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バタフライエフェクト

地方の私鉄に乗るとまだまだ古い車両が走っているものだ。 当時は通学で乗っていたのでだいたい決まった時間、だいたい同じ車両だ。 したがって、昭和製の古めかしい車両に毎日乗っていたのである。 ふとドアの上の方へ目をやると、脇にボタンボックス。小さな赤いボタンが付いている。 ボタンというものはなぜかだか押したくなる衝動に駆られるものである。 とはいえ、公共交通。何かあったら大変だ。 毎日毎日、何のボタンか想像しつつ耐える日々である。 毎朝決まった時間にやってくる葛藤。 日々私の中

    • 夏の終わりに

      この季節になると「真鶴」を思い出す。 とは言っても真鶴にそんなに思い出があるわけではなく。。。 7年くらい前だろうか、ビジネス街を歩いていて、 ふと「夏の終わりの真鶴」という言葉が浮かんできた。 まだ、真鶴には行ったことがなかった。 ただ、無性に郷愁やら切なさやらを感じさせる言葉で、 その瞬間から今でも心にグッとくるものがある。 さっそくその年の夏の終わりに真鶴に行ってみた。 想像通りに褪せた港町であった。 この褪せた感がまだ終わりを見せない陽光に溶け込み、 移ろいゆく

      • 北と 南と

        なぜか多くの人は「北」と「南」では南に好感を持ってしまう。 北フランスという響きよりは南フランス。 北青山という響きよりは南青山。 そうこれは実際にというよりは、響きにそう感じてしまうような気がする。 なぜだろう。。。 南には暖かで開放的なイメージがあったり、北には少し淋しげな感じがしたり。 とはいえ、北欧と聞くとおしゃれでセンスを感じるイメージであるのだが、 南欧と聞くとなぜかそれだけで美味しそうである。 北も良いが、やっぱり南は好感度に隙がない。 文明以前の人類にとっ

        • 切なくも 温かくも

          少し遅く帰ってきて、寝る前の母とばったり。 「ご飯、のこりお茶碗によそってあるから」と言われ、 冷蔵庫を開けても見つからず。 ふと、炊飯器を開けると、そこにはご飯がもられたお茶碗が保温されていた。 優しさとは、永く人の心に残るのだろう。 今もたまに思い出す。

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