踊り候え ReyCamoyに寄せて

明日、5ヶ月ぶりのステージです。
恒例のUrBANGUILD FourDancers。
全く体を動かさなかったこの5ヶ月で、なんのトレーニングも試みず挑むのは人生初。

明日のストーリー。

夜も更け表通りも裏通りもひと気の途絶えた村で、
男が一人、パブからの帰り途、街燈にもたれかかるようにして佇んでいた。

男の頭上で光に吸い寄せられた羽虫が数匹飛んでいる。
もう季節は秋を過ぎようとしているのに、灯りに羽虫は残りの命を捧げるように弱々しく舞っている。

男は酔いが回りゆらゆらと揺れている。
それは街燈の影のようにも見え、その影は一人でに動き出しているかのようにも見える。

一匹の羽虫が力尽きて揺れる影の中に吸い込まれていった。

影が
ゆらり
と、動く

ふらふらとした足取りで右足を踏み出す、
つま先で方向を変え左足を踏む、
片足立ちの影はバランスを取ろうとトントントンと跳ねる。

酒瓶を持つ右手と広げた左手は飛び方を知らない雛のようにバタバタと宙をかく。

影はやがてぐにゃりと歪んだ一本の線になる。
それは気まぐれに走らした筆の跡のような線である。

影はそのまま地面に溶けていくかのように思われたが、再び人の型に戻る。

街燈の下で、
家路に就くとも、この場に居るともなく、
いつ終わるとも、果てるともない輪廻の中、
影は変幻自在に踊り続けるのだった。


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