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『ミュージック・マガジン 2024年8月号』【特集:2000年代J-POPベスト・ソング】参加 + 2000~2009 Best Japanese Tracks 50

『ミュージック・マガジン 2024年8月号』(7/20発売)特集“2000年代J-POPベスト・ソング”の推薦者として参加しました。オリコンシングルチャートなどを基準に従った個人シングルリストを提出し、合算された総合リストからは1位と12位の選評を書きました。


もちろんデータがとてつもなく蓄積され、時空間の制約を超えてアクセスできる今、ある音楽と同時代を共有するというのがその時期を評する上で必ず必要な条件ではないでしょうが、多くの制限があるのもまた事実でしょう。僕は2000年代に日本語をちゃんとすることすらできませんでした。(厳密には2009年から約2年間日本に移住していましたが、半年近くはかなり苦労しました。)大衆音楽に耳を傾け始めたのはそれよりも時間が経ってからです。

尊敬する現地の評論家の方々と共にした総合リストで最も重要な席である「1位」の選定評を担当することになったのは、特に上記のような背景を持つ僕にとって大きな挑戦です。たぶん私が堅持する視線は現地で該当時期の大衆文化を積極的に経験した方とは明らかに違うところにあるでしょう。一方、僕の「J-Pop」経験はインターネット空間に浸透したサブカルに大きく依存します。リストでは、その軌跡が描いてきた現象を逆算するとともに、最大限多様なジャンルを収めようとし、選定評の作成においては、それが「J-Pop」という名前の下で重要に取り上げられるべき理由を導き出してみました。

余談ですが、本企画で「J-Pop」は事実上(言葉通り)「popularな」日本の大衆音楽を指すものとして使われましたが、私はジャンルとしての「Pop」と概念としての「Popular Music」を区分して見るとともに、よく「K-Pop」が指す区画の基準とも明らかに違うと見るところ、単語が指す範疇が現地の評論でもより明確に共有されてほしいという願いがあります。


2000~2009 Best Japanese Tracks 50

今回の企画で私が考慮した2000年代の日本大衆音楽トラックを共有します。
シングルカット及びチャート進入可否など雑誌で設定した基準と異なり、実際の提出及び合算されたリストとは無関係です。

  • 椎名林檎, 「浴室」 (2000.03.31)

  • Lily Chou-Chou, 「グライド」 (2000.04.19)

  • Spitz, 「ホタル」 (2000.04.26)

  • NITRO MICROPHONE UNDERGROUND, 「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」 (2000.10.07)

  • KIRINJI, 「エイリアンズ」 (2000.10.12)

  • ゆらゆら帝国, 「ゆらゆら帝国で考え中」 (2000.11.22)

  • Nujabes, 「Luv(sic.)」 (2001)

  • m-flo, 「come again」 (2001.01.17)

  • Quruli, 「ばらの花」 (2001.01.24)

  • BUMP OF CHICKEN, 「天体観測」 (2001.03.14)

  • 浜崎あゆみ, 「Endless Sorrow」 (2001.05.16)

  • Cornelius, 「DROP」 (2001.10.03)

  • SUPERCAR, 「YUMEGIWA LAST BOY」 (2001.11.21)

  • 宇多田ヒカル, 「traveling」 (2001.11.28)

  • Quruli, 「ワールズエンド・スーパーノヴァ」 (2002.02.20)

  • NUMBER GIRL, 「NUM-AMI-DABUTZ」 (2002.03.20)

  • King Giddra, 「UNSTOPPABLE」 (2002.04.10)

  • RIP SLYME, 「楽園ベイベー」 (2002.06.26)

  • BoA, 「VALENTI」 (2002.08.28)

  • 椎名林檎, 「茎 (STEM)」 (2003.01.22)

  • SOUL’d OUT, 「ウェカピポ」 (2003.01.22)

  • 中島美嘉, 「雪の華」 (2003.10.01)

  • Spitz, 「スターゲイザー」 (2004.01.21)

  • L'Arc~en~Ciel, 「READY STEADY GO」 (2004.02.04)

  • フジファブリック, 「陽炎」 (2004.07.14)

  • ASIAN KUNG-FU GENERATION, 「リライト」 (2004.08.04)

  • 東京事変, 「群青日和」 (2004.09.08)

  • 核P-MODEL, 「Big Brother」 (2004.10.07)

  • rei harakami, 「lust」 (2005.05.25)

  • ZEEBRA, 「Street Dreams」 (2005.06.01)

  • Nujabes, 「Luv(sic) Part 3」 (2005.11.11)

  • 平沢進, 「パレード」 (2006.02.02)

  • Perfume, 「エレクトロ・ワールド」 (2006.06.28)

  • Cornelius, 「Music」 (2006.08.23)

  • 相対性理論, 「LOVEずっきゅん」 (2007.06)

  • 銀杏BOYZ, 「あいどんわなだい」 (2007.08.22)

  • 宇多田ヒカル, 「Beautiful World」 (2007.08.29)

  • Perfume, 「ポリリズム」 (2007.09.12)

  • 大沢伸一, 「Our Song」 (2007.09.26)

  • ゆらゆら帝国, 「空洞です」 (2007.10.10)

  • フジファブリック, 「若者のすべて」 (2007.11.07)

  • cosMo@暴走P, 「初音ミクの消失」 (2007.11.08)

  • supercell (ryo), 「メルト」 (2007.12.31)

  • Perfume, 「love the world」 (2008.07.09)

  • Mr.Children, 「HANABI」 (2008.09.03)

  • Angela Aki, 「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」 (2008.09.17)

  • iroha (sasaki), 「炉心融解」 (2008.12.20)

  • 凛として時雨, 「moment A rhythm」 (2008.12.24)

  • doriko, 「ロミオとシンデレラ」 (2009.04.06)

  • 桜高軽音部, 「ふわふわ時間」 (2009.05.20)

  • fripSide, 「only my railgun」 (2009.11.04)

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