見出し画像

ジョーカーはいつも自分を『被害者』だと思っている。

 ハロウィーン。京王線の無差別テロの加害者は「ジョーカー」だった。
 ババ抜きでは、敗者が「ジョーカー」である。
 ジョーカーの仮装をした若者は「死刑になりたかった」といった。
 社会から、親から、仕事から、人間関係から、属する世界すべてから「被害」を受けた。
 その復讐としてのテロ。
「被害者が加害者になる瞬間」。
 政治に騙されてはいけない、国に騙されてはいけない、陰謀に騙されてはいけない。
 真実を知ること! 目を覚ませ! 騙されるな! と他人の胸ぐらをつかむ。
 いつも「被害者ヅラ」をしている者たち。
 常に己は被害者であり、加害者を探し回っては、あいつは敵だと叫ぶ。
 不幸の手紙。
「これと同じ手紙を十人に送らなければ、あなたは不幸になります」。
 怯えた者は、知人に不幸の手紙を送る。チェーンメールも同じ。ネズミ講も同じ。
「被害者が加害者になる瞬間」。
「自分が幸福になるために、他の人を不幸にする」。
「悪意」よりやっかいな「無知の善意」の押し付け。
 そこにためらいはないのか。
「crab mentality」という言葉が英語にはある。
 バケツから出ようとした他のカニを、己のハサミで引きずり落とす、忌まわしい行動のことだ。
「悪人よりも怖いのが無知の善人」。
 いくら「深い言葉」を語っても、すべてが借り物。
 誰かの引用であったり、劣化コピーであったり。
 本人も理解していないので、浅はか、薄っぺら。
「真実に気づけ! 理解しろ!」と叫ぶ者たちよ。
 その行為は「復讐」だ。
 やるべきことは「革命」だ。
 被害者、加害者になるのではない。
 英雄になるのだ。
 世界を創造するのだ。
 なぁ、お前たち。
 いつまでジョーカーでいるつもりだ?
 ハロウィーンはもう終わったぜ。早くその仮装を脱げ。
「本当の自分」を世間に晒してみろ。

野良犬募金よりは有効に使わせて頂きます。