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サックスアンサンブルにおけるビブラートについて
アラインです。よろしくお願いします。
今回は動画ではなくビブラートについて考えていることを文章に起こしてみながら自分の頭の中を整理したいなと思います。
1 はじめに
タイトルにわざわざ「サックスアンサンブルにおける」とつけたのは、ソロ曲を吹くときとは分けて考えたいという意味です。(が、そんなに明確な内容になってないかもしれません…)
1人アンサンブルを40曲以上やってきて、すべてのパートを経験した中で何となく感じている事を書きます。僕はあくまで趣味のアマチュアサックス吹きなので高尚な事は専門家の先生に任せます。
2 私のビブラート経験について
世のサックス吹きの皆さんはどうやってビブラートを習得したんでしょう。僕は部活の先輩から教わったのと、須川さんのスケールブック(きっとみんな持ってると思うから伝わるよね…?)のビブラートのところを熟読して練習しました。
アンブシュアで音程をコントロールして波を発生させるのがビブラートと認識しています。(レッスンに通っていたときに師匠が声帯が云々と言われていたけど、よく分からずスルーしてしまいました😅)
サックスを初めて割と早い段階で教わったので、ビブラートは常にそばにあるもので、深く意味を考えずに何となく音楽経験を重ねてきました。
ある時、同門の先輩と長生淳作曲の「天国の月」を聴いてて『この伸ばし、あえてノンビブラートなのがカッコいいよね!』っていう話になりました。その時、ハッとしたのを覚えています。ノンビブラートの美学ともいうべきか、何でもかんでも考えなしにビブラートかけていた自分を振り返るきっかけになったと思います。
3 パート別ビブラートの扱い
※注意※ここからの文章のリンクはすべて私の演奏動画に飛びますので、良かったら聴いてみて下さい😉
さて、ここからパートごとにどんなことを考えながらビブラートをかけているのかを整理していきたいなと思います。
まず、演奏動画を作ってて明確にビブラートを意識しはじめたのは「スーン」という曲の時でした。三楽章にソプラノが一人語りのように朗々とメロディーを吹くところがあるんですが、なんかしっくりこなくて。それまでは何となく考えて、何となくやっていたことを、どの音にビブラートかけるかをはっきり決めて練習しました。
前置きばっかり膨らむので本題に入りましょう😅
3.1 バリトンサックス
バリトンではほとんどビブラートかけていません。9割くらいノンビブラートです。メロディーのときだけ。
コードを吹くときも他パートはビブラートしててもバリトンはしません。明確な理由はないのですが、何となくベースラインがふわふわするのはイヤだなと感じるのと、そこまでの演奏効果は期待できない気がすると思っています。するとしたら「ここは決めの音!」っていうところです。(「彼方の光」の最後のロングトーンはそんな感じです。)
もちろん、サックス四重奏+ピアノみたいな曲(「COSMOS」がその例になります。)になると、ベースの役割の一部がピアノにお任せできるのでピアノが入るとビブラートも少し積極的に使うようになります。
バリトンはまっすぐ音をのばすことが何よりも大事だと思います。小細工なしでブリッと吹きたい!
3.2 テナーサックス
テナーはバリトンよりかはビブラートしていますが、波の大きさは(音程のふれ幅)はかなり控え目にしています。アルトと一緒になることが多いんですが、アルトが10くらいのふれ幅でビブラートしているとしたらテナーは3~5くらいの感覚です。
これも明確な根拠はないんですが、僕の場合テナーが一番経験が無くて、他の楽器に比べてコントロール仕切れていないと思っています。よく聴くと音程もそんなに良くないので、そんな定まらない音程感のところにビブラートなんかして揺らしたらひどいことになるって思っています。
メロディーを受け持つときはそんな事気にせず全力です。それはバリトンも同じです。あくまで、アルトやソプラノと一緒になるときは控えめに、支えるような立ち位置で演奏しています。
それに、テナーとかバリトンはまっすぐ朗々と吹くときが一番魅力的な音がすると思っているのもビブラートをそんなにしない理由かもしれません。
3.3 アルトサックス
一番経験の長い楽器です。それ故にまったく意識せず気の向くままにビブラートをしていたり、4種類の中で一番コントロールもできているっていうのもあって、ビブラートで悩むことが少ない楽器でもあります。
ただ、ソプラノと一緒になるときはソプラノと同じかそれよりもほんの少し控え目に、テナーと一緒になるときはテナーよりも前に出て、というイメージです。
話は変わりますが、アルトでメロディー吹いててビブラートが悩ましいなと思うのはジャズとかポップスを吹くときで、なんか、しっくりこないなと感じているのはビブラートが原因なのかなと思っています。「Higgledy-Piggledy」を吹いたときのアルトの”こうじゃない感”が今でも気になっています…😅
3.4 ソプラノサックス
これが一番気を使うパートです。先述の「スーン」を演奏して以来、ソプラノを吹くときはどこでビブラートしようかなと感覚に頼りすぎることなく決めて吹いています。
例えば、フレーズの最後のロングトーンはするけど、フレーズ途中の四分音符とか少し長めな音はあえてしないところをつくったりとか。何となくの自分の基準はあるんですが言葉にしづらい…。
ただ、ソプラノのビブラートは印象を与える力が強いと思うので、ここぞという時には伴奏や裏メロであっても全力でビブラートするときもあったりします。「かけがえのない」の転調したところとかはアルトの裏だけど存在感を出そうとしています。
4 おわりに
総じて、いろいろ考えながら吹いてるつもりでも意外と何も考えてないというか、感覚に任せてることが多いなと感じました。
ビブラートしているからいい音とか、していないのは棒吹きでダメとかそんな話ではなくて、「ご利用は計画的に」という内容だったかなと思います。
ビブラートはサックス吹きであれば切っても切れない奏法だと思います。それゆえに惰性で吹いてしまわないように気を付けていきたいなと自戒の念を込めて書いてみました。
ちなみに…これを書こうと思ったときは色々考えてたんですが、下書き保存していた期間が長くて(3ヵ月くらい?)、その当時の熱量も下がった状態で途中から書いてしまいました…。
こんな記事でもネットの海をさまよって誰かがたまたま読んでみて何かを感じ取ってもらえたら嬉しいです。瓶に詰めた手紙を海に放つ感覚で閉じようと思います。
というわけで、今回はここまで🎷