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あなたの知らない"SW3RVE"の世界〜今だからこそアイザイア"スワーヴ"スコットを振り返る〜

はじめまして

Forbidden Doorにてウィルオスプレイを相手にAEW世界王座を防衛したスワーヴストリックランド

そんな今の彼のブレイクを見て「WWEではうまくいかなかった」が「AEWで花開いた」という評価をされたくないと思い今回はこちらを書こうと決めました。

そんな彼のWWE時代について比較的短くやる予定ですが書いていきたいと思います
彼がAEW入りしてからに関しては他の人がきっとやってくれるでしょう

まずスワーヴって誰?って人はコレ見てください

ではやっていきましょう


WWEと契約

スコットは2019年の春にWWEと契約しパフォーマンスセンター(WWEのトレーニング施設)入りをしました

そんな彼と同時期にパフォーマンスセンター入りをしたのは新日本プロレス、TNAで現在活躍しているKUSHIDAと現在はベルト&サントスエスコバーとリガロデルファンタズマを組むエンジェルガーザです

そんな彼がTVデビューを果たしたのはNXTでした。

NXTブレイクアウトトーナメント参戦

NXTブレイクアウトトーナメント
これはNXTの新星達がトーナメントでしのぎを削る企画で優勝者には王座への挑戦権が与えられます。

参加者はこの面々です

新日本プロレスやアメリカの団体を見ている人にも馴染みのある顔が何人かいるでしょう
何名か紹介をしていきますね

デクスタールミス(左1)
以前はTNAでサムショー、サミュエルショーとして活躍。現在はワイアット6の一員

ホアキンワイルド(左2)
現在はドラゴンリー、レイミステリオらと共にLWOのメンバーとして活躍するホアキン。
彼は以前はTNAにてDJZという名前で活動していました。ツンツン髪にサングラスという風貌だったので初めて知った時はビックリしました。

ブロンソンリード(左中央)
見た目で分かるかと思いますが彼は現在RAWに所属する巨漢、日本ではTMDKのJONAH(旧ジョナロック)として知られていますね。

ジョーダンマイルス(右中央)
かつてROH、そして新日本プロレスではACHとして活躍したマイルス
彼がこのトーナメントの優勝者なのですが

キャメロングライムス(右3)
彼は先日WWEからリリースされたトレヴァーリーです。古くはPWGやTNAなどで戦い、26歳の若さでこのトーナメントにエントリーされました。
めちゃくちゃ若いんですよ、彼って

そして今回の主役アイザイア"スワーヴ"スコット(左3)もこのトーナメントにてNXTデビュー
トーナメント表はこのようになりました

彼の一回戦はキャメロングライムス
先述した通り若くして活躍してきたグライムスにEVOLVEやLUG(キルショット時代)など様々な団体を渡り歩いてきたスコットの見応え十分な試合が組まれました。

迎えたデビュー戦、さすが世界で一番濃いオタク達が集うフルセイル大学
試合序盤からWhose House? Swerve's House!のチャントが飛び交います

現在も使う前方回転フラットライナー、ハウスコールも見せますが最後はグライムスのバク宙スパニッシュフライからのゲイヴイン(スタンディングへのダブルフットストンプ)を喰らい一回戦敗退となりました。

その後のスコットはクルーザー級の番組の205 LIVEやNXTに出ながら好試合を何度も見せてきました。
彼が戦ってきた相手としてはロデリックストロング、ドミニクダイジャコヴィック(現ドノヴァンダイジャック)、ブロンソンリードなどと以前よりNXTを引っ張ってきた選手たちでしたが負けても評価をグングン上げていきました。


クルーザーの世界へ

そんな彼もついにチャンスを得ます。
NXTで行われたスコットvsリオラッシュvsタイラーブリーズの3WAYマッチを制してNXTvsNXT UKで行われたWORLDS COLLIDEに出場する事となりました

