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第二十九回「思い出話 しながら酒を飲もう」

先日、友達のバンド「ランタノイド」のワンマンライブを見に
神奈川県は藤沢にありますライブハウス”湘南bit”に足を運んだ。

藤沢に着くと駅の改札口には僕らの楽曲「陽炎が立つ」でギターを弾いてくれた8746と大塚がいた。
どうやら偶然、街で出会って一緒に飯に行った帰りに僕を迎えにきてくれたみたいだ。

8746と会うのも久々で「元気してっかー?」とかめちゃくちゃ普通な話をして歩いた。
彼はどうやらこの数ヶ月日本の各地に旅をしに行ってたらしくて
そこで起こった様々な出来事を一つ一つ楽しそうに話してくれた。

3人でコーヒーを飲んでライブハウス前の喫煙所でくだらない話をして
会場の中へと足を運んだ。
するとすぐに今夜の主役。ランタノイドのギターボーカルである佐々木直人が「コウヘイさんこの前はありがとうございましたー!」なんて声をかけてくれた。

ワンマンの2週間前くらいに直人は僕が所属してる事務所の番組がやっている番組に出演してくれたのだ。

「いやいや、こちらこそありがとうね。」なんて話しながら僕はスッとお金を差し出してこの日発売の彼らの新譜のアルバムを買った。
買わない理由なんてないし、やっぱりCDっていいなぁって思う。
もう古い文化かもしれない。だけど、知るか。
いいもんはいいのだ。それは世間や流行が決めることではなくて
僕のこころが決めるものなのだ。だから、買った。

ライブハウスの内装は彼らの気持ちがたくさんたくさん詰まっていて
直人目線の曲解説のチラシだったり、彼らが発行している新聞なんかが壁に貼ってあった。

彼らの登場を待ってる間。
いろんな人が僕に声をかけてくれた。
さかな日記のミアちゃんだったり、GOENDzのGOさんだったり
ZaLoudのニークラさんだったり、bitのスタッフでGOENDzのギターの神田さんだったり。
ちゃんと僕を覚えてくれてたことが。嬉しかった。

ニークラさんは「酔っ払いながら陽炎が立つを聞きましたけど、すげぇいい曲だなって思いました!」なぁんて言ってくれた。
アルマは酒に合うということを証明してくれた第一人者だ。

そうこうしていると会場は暗転してランタノイドが登場した。
一曲目に彼らが選んだのは"Eight Days A Week"
まさかのビートルズのカバーだった。

まさに彼ららしいなと思った。
その歌詞は日本語になっていて、しっかりとした愛があった。
その瞬間。この夜は確実に彼らのものになったんだなって思った。

今思えば友達のワンマンライブを見るの初めてかもということに気がついた。
曲が進んでお客さんの拳がどんどん上がって、満員のライブハウスの中で
コロナ前の”あのワクワクした感じ”が帰ってきた気がした。
やっているバンドはやっているのだ。しっかりと地に足をつけて。

ドラムの濱中さんは「コロナになってバンドやめようかと思ってたけど、やってて本当に良かったです」と言っていて、ベースの小林さんは目に涙を溜めていた。
そして、直人が優しくマイクに声を乗せてギターを弾いた。

本物とか偽物とかそんなことはどうでもよくて。
あの日。湘南bitにあったものが真実だった。

彼らと初めて会ったのもコロナが発生してその正体不明のウイルスに
今よりも僕らは怯えていた時だった。
そして、その時も湘南bitでライブをした。

それから、直人は僕らのMVに出てくれたり、一緒に大喜利大会に出たり
仲良く友達をした。

彼らのライブを見て自分の音楽との答え合わせもした。
彼らが何か大事なものを教えてくれたような気がしたのだ。

今度、彼らとプライベートで遊びたいなって本当に思った。
もっと彼らと友達になりたいなって。本気で思った。

そういう友達がいることが俺にはとっても大事なのだ。
わかるかな。きっとわかるよね。

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