家族って何?

誰に向けるわけではない。

自分の自我と尊厳のために吐き出すように書き出す。


"家族ってなんだよ?" 

年の瀬に辛辣な言葉を吐いた。

妹は腎臓が弱い、特に体内のカリウムの生成が他の人よりも圧倒的に少ないいわば隠れた難病だ。

その様態が急激に悪くなり、僕は家族の手が必要とのことで大学の卒業の折に東京を離れ地元に戻った。就活も決まったり、でも蹴って、彼女とは別れ...これも仕方ないことだって腹が決まっていなかったけれど、家族だから助けが必要だって母に懇願された。

いつ爆発するのかわからない時限爆弾に怯えながら、僕は時間を過ごしてこなくてはならなかった。仕事の類もフレキシブルに勤めながら気を遣い、気にかけていた。

実際、本当にその爆弾が破裂したときに自分には何ができるのかはわからないが、手のとどかない地から仮に知らせを受けることがあろうものならば、自責の念に追われているだろう。

可能な限り少しでも救える望みがあるのならばという願いのようなエゴのような、納得のできる理由を持っておきたかった。


その願いもあってか、特段大きな問題がなく、

そして、程なくして妹はお付き合いしていた方と結婚し、今年女の子が生まれた。

子供が生まれるまでにここには書き記せないほどの軋轢や衝突があった。それに、出産は奇跡のようなもので今後の心身の健康を保証し、担保するものでもない。

まだ依然として今も時限爆弾が刻一刻と進んでいるのかもしれない。

自分の体と心すらまともに扱うことができないのが実際のところだったから、僕はこの約1年赤ちゃんと妹のために奮闘してきたつもりだった。


ただ、僕のこんな気持ちや、母の僕への懇願は、妹夫婦には無下にされていた。

今日気づく。妹とその旦那さんにこう言われて...


"家族だから当然でしょ。"って。


今でもこの一言が虫唾が走る。

いつからか、当たり前にサポートがあることが前提で、不平不満ばかりを吐いて、自分の心と体が思うように制御できないことへの苛立ちを攻撃的な言葉に変え、時にはこれならば死んだほうがマシだ。とまで言われる始末。

まさに今日も、自分は常に被害者だと。自暴自棄に罵詈雑言をはいて...


題にあるけれど、僕は、家族は独立した個人の集合体だと思っている。

たとえ、両親であっても自分への行為や言葉基本的に伝わらないから、努めて密にコミュニケーションが必要であり、自助が前提のもとに施しには感謝を伝えるべきだと思っている。

それでなくては感謝を心からは思えないし、人の気持ちを無視して主張するエゴの塊になってしまう。


それでも、優しさは時に冷たく映るんだと強く思った。

なるべく妹が生きやすいように、陰から助けていたつもりで、一抹の少しでも生きて欲しいという思いでしかない。


「僕の行動はエゴか?母の願いはエゴか?


東京を離れ、過ごしてきた自分の時間ってなんだ?

どれもこれも、当たり前か?

自分の未来を捻じ曲げてでも救えたら...と思い、行動したこともすべて当たり前か?」


ここ最近ずっと葛藤があった。

"時限爆弾が爆発するその時まで静かに待ってるだけか?俺の未来、人生って誰のもんだ?" 

いずれにせよ後悔しかないようなT字路でウジウジしてアクセル踏めない意気地なしか?


 ガキの頃、友達を癌で亡くした。

自分の持てる時間は人によって決められてる。それがいつまでかはわかんない。そして使い切ってしまった時に"もっと〜しておけば"とか思うのが関の山なんだ。

身をもって知ってる死への接し方、割り切り方。

だから、納得させるための自分なりの訳を作っていたのかもしれない。

つまるとこ、妹には僕の優しさはエゴ。当たり前の行為で、時にはうざいもの。


家族でもそれが現実。


”家族だから当然”?...ふざけるな。

もちろん、妹の体が人よりも疲労感や倦怠感が強く育児も正直厳しいような中で家族を持つことを選択し、幸運にも支えられている人がいて今がある。


僕はその1ピースのようなもの。援助してあげられることを施すことしかできない。

それでも、僕の歩んできたこの数年を真っ向から心ない言葉で侮蔑されたことは家族であろうと許しがたい。

それを僕は言葉には伝えない。

すべて自分が悪者になっていた方が、妹の中で納得できるワケ足るから。


自分を押し殺して生きてるよ、当たり前の担保のために。


誰を恨むわけでもない、失望したんだ。


家族は基本的に心強い、でも時に残酷だよ。


だから乗り越えていくために努力が必要なんだと思ってんだよ。どれもこれも当たり前の代物なんかじゃねーし、愛とかそんな綺麗事ではなく、強かな強さと覚悟の土台なしに人の営みなんか担保されるべきではない。


自分を納得させる理由なんてどれもこれもエゴの線引きの内側でしかない。



あまりにやさしさがないか?


信じてたんだよ、伝わってるって。


でも救いの手を振りほどかれると、人の心なんて迷路だよ。


言葉も荒いし、きっと間違えてることも多いだろうが自分の心が保てない。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?