彼の試合はエンジェルガーザ、ジョーダンデヴリン(現JDマクドナ)、トラヴィスバンクスによるクルーザー級王座の4WAYマッチです。

トラヴィスバンクスに関してはここではあまり言及はしないでおきますね。彼は色々物議を醸す人なので

四者四様多彩な攻撃を見せ、各々が自分の持ち味を発揮する素晴らしい試合ですし、スワーヴにも劣らない実力を持っているガーザ、デヴリンはもっと注目を浴びてもいいなと今も思っております。
試合はスコットが王者のガーザのフィニッシャーであるウイングクリッパーを喰らい、その後はデヴリンに3カウントを取られ新王者を誕生させてしまったのです。

そうした中で205 LIVEでは勝てるけどNXTでは中々勝てないスコットに思わぬチャンスが訪れます

コロナウイルス流行に伴い、新王者ジョーダンデヴリンがイギリスからアメリカに来れない事でアメリカでもクルーザー級王者を決めるリーグ戦が行われる事となります

スコットは戸澤陽、エルイホデルファンタズマ、ジャックギャラハーと同じ組に振り分けられました。

無観客となって行われたリーグ戦
スコットは初戦の戸澤陽戦に臨むも敗北。
この試合ではお互いが高角度のスープレックスやブレインバスターを決めたり、観客がいない事を活かして広くリング外も使っていたので非常に見応えがあるものです

そして連敗すると突破がほぼ不可能となる第2戦
相手はこのリーグでデビューのファンタズマ
この選手はかなり重要な選手になってくるのですが、2人とも空中技を用いていく中で最後はファントムドライバーとJMLドライバーの駆け引きから丸め込みで勝利

突破には勝利が必須条件の最終戦はジェントルマン ジャックギャラハーが対戦相手
そこでスコットは惜しくも敗れてしまい王座戴冠のチャンスを逃してしまいました

そんな彼とこの頃抗争をしていた選手がいます。

現在はAEWにてプレミアアスリーツで活躍しているトニーニースです。
この試合はWWEネットワークで見れるのですがかなり長い時間試合をしててすごく見応えがあるので是非

そんな彼に新たなチャンスがおとずれます

当時ヒールとしてブーイングを受けていたジョニーガルガノとのビッグマッチでのシングルです
試合終盤ロープを使ったJMLドライバーからスワーヴストンプを狙うも場外に逃げられ、そのまま場外へスワーヴストンプを狙うも避けられて床に足を強打。
その隙を逃さないガルガノは場外リバースフランケンからワンファイナルビート(スリングショットDDT)で敗北
またしても大きな壁に阻まれてしまいました。

しかし彼には切り札がありました

当時のNXTクルーザー級王者サントスエスコバー

そう、彼はスコットが予選で戦ったエルイホデルファンタズマの正体です
※ファンタズマは戴冠後にマスクを脱ぎ、ホアキンワイルド&ラウルメンドーサと共にレガードデルファンタズマ(LDF)を結成

vsサントスエスコバー

そんなスコット、早くも行動に動きます

当時、タイラーブリーズ&ファンダンゴがLDFと抗争をしており、パートナーのファンダンゴが襲撃をされた事でサントスエスコバーvsタイラーブリーズのシングルマッチが組まれます

試合後も数的不利のブリーズ&ファンダンゴに襲いかかるLDF
そこに救出に現れたのがスコット

そんな彼らはNXT最大級のビッグマッチNXT TAKEOVER XXX直前に行われた特別回でストリートファイト形式の6人タッグ戦に挑みます

しかしここでは試合権利を持っていたと勘違いしたスコットが勝ちを決めかけるも実は相手に巻き込まれた際にタッチをしていたとして試合権利が認められず
そのままエスコバーにブリーズが敗北してしまい王者組からの勝利を取ることはできず

しかしまだスコット自身が負けた訳ではない

続くNXT TAKEOVERでは王座戦の機会を得るのです。
優勢に進め途中でメンドーサとワイルドの介入を受けるもアドニスが阻止
ハウスコールから450スプラッシュもカウント2
ダブルアームのシングルニーフェイスバスターで3カウントを喫する
名試合でしたがまたしても王座に届かず

