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映画・アニメ・小説・ゲームの感想

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いろいろな映画・アニメ・小説・ゲームの感想を雑にまとめたものです。
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記事一覧

オーケイ、この宇宙は計算可能だ——『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の精緻な世界を無粋にも計算してみる

警告! この記事には小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のネタバレが大量に含まれている。 だから『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読了後に読んでほしい。ふだんなら「ネタバレを許容できる人だけ〜」という言い方をするのだが、今回ばかりは強く訴える。なにしろ原作が、ネタバレ厳禁なタイプの作品だからだ。 読んでない人は、まずは原作を読んでみてほしい。話はそれからだ。下のリンクをクリックするだけだ。 ちなみに映画版については、この記事の対象外だ。なにしろ、まだ「製作中」だから

そこにいるのは、原作の「魂」のたしかな継承——実写ドラマ版『走馬灯のセトリは考えておいて』の雑な感想

(ネタバレあり)「走馬灯のセトリは考えておいて」という小説があります。SF作家・柴田勝家先生(@qattuie)(こういうペンネームなのです!)の短編です。この作品が、2023年11月11日、フジテレビの土曜プレミアム『世にも奇妙な物語’23 秋の特別編』で、同名の実写ドラマとして放映されました。演出は岩田和行さん。多くのドラマを手がけてこられたベテランの方。脚本は嶋田うれ葉さん。こちらもNHKの朝ドラの脚本経験もある実力派です。 普段ドラマはほとんど見ない人間ですが、原作

映画『シン・ウルトラマン』『バブル』に登場する「宇宙を支配する数式」と、地球外知性に対する人類側のメンタリティ

(前半ネタバレなし、後半ネタバレあり) 映画『シン・ウルトラマン』と映画『バブル』に出てくるガチ数式が実は同じものっぽい、というネタを肴に、この2つの映画の似てるところ、違うところ、特に地球外知的生命のメンタリティあたりをゆるく語るだけの記事です。……いや、正直に書きましょう。noteの数式機能を使いたかっただけの記事ですw 実は、この記事を書き始めたのは実は2022年6月だったんですが、なんだかんだで書きかけのままほったらかしになっちゃってました。ですが、先日久しぶりに

信頼できない語り手たちの信頼できる狂気——『ミウ -skeleton in the closet-』を勝手に深読みしてみる

(ネタバレあり)乙野四方字先生の『ミウ -skeleton in the closet-』を読みました。 ライトなミステリ、といった風情の作品であり、実際そうなのだと思うんですが、『僕愛』『君愛』や『正解するマド』といった四方字先生の過去作品群を読んでしまっていると、もはやそのままライトに読めない自分がいるんですよね。何かギミックがあるのではないかと勝手に勘ぐってしまう。 作中ではある殺人事件が提示され、最終的に犯人とその犯行動機やトリックが鮮やかに曝かれて、物語はきれい

チャットAIの虚言癖を僕らは責められない——『know』が予言する、検索と一体化した知性の未来

ChatGPTなどのチャットAIの特徴である虚言癖について、SF小説『know』の観点から勝手に妄想したことを書いた記事です。『know』の世界設定については触れていますが、展開や結末のネタバレはありません。 なお、本記事は「チャットAIが嘘をつく理由やメカニズム」を考察したものではまったくありません。技術的詳細を知りたいのであれば例えば「人工知能 hallucination(幻覚)」をキーワードに調べてみて下さい。また著者はAIについてはまったくの素人です。AIに関する技

原作への敬意とガチSFに溢れた唯一無二の映画体験——『僕愛君愛』映画版が描くもう一組の並行世界の物語

2022年10月に公開された映画、『僕が愛したすべての君へ』と『君を愛したひとりの僕へ』。 先に原作小説を読んでいたのでドキドキしながら鑑賞しましたが、めちゃくちゃ良かったです! 小説の映像化にありがちなコレジャナイ感が皆無で、よくぞここまで原作の世界観を映画にしてくれた、というのが第一印象でした。プロット的には決して原作そのままの映像化ではなく、むしろ改変要素がかなりあるのですが、それすらも非常に納得の行くものと感じました。 原作小説についての記事は以前書いたので、今回

『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』関連リンク集

『僕愛君愛』関連(原作・映画)のリンク集です。公式サイト、インタビュー、イベントレポート、グッズ情報など、ほぼ自分のメモ用途ですが、何かの参考になれば。 抜け漏れがあったら教えてください! 公式サイトhttps://twitter.com/bokuai_movie https://twitter.com/kimiai_movie 公式動画本編映像のかなりの部分が公開されているので、円盤が出るまでの間もさみしくないですね!(でもなぜか番号が揃っていない…揃えると全編になっ

