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「最近調査 婦人職業案内 附 職業を望む婦人の学校一覧」

『婦人倶楽部』昭和6年第12巻第11号 附録(大日本雄弁会講談社)

1931年11月


1930年代にもなると女性向け職業案内が格段に現実的に、そしてバリエーションが豊かになります。

(1)資格を要しない職業 (55種)

(2)講習又は学校を出て就く職業 (18種)

(3)資格を要する職業 (13種)

上記3グループに分けて案内していて、巻末には「学校一覧」がついています。その学校も「和洋服手芸師になれる学校一覧」から、「中等学校教員になれる学校」まで19のグループ分けがあります。さらにさらに、「全国授産場一覧」と「全国職業紹介所便覧」まで(さすが講談社…)。

「(1)資格を要しない職業」の筆頭は「銀行会社事務員」です。

この資料の楽しさは、何といっても挿絵のあること。「戦前昭和時代の働く女性」といってもピンとこない学生のために、着物姿で、上っ張りを着て働く女性の絵は助かります。「エア・ガール」(今でいうCA)や「エレベーター・ガール」は洋装です。「マニキュア・ガール」(ネイリスト)(ここでは美爪術)、「「ガソリン・ガール」(GSスタッフ)は和装です。

「(3)資格を要する職業」欄には、広告がドッと掲載されます。ハリウッド美容研究室、マリールヰズ美容女学校、文化裁縫女学校、タイピストの養成学校から自動車学校まで!

「立てる職業婦人は坐せる淑女に優る」(p.84)の金言があるのが『婦人倶楽部』らしいようならしくないような…。

ちなみにこちらの資料は折り帖になっているのもポイント。表紙もモダンな雰囲気ですてきです。


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