しかしまだまだ炎は消えません。
その後に行われたアドニスvsジェイクアトラス戦に乱入したLDF、試合後に睨み合う彼らの助太刀にスコットが現れます。

その翌週にはLDFvsスコット&アドニス&アトラスが組まれます。
アトラスが側転DDTでエスコバーをKOする中でアドニスが敗北

きっかけをつかむために

ただその後は2ヶ月弱テレビ放送から離れ、復帰後もアトラスとプチ抗争したりアトラスとタッグでダスティローデス杯でMSK(fkaラスカルズ)と試合したりブロンソンリードと試合など出番はあるが点どまりで線に繋がらないものが多いスコット

そうした中でスコットは元北米王者のレオンラフとシングルが組まれます
そこではまさかの丸め込みで敗北
試合後握手を求めてきたレオンを強襲
コーナーへの投げ捨てデスバレーで明確にヒールターンしたことを周囲に示しました。
翌週も入場時のレオンを襲うなど激しさを増す2人の抗争

2人の戦いは王座に繋がる試合に持ち込まれます
ジョニーガルガノの持つ北米王座への挑戦権を決めるガントレットマッチ、バトルロイヤルを勝ち抜いた2人はそれぞれ1番目と2番目に出場する事となりました。
お気付きでしょうか?
このガントレットマッチ、ブロンソンリードにデクスタールミス、キャメロングライムスにアイザイア”スワーヴ”スコットと2019年のブレイクアウトトーナメントから4人も出場しているんですよ
約2年弱経って優勝者以外の大半は成功を収めているんですよね

また試合では入場時のレオンをスコットが襲撃
そのまま金で取引したキャメロングライムスと共にレオンを脱落させます。
そして最後の3人に残ったのはグライムス、スコット、ブロンソンリード。グライムスのタイツを掴み脱落させ最初の入場者ながら最後まで残ったスコット
相手は以前シングルマッチで2連敗を喫したリード
TSUNAMIスプラッシュを狙ったリードにコーナーへのハウスコールから場外への首投げ、450スプラッシュで一気に優勢となる
ハウスコール3連発もまだ返すリード
最後はパワーボムからビーチブレイク、TSUNAMIスプラッシュで圧殺
最後の最後で王座挑戦には届きませんでした

しかしスコットにはまだ倒さないといけない男がいる
そう、レオンラフです。
ビッグマッチ明けに当たったシングルマッチでは雪崩式パワーボムの体勢から頭をターンバックルへ叩きつけ、フラフラとなったレオンにJMLドライバーを決めてカウント3

お互いがお互いに完全決着を望み、フォールスカウントエニウェアマッチを挑みます。
この挑戦状を送った彼のスタジオ?にいる面々、とても重要になるので覚えておいてください。

迎えたエニウェアマッチ、スコットが優勢に進める中でレオンが工具箱攻撃で右足を狙い撃ち、スパナでサブミッションなどSHO(HoT)ですらやんないですよそんなん
試合終盤ツイストカッター連発で試合を決めようとする中AJフランシスと呼ばれる巨漢
そう、先程の映像で出ていた面々がスコットの救出に現れたのです
最後は彼らの力を借りJMLドライバーで3カウント

新たなる仲間 Hit Row

翌週彼は4人で作成していた新しい入場曲と共にHit Rowとして現れ、メッセージを送りました

彼らは精力的に動きます。
アドニス&トップドラが翌週にはデビュー戦で完勝。
試合後スコットはその日のメインイベントにて行われるジョニーガルガノvsブロンソンリードの北米王座戦の結果にかかわらず狙いを定めることを宣言しました。

迎えた6月、スコットは挑戦表明し即日王座戦のチャンスを得ます

ビッグマッチ直前に組まれたブロンソンリードとの北米王座戦
苦戦に陥る度にアドニス、ドラが介入を試みスコットを救出
最後はドラとアドニスを観客席に蹴散らしたリードへハウスコールからの450スプラッシュで3カウント
ブーイングに包まれ新王者が誕生したのでした。

