不思議ではないのです。

今後、このようなSNSの功罪がクローズアップされるなかでは、SNSに対する法整備が必要です。そして、再びリアルな情報に価値が見出される社会が訪れるでしょう。

そしてSNSから自由がなくなり、その魅力と信頼性が徐々に失われていくのではないでしょうか。


いかがでしたか?もしもあなたが、このnoteでアルマ・クリエイションや弊社代表の神田昌典について興味をもっていただいた方は、ぜひアルマ・クリエイション公式ホームページや、神田昌典公式ホームページを覗いてみてください!

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|アルマ・クリエイション株式会社
www.almacreations.jp


最後までお読みいただきありがとうございます。

それでは、また次回をおたのしみに!

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