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【VR作品紹介】旧ライトニング・モノガタリ集会 総集編 -後篇-

◆「ライトニング・モノガタリ集会」とは?

 皆さんこんにちは、A-Literary Works.(エーリテラリー・ワークス)です。今回は2023年に実施した「ライトニング・モノガタリ集会」というイベントについて振り返ろうと思います。こちらは2024年現在実施中の「モノガタリ交流会」の前身企画となりまして、内容は殆ど同じ、VRChatを舞台とした創作PR会となります。

 前回に引き続き、以下では2023年11月に実施した「第2回 ライトニング・モノガタリ集会」について紹介します。

◇第2回 ライトニング・モノガタリ集会振り返り

 2023年11月に実施した第2回 ライトニング・モノガタリ集会(LM集会)では総勢18名の方に参加して頂きました。第2回は形式上、A-Literary Works.によるイベントとして実施しました。また第2回はFM言ノ葉様の主催するイベント「VR読書週間2023」における企画の一つとして開催しました(ちなみにそのポスターは沈黙が描きました)。約半年ぶりの振り返りで恐縮ですが、以下に各自の作品紹介について簡単に振り返ろうと思います。

【No.1】賽ノ目ヤブ子さん「性別、年齢、常識を超えて現実には出来ない「体験」が叶う それが「VR世界」っ!」

 お一人目の発表者は賽ノ目ヤブ子さん(https://twitter.com/Yabuko_Sainome)になります。賽ノ目ヤブ子さんの発表テーマは「性別、年齢、常識を超えて現実には出来ない「体験」が叶う それが「VR世界」っ!」となり、VRChatの日々を描いた漫画を複数点紹介して頂きました。「まんがVRC日記」第75話ではイケメンのフレンドに対して「女子堕ち」するなど、ヤブ子さんの体験が赤裸々に描かれています。また超絶独創的なタッチによるイラストも描かれており、定期的にミュージアムなども開催されているので、是非その傑作の数々をご覧頂きたいです。

【No.2】ピコス山本さん「VRCクソ漫画とは?」

 続いての発表者はピコス山本さん(https://twitter.com/tpz1fukusu)になります。ピコス山本さんの発表テーマは「VRCクソ漫画とは?」となり、普段投稿されている「VRCクソ漫画」の背景や「読者を無碍にしたり、自分がなんとも思っていないことは描かない」という創作家の矜持について語って頂きました。ピコスさんは成人向けの描写や全方位攻撃的な刃が多分に含まれる作風ですが、その裏にある作画力の高さや一捻りある世界観の設定は他に類を見ず、もっと評価されるべきクリエイターの一人です。

【No.3】黒崎こぎんさん「ちっちゃいケモ耳娘との付き合い方」

 お次の発表者は黒崎こぎんさん(https://twitter.com/kurokogin)になります。黒崎こぎんさんの作品「ちっちゃいケモ耳娘との付き合い方」は、中年の冴えないおじさんと偶然拾われた謎の生き物との日常を描いた初のオリジナル漫画作品となります。こぎんさんはイラスト、漫画、動画、漫才など幅広い分野で活動するマルチクリエイターであり、どのメディアでもゆるゆるとした雰囲気でまったりと鑑賞することが出来ます。

【No.4】はれのそらさん「イベントSS書いてみてわかった事」

 お次の発表者ははれのそらさん(https://twitter.com/g_zcl)になります。はれのそらさんの発表テーマは「イベントSS書いてみてわかった事」となり、VRChat上のイベント「とまりぎ」や「こもれび」にて書かれたショートショート小説の紹介がなされ、モデルの方から褒められた経験もシェアして頂きました。はれのそらさんは日頃よりシナリオ制作(ボイスシナリオ、脚本)やフリー台本の執筆を行われているので、気になる方は是非依頼してみては如何でしょうか。

【No.5】ぐぅ先さん「ラストバトルの数年後~魔王はロリで、勇者はロリコン~」

 お次の発表者はぐぅ先さん(https://twitter.com/GooSakiSP)になります。ぐぅ先さんの作品「ラストバトルの数年後~魔王はロリで、勇者はロリコン~」は主人公・勇者ジョーとかつて死闘を繰り広げた魔王ルタが復活を果たし、魔王の元へ向かうと魔王が少女の姿であると判明し、さらに勇者は実はロリコンだった、といった展開の短編小説になります。戦闘描写がメインとはなりますが、終盤にはジョーとルタの微笑ましいやり取りも描かれており、肩の力を抜いて読める作品となっています。

