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映画『HELLO WORLD』感想・考察一覧

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自分なりの考察や感想を思いつくままに書いていきます。あくまで一つの解釈ということで。
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#野﨑まど

[解説] 映画「HELLO WORLD」を1回見た人向けに簡単にポイントを解説してみるよ

(ネタバレあり)映画『HELLO WORLD』、1回見て「!?」となった人は結構多いのではないかと思います。しかしそこで終わってしまってはあまりにもったいない。結構観客に「背伸びを強いる」作品で、ガッツリSFなところもあるのでちょっとハードル高い部分もありますが、そこを乗り越えると本当に面白くなってくるんです。 この記事では、初見だとちょっとわかりにくい部分を自分なりに解説してみようと思います。 自分自身、3回くらい観てもまだわからなくて、原作とスピンオフと解説記事を読ん

映画『HELLO WORLD』界隈の「よくある(ニッチな)質問と回答」をちょっと作ってみたよ

映画『HELLO WORLD』が公開されて、早いものでもう5年になります。その間、劇場での上映機会は残念ながらほとんどなかったのですが、各種動画配信サービスやBlu-ray、DVD等であらたに本作に触れる方は確実に増えてきています。新鮮な感想を見るたびに一ファンの端くれとしても非常にうれしく思っています。 一方で、上映当時と比べて後から観た人はどうしても周辺情報が得られにくい、というのが悩ましい点です。Web上の情報の散逸や消滅も増えていますし、SNSでの盛り上がりもニッチ

拝啓、素敵なnoteありがとうございました——映画『HELLO WORLD』にまつわる勝手に往復書簡note的なやつ

(ネタバレ注意)先日、noteで映画『HELLO WORLD』に関する非常にすばらしい知的な論考を見つけました。kqckさんという方が書かれた記事です。 何しろ映画が公開されてもうすぐ4年なので、新鮮な感想に飢えていたところにこの熱量の高い記事を出されたら感激しかありません。大喜びで調子に乗ってめちゃくちゃ偉そうなツイートをしてしまいました。 そうしたらなんと、kqckさんからまるでお返事のようなnote記事を頂いてしまいました…!! しかもご自身のポッドキャストで『HE

我は記し留めゆかむ——映画『HELLO WORLD』における「書く」ことの意味

久しぶりに映画『HELLO WORLD』のことを書きたいと思う。この映画に頻出する「書く」というモチーフについて、映画が公開されて3年が経った今、あらためて考えてみたい。 頻出する「書く」モチーフと『ビジュアルガイド』の手書き寄稿『HELLO WORLD』という映画は、何かを「書く」モチーフが実に多い作品だと思う。デジタル全盛時代の話とは思えないほどに、とにかくみんな紙に文字を書きまくる。主人公は読書好きだけど、「読む」よりむしろ「書く」行為がやたらと出てくるし、作中で重要