「#わたしのおすすめ本10選」、このハッシュタグ、ムズくね? その四。コロナに寄せて。
ちょうどコロナ禍だ。
言いたいことがたっぷりある。
「私のおすすめ、その四」はこれである。
「自殺よりはSEX」 村上龍著
ーーー
不安がない人は危機感を持つことができない。危機感は好奇心と結びついて、ときにその個人にとって重要な行動を起こす原動力になる。
ーーー
この本については、上のセンテンスだけで十分である。この一文だけですべてを理解するべきである。
この文章の意味は、危機感という概念も、好奇心という概念も持たない人間には絶対に理解できない。
私が常に苛立っている理由がそれだ。私は本当に日本が嫌いだということがよく分かったし、飢えた貧民が水分を欲するように、海外に出ることを求めている。
私が日本に帰国してすぐ、全世界が新型コロナに覆われた。
そして「日本人の危機感のなさ」が顕になった。
私の以下のFacebook、Instagramの投稿は「2020年1月26日」である。
まだクルーズ船での大量感染も発覚しておらず、世間が春節やオリンピックムードに浮かれていた頃。欧州、アメリカ大陸からも一人も感染者は報告されていない。
日本国内の新型コロナ感染者数が「わずか一人だけ」だった頃。「コロナ」という名称もなく、「新型肺炎」と呼ばれていた頃。
私は殺意にも似た感情を伴いながら、危機を警告し続けていた。
どうせ日和った日本人には伝わりはしないという気持ちを抱えながら。まったく周囲には理解されなかったが、私には今日の日本の、今の世界の情景がすでに見えていた。それは予言や予想ではなく、私の持つ情報と経験をつなぎ合わせ、当然の行く末としての事実だった。
この時点で、オリンピックの延期、緊急事態宣言の発令、世界中の国境が閉じられるなど、日本人のほぼすべては予想も出来ていなかったし、周囲の誰も私の警告を理解することはなかった。
「無知」を目の前にして、私は絶望した。
どんなに激しく警鐘を鳴らしても、「正常性バイアス」に絡め取られてまったく不安がらず、危機感を持たない。県内はまだ少ない、身近に感染者はいない、テレビではあと二週間で収まると言っていた、と変わらない日常を送る。彼らは「偉い人が言っていた」とすぐに終息すると信じ込んでいたが、何も終わってはいない。まだこれから始まろうとしている。
危機感は情報の多寡に左右され、情報を持たざる者は危機感を感じることはない。そして地獄への先導者となり、愚か者を引き連れて決死の行軍を始める。
「村上龍」。
彼は危機をテーマにした作品を多く書いている。私はそういった「危機感の強い人間」を信用するし、逆を言えば「情報を持たない人間、危機感を持たない人間」とは出来る限り関わり合いになりたくない。
信頼に値する日本の作家として、村上龍は絶対的な地位を確立している。
この日本では稀代なジーニアスな作家である。
一つご報告がある。
私はここのところずっと頭痛が続いていた。
遂に私もコロったか、と観念していた。
安心して下さい。診断結果をお伝えします。
「ストレスによる、歯ぎしりのしすぎ」。
私がどれだけバカにイラだっているか、お分かりいただけるだろうか。
野良犬募金よりは有効に使わせて頂きます。