暁に果てるまで。
イエローモンキーが再集結した。
私は23年前に彼らの3rdアルバム「jaguar hard pain」を聴き、虜になり、ずっと追いかけてきた。母に「GS(母世代的にはこう呼ぶ)にハマると、婚期を逃す」と心配されるくらい、熱狂的だった。
当時、彼らはそのルックスから、ともすればヴィジュアル系にカテゴライズされがちであった。その頃のヴィジュアル系といえば、本格的なロックファンから蛇蝎の如く嫌われていたように思うし、ロッキングオンジャパンを愛読書とし、CD屋で働いていた私も毛嫌いしていた。
それなのに、私の大好きなバンドがヴィジュアル系にカテゴライズされているなんて、憤懣やる方無しであった。
(そういえば、同じ時期に売れていて某音楽プロデューサーが所属していた歌謡バンドとも同列に見做され、それにもうんざりしていた)
第1回目のフジロックに出演し、嵐の中、ファンのマナーの悪さと選曲で酷評を喰らったことは忘れもしない。
とにかく、イエローモンキーなんていうのは、ルックス重視の音楽の善し悪しなど判らない女子どもが聴くもんだ、的な風潮は何処かであった筈だ。
私もだんだんトーンダウンしていき、活動休止前のツアーにはとうとう行かなかった。
それでも、最期の東京ドームでの「JAM」は涙に暮れながら見届けた。
彼らがいなくなってからは、どんどん状況が変わってきた。イエローモンキーの影響を公言するアーティスト・バンドなどが登場し、トリビュートアルバムがリリースされ、それにより、ようやく彼らの音楽性が正当に評価されてきたように思う。
そのタイミングでの、復活。
今、ツアー真っ最中だ。
彼らの真骨頂であるライブパフォーマンスを再び体感することができる。解散後に聴き始めたファンには何よりのギフトだろう。
23年前に彼らと出会った私は、すっかりおばさんになったけれど、付き合いの長い顔馴染みのような気持ちで、7月のさいたまスーパーアリーナを静かにワクワクしながら待っている。
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