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創世のヴィクトリア 第2話

[第2話] CRIMSON ARROW

[回想]
暁人『幼い頃の記憶はない…、俺は自分を知らない…』
『ただ声が聞こえる』

「楓を頼む…」

『その声に従うように俺は…理由もなく楓に惹かれていたのかもしれない…』
『それでもいい…たぶん、それが俺だから…』

・荒野の戦いに戻る

・ライトニングの大振りパンチを、またもやギリギリで回避する暁人
・カウンターの斬撃を与えるが、ライトニングの皮膚が分厚くダメージが浅い

暁人「くっ…斬れない!」

・葵の武器は弓の役割もある
・葵はライトニングに向けて紅い光矢を放つが弾かれる

ルナ「うわぁ硬いねアイツ!」

葵『矢を弾くか…予想通りライトニングは金剛タイプ…………なら…』

・ライトニングは先程より早い速度のラッシュとアッパーを繰り出し、暁人にヒット!
・暁人はエグゼでガードしつつも上に吹っ飛ぶ
・葵はキューブを使用する
・キューブには「連」の文字

機械音声「ブレイズ」

・葵の放つ矢が直線上に数百へ分裂、ライトニングを襲う
・ライトニングはガードしつつも、10mほど後退する
・ライトニングは肉体を少し膨張させ、体に刺さった矢を上空に吹き飛ばす
・上に吹っ飛んでいた暁人は、焦りながらも飛んで来た矢を連撃で弾く
・急降下した暁人は、ライトニングの胴体に先程よりも深い斬撃を入れる
・ライトニングは少し驚いた様子でニヤける