【No.6】るいざ・しゃーろっとさん「井の頭公園のエルフの物語」

 お次の発表者はるいざ・しゃーろっとさん(https://twitter.com/VRCLouisa)になります。るいざ・しゃーろっとさんの作品「井の頭公園のエルフの物語」は前回もご紹介頂きましたが、井の頭公園などの現実世界を舞台に、ラスクちゃんやハオランくんといったVRChatのキャラクターが日常の思索を繰り広げる小説になります。今回は並行現実主義文学やマジックリアリズムといった自身の作家性について語って頂きました。

【No.7】sunさん「大人のガチ恋イベント」

 お次の発表者はsunさん(https://twitter.com/Hermit_Heaven)になります。sunさんが関わられた企画「大人のガチ恋イベント」はcluster内の機能「パーソナルエリア」を利用して来場者とキャストが二人きりで会話を行う、体験型VRノベルゲームとも言えるイベントとなります。sunさんのショート小説を原作に、ちゅーべろーすさん、狐坂芽依さん、みくりさん、なちゅりんさん、マツリーさんといった方々がキャストとして参加し、シンプルな疑似恋愛とはまた違った会話劇が楽しめたようです。

【No.8】朝依しるとさん「宣伝方法の考察『VTuberのエンディング、買い取ります。』1巻&2巻と、これから」

 お次の発表者は朝依しるとさん(https://twitter.com/karub128)になります。朝依しるとさんの作品『VTuberのエンディング、買い取ります。』(著:朝依しると/絵:Tiv/出版:KADOKAWA)は前回もご紹介頂いたように第35回ファンタジア大賞〈大賞〉受賞作となり、現在文庫本2巻まで刊行されておりますので、是非お買い求めください(https://amzn.asia/d/iBNPw8z)。今回は主に宣伝方法について語って頂き、声優さんの起用やデジタルサイネージ、壁面巨大広告の様子をご紹介頂きました。

【No.9】神喰ノラさん「∔𝐒𝐡𝐚𝐩𝐞𝐬𝐡𝐢𝐟𝐭𝐞𝐫 𝐂𝐥𝐢𝐧𝐢𝐜∔」

 お次の発表者は神喰ノラさん(https://twitter.com/yamijiki)になります。神喰ノラさんの運営する「∔𝐒𝐡𝐚𝐩𝐞𝐬𝐡𝐢𝐟𝐭𝐞𝐫 𝐂𝐥𝐢𝐧𝐢𝐜∔」では主にアバターの表情とボディテクスチャ、RVCが販売されており、表情が変わることでアバターライフをより楽しめるよう工夫されています。また「Meiden's Lab」では主にダークファンタジーな雰囲気のアイテム、衣装や小物の販売が検討中ということで、沈黙のフェチに深く刺さりました。キャラクターに焦点を当てた物語性という点で、他の発表者とは一味違う作品紹介となりました。

【No.10】コップさん「仮葬現実」

 お次の発表者はコップさん(https://twitter.com/copcapkop)になります。コップさんの作品「仮葬現実」はVRChat上で撮影されたショートムービーとなります。Mazzn1987さん演じる主人公が菊花さん演じるヒロインと出会い、人生に悩むヒロインの浮き沈み、そしてその最期を目撃してしまう、といったお話です。考察要素も含まれており、沈黙としては菊花さんの演技やQvPenで文字を書くシーンが印象的でした。

【No.11】逆路さん「VR-TRPG「静寂に捧ぐ祝詞」」

 お次の発表者は逆路さん(https://twitter.com/Saka_Nagi_17)になります。逆路さんの作品「静寂に捧ぐ祝詞」は、逆路さんが代表を務める創作サークル「ぐだぐだぶとん」により制作されたVR-TRPG作品となります。行方不明となった先生から突然手紙が届き、帰省中の地元の小学校に深夜足を踏み入れる、という舞台設定になります。終盤の選択肢でプレイヤーは大きく心を揺さぶられることでしょう。逆路さんは他にもVR-TRPG作品を多数発表されているので、是非プレイしてみてください。