『僕愛君愛』ロケ地マップを作ってみました

『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』『僕が君の名前を呼ぶから』について、小説・映画にまたがったロケ地マップを勝手に作ってみました! 随時更新していきます。聖地巡礼のお供になれば幸いです。 https://www.google.com/maps/d/embed?mid=1G4kD0XbGYmk2TMpOOpvtkHrNxH9meWs&ehbc=2E312F&ll=33.252527791008845%2C131.59581168292098&z=12 作って

虚質科学を武器に、すべての世界を肯定したい——『僕が愛したすべての君へ』『君を愛したひとりの僕へ』を雑に解釈してみる

(前半ネタバレなし)どちらから読むべきか悩ましい『僕愛』と『君愛』。めっちゃエモい並行世界SFでした! 付け焼き刃で学んだ「虚質科学」を武器に、まずは原作だけ読んだ状態で語り散らかしたいと思います。 (追記:映画観ましたがすごくよかったです!本記事は映画の参考にもなるかもしれません。映画だけ観た方への注意点をこの記事に追記しました。また映画の感想は以下の記事に書いています↓) 自分なりに図や表を描いて解釈しようと試みていますが、全然自信がないので、他の方の考察もぜひ教えて

「バズり報告: めっちゃ面白いSF短編の紹介により、ツイートインプレッション数が11万件に激増した事象について」

バズり報告: めっちゃ面白いSF短編の紹介により、ツイートインプレッション数が11万件に激増した事象について 要旨  本稿は、とあるめっちゃ面白いSF短編小説を紹介するツイートを行ったことにより、いいねが1500件、RTが1122件(2022年8月30日現在)行われ、結果、当該ツイートのインプレッション数が11万件に至った事象についてをまとめたものである。  なお、元となった小説はそれ単体で以前からバズっており、当該ツイートの寄与は決して高くない。本稿は小説自体のバズりで

「ヒトの視点」から問い直す『正解するカド』の衝撃ラスト——オンエア5周年記念短編『カド -ゴ-』を読む

2017年に放映されたTVアニメ『正解するカド』。2022年6月末、オンエア5周年を記念して、後日談を描いた短編小説『カド -ゴ-』がFebri上で無料公開されました。本記事はこの小説と『カド』本編に対する雑な感想です。 「ゴ」——「五」、あるいは「後」の物語。『カド -ゴ-』の舞台は、現実世界と同様に本編から5年が経過した世界。つまり、2022年6月です。こういう、現実と作中の時間経過が同期してる作品が自分はめちゃくちゃ好きなのですが、自分はリアタイ勢ではなかったのでリア

「指揮される側」の切なさ——『ヘブンバーンズレッド』4章DAY0が突きつけるこのゲームのリアル(ネタバレあり)

『ヘブンバーンズレッド』(ヘブバン)4章をついにプレイ開始したんだけど、冒頭DAY0の時点でもう何か書かずにいられなくなってしまったので書かせてほしい。 当然、4章DAY0までのネタバレを含むので、未プレイの方はそっ閉じしてください。またDAY0までしかやってないので、DAY1以降を読んだら全部ひっくり返る可能性がある諸刃の剣なんだけど、そこはご了承を。DAY0読んだだけの状態で書くってどう考えても頭おかしいのだけど。そして、たぶん公式はこんなこと全然考えてないし、あくまで

Twitter以上note未満——いろんな作品のふせったー感想を整理してみた

映画やアニメ、ゲーム、小説の感想をつぶやきたいけどネタバレになるし140字では伝えきれない、とはいえnote記事はしっかり書くのに時間が掛かる、ということで最近はふせったーを「Twitter以上note未満」な感想置き場として活用しています。 雑でいいのでとにかく拙速にアウトプットしていくスタイル。そのなかであらためてちゃんとまとめたいなと思ったものをnoteに昇格させていく感じです。またnoteは完走後に書くパターンが多いのに対し、こちらは現在進行形でどんどん書いていく方

フィボナッチ数列から感じるガチめのSFマインド——映画『バブル』の雑な感想と幻聴

(ネタバレあり)鳴り物入りでネトフリ先行配信した映画『バブル』なんですが、ネトフリ先行組からは否定的な感想が、映画館組からは肯定的な感想が上がってきてて、なんだこれはどういうことだ?? と思って正直観るかどうか迷ってました。劇場で観ると化ける作品なのかな? お話よりパルクールや映像美が圧倒的なのかな? と。 しかし、どうも「フィボナッチ数列」が出てくるらしいとか『未知との遭遇』のオマージュとなる音階が出てくるらしいと聞いて、ガチSFの片鱗を嗅ぎ取りまして、レイトショーに足を