葵『…来宮 暁人、初の実戦で…しかも創衣を着用していないのに、この戦闘力…大した奴だ…』

・戦闘の中、忘れ去られていたジードは、地面に頭が刺さった状態でじっとしていた

ジード『…うん、このまま死んだフリしていれば、オイラきっと助かるネ!ラッキー!』
・瞬間、暁人が弾いた矢が大量に降ってくる

ジード「ギニャーーー!」
・パニックで暴れ、やっと頭が抜ける
ジード「…あ、抜けた」

・ジードが顔を上げると、隙だらけの葵の後ろ姿が見える
ジード「キラン!隙ありネーー!」

・ジードは指を尖らせ葵を襲うが、あっさり回避される

葵「油断していると思ったか?」
機械音声「ディフュージョン」

葵「蜂の巣だ」

・葵は「散」のキューブを砕くと矢を上空に放つ
・その矢は上空で広範囲に分裂しジードを襲う

ジード「ギギギニャーーーー!」

・一撃でボロボロになるジード

ジード「ぐ…やっぱり…この女嫌いネ…」

葵「お前はそこでじっとしていろ」

機械音声「プリズン」
・「牢」のキューブで放たれた矢は速度が遅いものの、ジードを追尾する

ジード「ゲゲっ!追いかけてくるのかネ!?いやぁーーーー」
・ジードとプリズンの追いかけっこが始まる

ルナ「アハハハ!逃げろ逃げろぉ」

・一方、ライトニングと暁人は攻防を繰り返す

暁人「ぐっ…少しずつ追い詰められる…勢いだけじゃ勝てないか!」

ライト「その姿でよく動く…遊びには丁度いい相手だ…」

・暁人はその言葉に反応する

暁人「遊びじゃ!…ぐっ…」
・ライトニングのパンチが顎に入り、膝から落ちる暁人

葵「…………やはり無理か」
・葵は周囲に見えないように指を動かしている

ジード「うわぁーーーライト様パース!」
ライト「!?」
・ジードを追っていたプリズンがライトニングに命中し、矢に留まっていた鎖の束がライトニングを縛り付ける

ライト「なにっ!?ジード!貴様何をしている!」

葵「よっし…成功…」
・葵はプリズンを操作し、最初からライトニングに当てるつもりでいた

暁人「……うっ…なんだこれ…すげぇ」

ジード「ごめんよ!ごめんよ!ライト様ぁーー」
「………でも、油断したのは…ライト様ネ…」

ルナ「葵ちゃん、チャンスだよ!」

葵「あぁ…来宮 暁人!充分だ!」
・葵はキューブを生成
葵「まとめて仕留める…今すぐ飛べ!」

暁人・「!!!?」
『飛べって…膝がまだ…』

ライト「ぬぅ…この鎖…外れぬ…」
・万力を込めるが鎖を外せないライトニング

機械音声「フルバースト」
・葵は「極」のキューブを砕く
・葵の周囲には紅いオーラの孔雀が出現
・その孔雀のオーラは葵の矢に集まり、紅く巨大な矢に変化

暁人「ぬぉー動けぇー!」
・暁人は全力で上に飛ぶ

ジード「ライト様!」
・ジードはライトニングの盾になり、葵の矢を防ごうとする

ルナ「強く愚かな者よ…」
葵「紅蓮の波動を喰らうがいい…」
葵andルナ「ブレイジングストーム!」

暁人「!!!」
・上空に飛んだ暁人は、葵から放たれた波動を上から見下ろす

・波動がライトニングとジードを襲う
ライト「ぬぉあーーーーー!」
ジード「……………」

・数秒後、山を一つ抉ぐる程の波動は落ち着き、暁人は着地

暁人「…すげぇ…」

エグゼ「初期データのダウンロード完了」
「いけるぞ!あっきー!」
暁人「遅ぇーわ!!もう終わったっつーの!」

エグゼ「えーーっ!?そうなの!?」

・葵は無言で楓が朽ちた砂の元へ

葵「…楓…」
・膝をつく葵
葵「…そんな…なんでアナタが…」

・暁人も葵の近くに向かう

暁人「…すまない…俺の…」
「俺のせいだ…俺が…」

・葵は暁人の胸ぐらを掴み激昂する
葵「楓は!アナタを巻き込みたくなかったから…!」「アナタを…!死なせたくなかったから………なのに…」

暁人「………ごめん…」

葵「………………」「戦って…」

暁人「…?」

葵「VEGAの力を解放すれば、まだ楓を救える…」

暁人「!!!!本当か!?」

葵「私たちキッドの目的は、エボルを殺しまくって、その魂をVEGAに喰わせる」
「それによって最終段階まで成長したVEGAは、開放時のエネルギーで新たな生命を生み出す」

暁人「!!!…なんだそれ!そんな事が出来るのか!?」

葵「できるよ…もう何度も、何年もやってきた」

暁人「……何年も?」

葵「楓の命はアナタに託すわ…」
「たとえアナタが死ぬことになっても…」

暁人『…楓…』
・暁人はエグゼを見つめる

暁人「はっ!…さっきの奴らは!?エボルの魂が…何とかって…」

葵「…逃げられたよ…」
「あのタイミングで、どうやったのか分からないけど…」

暁人「えっ!?」

・荒野から遥か遠くの廃墟でライトニングとジードは傷を癒していた

ライト「はぁ…はぁ…」

ジード「だ、大丈夫なのネ?ライト様…」

・ライトニングは横腹が抉られ大量に出血している

ライト「ここまで深傷を負ったのは久しぶりだな…時間はかかるが…」
「それにあの女も喰い損ねた…」
「あのハンター共…次は手加減せぬ…」

ジード「………」

ライト「時にジードよ…お前がこんな力を持っていたとは、知らなかったぞ」

ジード「はい…一度使うと数100日は使えませんが、オイラはどんな状況でも空間を捻じ曲げて別の空間に逃げる事ができるネ」

ライト「逃走専用の力か…ふっ、お前らしいな」
「まぁ私を囮に使ったお仕置きは後だ、ひとまず休む…」

ジード「…………」
「ライト様…知っていますか?」

ライト「…?なんだ?」

ジード「オイラ達エボルの強さのランク…」
「フェーズを上げるには、ゲートを使って良質な人間の魂を喰らう事と…もう一つ」

ジード「エボルはエボルを喰ってもフェーズを上げる事ができるネ…」

ライト「……そうだが…何が言いたい?ジード」

・ピリつく空気感

ジード「そう…油断したのはライト様なのネ…」

・ジードはライトニングの飲み込まんとする程、大きく口を開き始める

ライト「!?…ジード!!貴様っ!」

ジード「安心して下さいネ、ライト様の意思はオイラが引き継ぎます…」

・ジードがライトニングを丸呑みしていく

ライト「や、やめろ!!同族喰いは重罪だぞ!すぐに五大天皇に手配されてお前は消される!分かっているのか!!?」

・ライトニングに抗う力は残っておらず、ジードに飲み込まれていく

ライト「やめろぉーーーーー!」

・廃墟では、ジードがライトニングを咀嚼する音が響き渡る

ジード「ごちそうさまです…♡」
「オイラは死なない…絶対に…」

・廃墟の壁に映るジードの影がライトニングの肉体のように大きくなっていく

「さよならライト様…」
「永遠にオイラの中で……♡」

第3話へ続く

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