【No.12】熊野瀝青さん「Vシャーク~シャクトくぷVSネイビーガールズ~」

 お次の発表者は熊野瀝青さん(https://twitter.com/bitumenWRite)になります。熊野瀝青さんの作品「Vシャーク~シャクトくぷVSネイビーガールズ~」は太平洋に浮かぶ平和な島国「サンマリ共和国」にて展開される、地元の自警組織「ネイビー・ガールズ」に所属するフレア、アイドル志望の幼馴染・くぷぅを中心人物としたZ級サメ映画となります。今回はサメ姿の登場で中間報告をして頂きました。何やらグロテスクなシーンも含まれるということで、沈黙の興味は俄然高まりました。

【No.13】スーア先生さん「朗読作品群のコンセプト-砂山と器と、-」

 お次の発表者はスーア先生さん(https://twitter.com/vrc_sour)になります。スーア先生さんの作品「砂山と器と、」はVRChat上の朗読企画に合わせて作られた短編小説であり、またエッセイや詩に近い感覚でも読むことが出来ます。フロイトやスティーヴンソンの引用も見られ、精神世界への深い内省が呼び起こされます。「器としてあり続けたために、砂山の尊さを見失ってしまわないように」という最後の一文からは、肉体と精神の繋がりの脆さがイメージされます。

【No.14】アサムラコウさん「千本刀-月下ニ咲ク鬼哭ノ花-」

 お次の発表者はアサムラコウさん(https://twitter.com/asamurakou)になります。アサムラコウさんの作品「千本刀-月下ニ咲ク鬼哭ノ花-」は江戸時代を舞台に、妖刀を使う主人公の侍とヒロインの鬼の姫が愛欲と剣劇を交えるお話となります。アピールポイントとして地の文が長い、セリフが不自然、オジリナルオノマトペ、殺し愛という要素を挙げて頂きましたが、特に「さてりと撫でた」のような自作オノマトペは強烈で感動しました。落語家としても活動されるアサムラコウさんの個性が濃縮された、読み応えのある短編小説となっています。

【No.15】しいたけさん「ひょうがとおかしクラブ」

 お次の発表者はしいたけさんになります。しいたけさんの漫画作品「ひょうがとおかしクラブ」は加賀山いずも、伊勢原ひゅうが、武蔵野やまとという「男の子」三人によるコーラ作りのお話になります。前回も紹介させて頂きましたが、しいたけさんは男児向けの少女漫画を中心に創作されています。今回の目的は料理を通じて物作りの面白さを伝えるということで、特に料理好きの方は共感できる箇所が多いのではないでしょうか。

【No.16】リジンさん「フェニルθリジン」

 お次の発表者はリジンさん(https://twitter.com/lysine_meta)になります。リジンさんの作品「フェニルθリジン」はVtuberグループ「あみのθさぷり」のメンバー、フェニル・アラニンさんとリジンさんの二人が主演の小説及び朗読作品となります。小説はメタバース小説家のsunさん、イラストは沈黙静寂という手前味噌なご紹介となりましたが、二人の可愛らしいボイスと劇的なライフストーリーを是非味わって頂きたいです。

【No.17】蘭茶みすみさん「「蘭茶みすみ」とは「存在芸術」である」

 お次の発表者は蘭茶みすみさん(https://twitter.com/L_ancia)になります。蘭茶みすみさんの発表テーマは「「蘭茶みすみ」とは「存在芸術」である」と題し、ご自身の活動について紹介して頂きました。元々記者として働かれていたようで文章とは縁がある一方、現在はメタバースアイドルを中心に活動しており、動画や楽曲などを制作されています。各楽曲に込められた想いについて、想像が膨らみますね。

 以上、第2回 ライトニング・モノガタリ集会の紹介作品となりました。第1回から出て頂いたメンバーの方々に加え、賽ノ目ヤブ子さん逆路さん神喰ノラさんなど、色合いの異なるクリエイターまで参加して頂けてより幅が広がったように思います。

 沈黙個人の感想としてはsunさんの「大人のガチ恋イベント」の体験性が斬新だったのと、アサムラコウさんの「千本刀-月下ニ咲ク鬼哭ノ花-」の勢いが激しかったのが印象的でした。いや、半年経ってもちゃんと覚えているものですね。僕が覚えていなかったら誰も覚えていないと思いますが。だからこそnoteを書いて記憶のバックアップを図る訳です。さて、後編から読み始めた方は、前編(第1回)が以下から読めますので、是非ご覧ください。それでは、また。

 文責:沈黙静寂(A-Literary Works.代表)

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