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【言えなかった「ありがとう」】〜『時間旅行』1周年おめでとうございます〜

2023年7月28日にryuryuさんの楽曲『時間旅行』が投稿されてから1年が経ちました。

YouTube↓

ニコニコ動画↓

当時の私を救ってくれたこの曲の1周年記念ということで勝手に自分語り混じりのぼかれびゅnoteをここに認めます。

音楽知識の無いぼかれびゅになりますのでもし間違ってる箇所などありましたらすみません🙇‍♀️


ぼかれびゅ
『時間旅行 feat.初音ミク/ryuryu』

※【】は歌詞を引用した箇所です。

「あれが、あの人との最後になるとは思わなかった。」

「もっとちゃんと、話したかった。」

「『ありがとう』の一言を、ちゃんと言っておきたかった。」


人間は残酷なもので
そんな後悔は、「いつか会える」の可能性が失われた瞬間に初めて湧き上がる。

そしてその後悔はずっと付き纏っては
日常のふとした瞬間に度々襲ってくる。

【引き出しの奥から出てきた
 書きかけの誰かへの手紙が
 心のスイッチを押したなら視界は歪んでゆく】

たった一つのきっかけで。
思い出した、笑ったあの人が変わらない声で
「元気?今、どうしてる?」って声をかけてくれた気がして。

遥か昔の、
もう消し去ったと思い込んでいた記憶が
今の自分すらかき消すような濁流として鮮明に全部思い出す。

その人の声も、仕草も、
その場所の匂いも、湿度も、時間の流れ方も全部。

まるでタイムスリップしたかのように体が全部、記憶に飲まれる。

【もう一度会いたい人に
 会いに行こうか時間旅行】

記憶の中には、あの人がいて
大きな声で何回も名前を呼ばれて
沢山褒めてくれて
真剣な顔で話す顔も声も
面白おかしく笑わせてくれる姿も

その人との記憶をちゃんと、覚えていたことも嬉しくて。

だけど長い年月過ごした中ではもちろん
楽しい記憶ばかりじゃない。

こんなに大事な記憶がずっと奥の奥に追いやられていた理由はちゃんとあって。

【今もずっとこの胸にトゲが刺さってる】
【白く塗った思い出は少し苦いけど】

どんな終わり方をしただろう。

戻れなくなったあの場所。

最後、どんな顔をしていた?

あの時、ああしていれば。

思い出の中に残るわだかまりは
記憶に残すには苦くて苦しくて
いつしか関連する記憶を全部塗りつぶしていく。

【知らない間に泳ぎ疲れて辿り着いた果ての未来】の、忙しない現実に追われるうちに、意識せずとも思い出すこともなくなっていく。

昔の自分にも、あの人にも、誇れない、果ての未来。

飲まれた記憶の中で、
過ごした日常が蘇って
苦しかった時にくれた温かい言葉や、眼差しを思い出す。

今の自分があるのは過ごしたあの日々があったからなのに。

社会に出た人間が、自分以外の人間に優しくできることがどれほど素敵なことか。

救われた気持ちも
当時気付けなかった感謝も
記憶以上ものが溢れ出る。

そんな優しさに対して『ありがとう』と
ちゃんと、言葉にできていただろうか。

【言えなかった『ありがとう』】

そんなことを、もう二度と、
会えなくなった時に初めて気づく。

優しいロックの音色と現実と救い

シンプルなギターやドラム、ベースといった楽器が気を衒うことなく、しっかりしたリズムを刻んで音色を鳴らす。

日常みたいに淡々と鳴るリズムに対して、ギターの音色は凄くロックな音。
かっこいい音で低めのBPMをリフが鳴って、ギターソロを飾る。
その音はどこかキラキラしてて希望みたいで、
“時間旅行”という魔法がかかるみたいな優しさがある。

当然、現実に魔法はかからなくて
歌詞の至る所にそれは散りばめられてる。

【あの時をやり直せるかななんて
 そんなに甘くはないね】

【実現不可能な夢みたいな
 物語の中だけの旅】

【言えなかった『ありがとう』を
 悔やんでいても遅いけど】

随所で現実を突きつけられる。

それでも、ミクの声はずっと優しくて

記憶の中を泳ぐ魔法みたいな“時間旅行”を否定することはしなくて

その答えが、最後の歌詞に全部詰まっている。

【心のスイッチを押してほら
 時空も超えてゆけ

 もう一度会いたい人 君を想って時間旅行
 今もずっとこの胸にトゲが刺さってる

 言えなかった『ありがとう』
 少し悪戯な運命も抱いて
 戻らないあの場所をもう一度旅するよ

 二度と会えない君にさえ
 届きそうな気がするよ】

この歌詞が終わって
数秒後にこれまでの伴奏に加えてシンセサイザーの音が優しく響き出して、フェードアウトするアウトロでこの音楽は幕を閉じる。

『ありがとう』はどうやっても言えずじまいで
もう、会えなくなってしまった、それが現実。

それでも、
【もう一度会いたい】気持ちを抱えて
【心のスイッチを押して】
【戻らないあの場所をもう一度旅する】

それは、記憶を辿って、過去に想いを馳せることを許してくれる言葉。

【二度と会えない君にさえ
 届きそうな気がするよ】

奥の奥の片隅に追いやっていたその記憶を
もう二度と、塗りつぶすことなく
いつでもスイッチを押して戻れるように。

あの人のことを、ちゃんと、覚えておくこと。

忘れないで、大切にすること。

“届く”とは言い切れないけれど、【届きそうな気がする】。

もう何をしても遅いけれど
何度でも『ありがとう』を伝えたい。

どこか懐かしさを覚えるシンセの音色が

大切な人に会いたい気持ちを連れて

思い出の中にゆっくりと誘ってくれる

最後の最後まで

優しい救いをくれる、そんな、大切な曲。


最後に

ここまで読んで下さってありがとうございました。
ひとまず書き切れたことに自分でもびっくりです。

急に始まって急に終わったこの文章を、果たしてぼかれびゅと呼んで良いのかは分かりませんが、ダメだったら言ってください。


改めて...

『時間旅行』
1周年おめでとうございます🎉

去年の今日というタイミングに
この曲に出会えたことで
当時悲しさでいっぱいになっていた私は
寂しさはありつつも前を向き直せて、
凄く心が軽くなりました。

元々周りを明るくする天才みたいな方だったので、暗い思い出もかき消されるような笑ってる姿が沢山、残っていたんだなと思い出すことができました。もう、忘れたくないな。

最後の最後に、

ryuryuさん
こんなに素敵な曲を作ってくださって
本当にありがとうございました!

『時間旅行』が私の教訓のような楽曲になったのはもちろん、これまでもryuryuさんの楽曲も大好きな作品が沢山あるので、全部宝物みたいに大事に聴いていきます。
これからもryuryuさんの作品楽しみにしております!

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