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#伊藤智彦
舞台の外の僕らと彼女——映画『HELLO WORLD』スピンオフ『ANOTHER WORLD』2話の演劇的三人称とその破れ
映画『HELLO WORLD』には、『ANOTHER WORLD』という珠玉のスピンオフ短編アニメがあります。配信が終わってしまい、公式サイト(Internet Archive)もなくなってしまった2023年現在ではBlu-rayスペシャル・エディションでしか視聴できないというハードルが高い映像ですが、各話わずか10分のこれがとんでもない傑作でして、特に2話「Record 2032」はカタガキナオミという登場人物を考えるうえで必見である、と事あることに言い続けて早4年。 「
映画『HELLO WORLD』ラストを本気で考察してみよう<後編>:「しっくりこない」を深掘りすると世界の在り方が見えてくる
<前編>はこちら/<中編>はこちら/この記事は「中編の続き」です (ネタバレあり)映画『HELLO WORLD』は、「ハイスピード青春ラブストーリー」と銘打っでいるだけあって、中盤から突然どんでん返しの応酬に翻弄され、特に衝撃のラストシーンは頭が混乱した方も多いのではないでしょうか(初見で全部理解できた方は誇りに思ってよいと思いますw)。しかしここからがこの映画の真骨頂、本当に楽しい部分のはじまりです。初見で「分かった気になる」タイプの映画では味わえない、考察の楽しみ、背伸
いつか京都マルイを幻視する日——映画作品における「失われた風景の記録と再現」、その真骨頂としての『HELLO WORLD』
(ネタバレあり)この記事は、映画『HELLO WORLD』の「クロニクル事業」に代表されるあるモチーフ、「失われた風景の記録と再現」を、昨今のいくつかのアニメ・実写映画に強引に見いだし、無理やり読み解いていくというと同時に「クロニクル事業」の意義を勢いのままに語る企画です。このモチーフを愛するあまり、あらゆる映画にその幻影を観てしまうイキリオタクの妄想力の成れの果てです。(2020年3月19日公開、2020年5月4日追記) 注意:この記事の解釈は、登場する作品に込められた意