うちはそれですこしねむれる

いくえにも おりかさなる げきれつな いかり と おそれに

おしつぶされそうになりながら 

おのれの ちいささと ふかくにも とどまる うれいのなかで

うち は あんたを いま おおごえで よび そして まっすぐに うちぬきたい

いつも にげられることを おそれるがゆえに

にげて にげて にげまどって

いったい なにから にげてるのかも わからないぐらい

にげてきたくせに

また にげてしまう あんたのことを

 

うち に せんりにもとどく めがあったなら 

あんたの いのちを つきさして

せなかを つよく つよく だきつくしたいのだ

うち にできることなんて 

なんにもなかったかもしれないけど

あんたから けっして にげないことだけは 

だれにも まけないつもりだったのに

こんなにも あっさり いってしまうなんて

うちにだって こころは あるのよ

うちにだって きもちは あるのよ

いくえにも おりかさなった うらぎり と せつなさ の げきりゅうのなかで

うちは いま おもくのしかかる くろいかたまりのような それに 

おしつぶされそうになってるけれど

いまの あんたの こどくに くらべたら 

そんなものは きっとなんでもないとおもいあがったりもする

たすけてほしい そのひとことが いえない あんた

やさしくされたら むちゃくちゃにしてしまいたい そのしょうどうが おさえられない あんた

そのあんたを うちは まるごと のみこめるとおもってたなんて ほんと わらえる  わらえるよね

ほんのこれっぽちも あんたの こころに さわれなかったことが

なによりも くやしいさ くやしいさ ほんとに くやしいさ

いつか あんたに まちで ばったり あったとしたら

うちは いったい どんな かおをすればいいんだろう

そのとき あんたは うちに わらいかけたりするのかな

それとも かくれるように めをそらして きえさってしまうかな

うちの いのちと あんたの いのちが まぐわったとき

なにか すごい ひかりが はじけとぶような もうそうに こころおどらせていたけれど

そんなことは おこるはずもないよね おきるはずもないよね

だけど うちは これからも おもうことは やめないよ

こんなことで うちは やめないよ

あんたのことも やめないよ 

うちは いつまでも おもいつづけられる うちで いられるように

いきるから  

いきるから 

いきるから

あんたも きっと どこかで ずっと いきてね いきてね

ちゃんと じゃなくてもいいから そっと ずっと いきてね

あんたが あんたを みすてなければ それで うちは すこし ねむれる

あんたが あんたを みすてなければ それで うちは すこし ねむれる

それで うちは すこし ねむれる



20140727

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