王者となった彼にも関連したイベントが発生
そう、ブレイクアウトトーナメントです

この中では日本のファンに馴染みが深いのはイケメン二郎(fka黒潮イケメン二郎 現黒潮TOKYOジャパン)とトレイバクスター(右上2)ですかね
バクスターは今年のBOSJにてブレイククリスチャンとして参戦し名試合を何度もしてきた選手の為記憶に新しいかもしれません

またこのトーナメントでも同様に優勝者には王座への挑戦権が与えられます。
スコットも気を付けねばなりませんね

そして新王者スコットの前に新たな挑戦者が現れます
かつて自身の王座戴冠を阻止し続けた男、サントスエスコバーです
ドラ&アドニスの試合に介入しスコットもろとも襲撃

その翌週にはドラとアドニスがLDFのワイルド&メンドーサとタッグマッチで激突しますがサントスエスコバーの椅子攻撃から試合が終わり、その後もスコットが襲われてしまいます

ここでは仲間と協力し撃退も少しずつベビーターンが見えてきた様子ですね?
襲撃を繰り返すLDFに対して6人タッグでの全面戦争を仕掛けるHit Row
これまではB-FABのおかげで数的有利に物事を進めていたがLDFも仕掛けてきます

新たな女性メンバーであるエレクトラロペスの投入
これにより人数でイーブンになるだけでなく試合の流れすら変えてしまいました
なんとスコットがエスコバーに直接ピンフォール負け
2人の王座戦は時間の問題となったのです

NXT 2.0そしてメインロスターへ

9月14日放送の回から番組がNXT 2.0となり旧世代(黒金時代)と新世代(2.0)が入り交じった混沌とした番組となります

ロゴも今までの黒色や金色を基調としたものからカラフルに変わり、育成番組としての姿が強くなりつついったのです

そんな中で彼らに新たなるチャンスが訪れます

なんとドラフトにてスマックダウンに昇格
そんな中組まれたサントスエスコバーとの防衛戦
試合前に仲間をLDFに拉致されたスコットの救出に新世代の選手たちであるカーメロヘイスとトリックウィリアムスが現れるのです。

なぜ無関係なはずの彼らが現れたのか

なんとこのメロこそがブレイクアウトトーナメントの優勝者なのです
王座を防衛し満身創痍のスコットを襲い挑戦権を行使しその北米王座を強奪したのです。

その結果ドラフトでも指名されているスマックダウンでの活動に入っていきます
10月22日放送の回からスマックダウンデビュー

彼らにどんな事が待ち受けているのか大きく期待をされてのデビュー

11月12日の回ではジンダーマハルと何かあるのかなあと思っていたら何も起きなかったんですよ

WWEがスワーヴをリリースしたのです。
またここに出ているShane Thorneは現TMDKのシェインヘイストです。

なぜ解雇は発生したのか?

本来であればHit RowはまだまだWWEでやれる事はありました。
そこには2つ理由があります
1つはそれが2021年であったこと。2つはHHHの存在です

2021年、この頃のWWEはコロナウイルスの流行に伴いコストカットに出ていました。その影響をもろに受けた格好となります。
ただその対象に本来はHit Rowはならないであろう、NXTで結果を残してきた彼らにはまだチャンスがあるはずでした。
それが2つめのHHHという理由です。

スコットを大事に扱っていたHHH
彼は2021年の9月に心臓の手術を受けたことで仕事から離れていました
そんな中でWWEのかじを切るビンスマクマホン、彼にHit Rowが全然ハマらなかったのです。
現にHHHが実権を取り戻してからはHit Rowは復帰のオファーをかけられ、スコット以外の3人は復帰を果たしました

スコットは当時はキースリーと共にAEWで重宝されていたため復帰のオファーを断りましたがこのことからもWWE、そしてHHHはスコットの事を非常に高く評価していたのです。

彼のWWE時代を簡単ながら振り返っていきましたが序盤の善戦マンっぷりで評価を高め、中盤のクルーザー戦線、更に後半のHit Rowでの狂いっぷりとNXTでは大活躍していたんですよ
AEWでトップをとるための礎は間違いなくNXTでも作られていた
そんな彼の今後の物語を更に楽しんで見ていきたいなと思います。

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