見出し画像

人生の勝ち(価値)は誰がきめるのか?自分と重なる「コントが始まる」

小学生の頃、エンタの神様が流行っていた。
私と同世代はだいたい見ていたんではなかろうか。
小学生にしては遅い時間の毎週土曜日22時を楽しみにしていた私は”お笑い”に魅了された。
田舎である私の地元でエンタの神様芸人が集合するライブのポスターを偶然発見し、意気揚々と家族でライブを見に行ったのもいい思い出である。

同じくお笑いにハマっていた友達と2人でコントごっこと称した遊びをしていたのも懐かしい。
台本なんてもちろんなくて思いつきで始める。
「美容室」、「学校」、「病院」。放送内容の真似もあったかも。
ボケとツッコミの役割分担は交互だった気がする(笑)
自分で役割をハチャメチャなことをして2人でゲラゲラ爆笑する。
誰かに見てもらうことは無くても、2人の世界で誰かを演じて1つの作品を作っている感覚ですごく楽しかった。
そのおかげかもしこの立場だったら、こうしたら面白いだろうなぁと想像力を培えた気がする。そこからの派生で小学校時代の私の将来の夢はギャグ漫画家だったことも含めいい思い出である。
今も変わらず仲良しの友達は黒歴史と言ってその話をしたがらないことだけが少し残念(笑)

前置きが長くなってしまったけど、先月最終回を迎えた『コントが始まる』について。
解散ライブが決定しそこから特別ドラマチックな展開はなく、たんたんと進んでいくドラマ。なのに何故かすごく惹きこまれて毎週見てしまった。

放送前から同年代の人気のキャストが出るという事で注目度は高かった。
そして第一話で唐突に始まる「コント水のトラブル」。
あ、これは売れないわ…と察してしまう絶妙なテンポと空気感。
察し通りお客さんは全然居なくて、売れない芸人の3人。
偶然彼らが打ち合わせするファミレスで働く里穂子のネットストーキングギリギリなファン魂(笑)
この売れないトリオは売れるのか?中浜姉妹もコントし始める?と疑問が残るまま楽しみにしてた。

結果として、私の予想は外れてた。

彼らは最後まで売れないトリオで、絶妙なテンポの爆笑コントをしている。
成功までを描くというわけではなくて、18歳から始めた夢をいつまで追い続けるのか葛藤する若者たちの偶像劇だったのだ。
若者たちは皆悩みを抱えている中で、若者たちと絶妙な距離感を保ちながら彼らの味方でいてくれる恩師や大将や店長やマネージャーやスナックのママ達大人の存在があることがよかった。
夢を諦めることが負けなのか?と悩む場面があったが、そんな素敵な人たちに20代で出会えただけで、人生の価値(勝ち)だと思った。

実は伏線回収が毎回ちょくちょくあるのも魅力であった。第一話のコントの伏線回収が最終回でくるのが、連続ドラマの面白さを上手に使っているぅ~と。かといってドラマだからね、となるわけでなくて人や出来事との出逢いから選択した結果が人生、現実もそんなもんなのかもなと納得してしまう妙な感覚があった。

あと、あの有村架純ちゃんが妙にリアルなオタクを演じているのが注目されていた。私はあれだけ熱中できるものがないから羨ましく思っちゃう。
映えを気にして注目やフォロワーを気にする人が多い時代になっているけれど、セリフであったように例え100人に見てもらえなくても100回も1人が見てくれるほど愛される方が幸せなんじゃないかなと。
たくさんの知り合いよりも少ない親友がいいみたいなね。


何故このドラマが自分と重なっていたかというと、
私も20代で転職活動通して人生を考えるタイミングだったから。

20代も中盤を迎えた今が機会なのかなと思い立ち
新卒からしてきた仕事と違う業界で働こうと思っていて、転職活動を始めた。それに伴いこれからの人生設計を考えることが増えたのです。

やりたい仕事かワークライフバランスかお給料、何を重視するのか

答えはないのは分かっているんだけど、難しいよ...。
貯金したいし、コロナが終わったら旅行いきたいし、服も買いたい
だから働くことは大事なのだけれど、仕事がすべてだとは思いたくない。
そして大学時代から憧れていた会社の面接までこぎつけた(ESが難関)のに一次面接で落ちるという自信喪失なタイミング(6月)でこのドラマを見たから
私も人生どころかそもそも自分の身の振り方を悩める若者だ...と。

人生を一日で例えて話すことがよくある。
それによると私はまだ朝の7時半くらいで、もう通過した人にとっては「まだ朝なんだから焦らなくて大丈夫」かもしれないが、まだ朝しかしらない私にとっては「もう7時だ!準備しなきゃ、でもどこにどうやっていけばいいのか分からないの心配」なのである。
そんな私とドラマのタイミングに不思議なものを感じて、他人事に思えなかったし、台詞が心に響いた。

ラストシーンでそれぞれが新しい道を歩き始めたところであまり多くを描写せず終わってくれたのも私は救われた気がする。
自分もトンっと背中を押されたような気がした。
ウジウジせず前に進もう。

よろしければサポートお願いします。noteを続ける活力になります。